2016.11.29 06:09/ Jun
理論を目の前にしたときの人の反応には、2種類あります。
ありがたがって、飛びつくか。
疑って、位置づけるか。
理論というと「たいそうなもの」と感じる場合の方が多いと思いますので、典型的には、前者の反応なのかな、と思います。すなわち「ありがたがって、飛びつく」。
アカデミックフレーバーの漂うビジネス書などで、ときおり、「理論」の紹介や引用がなされたりすることがありますが、その際の引用のされ方は、どちらかというと、こちらに近いものがあります。
現象を説明するのに便利そうな理論が、アカデミック畑で見つけちゃったので、ちょっと紹介してみた、というのが、この状況です。
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一方、アカデミックなトレーニングを受けた人であるならば、理論を目の前にして、そのまま「飛びつくこと」は、まずない、と信じたいものです。こちらは、「ありがたがって、飛びつく」のではなく「疑って、位置づける」のです。
思うに、
アカデミックなトレーニングとは「疑うこと」と「位置づけること」の習慣化
に他なりません。
アカデミックなトレーニングを受けた人は、たまたま、他人の書籍などで理論を目にして、おっ、これは素晴らしいと思っても、それをただちに真に受けることはありません。
具体的には、
1.原典はどこにあるのか?
2.どういう背景で、この理論が登場したのか?
3.その理論自体が、どのような評価をなされているか?
を調べるのではないかと思います。
そうやって、理論が、何をどこからカバーしているのか。そして、そこにはどのような制約があるのか、をさぐるのだと思います。
アカデミックなトレーニングとは「疑うこと」と「位置づけること」
それを別の言葉では「批判的(クリティカル)な態度」といったりします。
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今日は、理論に対する人々の典型的な反応を、ややカリカチュアライズしながら、2つの極にわけて、描き出してみました。
あなたは理論を目にしたとき、どんな反応を示しますか?
ありがたがって、飛びつく?
疑って、位置づける?
そして人生はつづく
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