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2016.10.26 06:43/ Jun

ますます「粒揃い」になっていく教育機関、さっぱり「粒が揃わなく」なっていく仕事世界!?:「強烈な段差」をサバイブせよ!

 これは首都圏だけの現象なのでしょうか・・・僕のような仕事をしておりますと、さまざまな入学試験関係の話題を、いろいろな方からうかがいます。
  
 とりわけ、人々は「中学受験」というものが、どうにも好きらしく、そこそこの年代をもった親からは、そのような話題を持ちかけられることが多いものです。これは、僕が彼らと「同年代」ということも背景にあるのかな、と思います。
  
 この問題に関して、僕のスタンスを最初にお話しますと、まず、僕は、現段階で、中学受験に対して「ネガ」でも、「ポジ」でも、ありません。
 そんなものは「個人の選択の問題」です。自分の子どもと、じっくり対話して決めればよろしいのであって、赤の他人が、とやかくいうことではありません。
  
 我が家に関しても、それに対して、現段階で「確固たる意見や展望」をもっているわけではありません。
 一時期「やってみようかな的機運」が高まったときがありましたが、ブームがただちに終わりました。しかし、またブームが再燃?するかもしれません。
  
 今のところは、「受けたきゃ受ければいいんじゃない」、「でも、さっぱり、受けたいって言わないね」みたいな感じです。
 かくして、今日もTAKUZOは、自分の好きな習い事にシコシコと精を出しています(笑)。
  
  ▼
  
 繰り返しになりますが、受験は「個人の選択」の問題なので、あまり僕がとやかくいうことはございません。
  
 ただし、自分と同年代の親御さんの話を伺っておりますと、1点だけ、どうしても気になることがございます。
  
 それは、その会話のなかに
  
「中学で受験するのは、粒揃いのなかで、育って欲しいため」
  
 というような趣旨の言葉を伺うことが多いことです。
 この「粒揃い」という言葉が大変気になるのです。
  
 敢えて、趣旨の詳細を確認することはしないものの、「粒揃い」という言葉の指し示すところは、

 受験という「フィルター」を通過した
 同じような境遇にそだち
 同じような学力があり
 同じようなキャリア展望をもっている
 同じような子どもたち
  
 という意味でおっしゃっているのでしょう。
  
 そうか・・・なるほどね。
  
「粒が揃わない状況」は、多くの場合、違和感や社会的葛藤を生み出す可能性が高まるので、そういうご主旨も、痛いほど、わかります。
 親であるならば、何も、我が子に、過剰な違和感や社会的葛藤を経験させたくはありません。「粒揃いにいるほうが、安心だ」という気持ちは、一瞬、分かる気がします。

 しかし、一方で、思うのは
  
 教育機関は「粒揃い」でいいかもしれません。
 しかし、今後、ご子息が生きていく「仕事の世界」は、ますます「粒が揃わない状況」が増していく
  
 ということなのかな、と思います。
 「粒揃いの環境から、粒が揃わない環境へのトランジション」は「安心」と言えるのか?
  
 僕は、仕事の世界の研究者として、
  
 「粒揃いの教育機関と、粒が揃わない仕事世界の強烈な段差」
  
 が気になって仕方がありません。
  
 これを別の言葉で申し上げると、こういうことです。
 月並みな言葉ですが、仕事の世界では、「職場の多様性がさらに増していく=粒が揃わなくなっていく」ということです。
  
 様々な雇用形態の人
 様々な異なる年齢の人
 様々な価値観、信条、思想をもっている人
 場合によっては、国籍も文化的背景も異なる人
 兼業や副業など、さまざまな場所で働く人
 時空間を異にしていても、ネットワークだけで同じ仕事をしている人
  
 とにもかくにも、これから10年ー20年の「仕事の世界」を展望したとき、僕には「職場の多様性」はさらに増していくものと思われます。
   
 つまり、かつては「日本人・正社員・みんな同じ方向をむいて仕事をする」という「粒揃い」の集団だったものが、どんどんと「粒が揃わなくなってくる」ということです。
  
 そのような中で、ご子息が、どのように生きぬくか。
 どのような準備をへて、仕事の世界に向かうのか。
  
「教育機関における仮初めの粒揃い」を称揚する前に、仕事の世界の「粒の揃わなさっぷり」についても、一寸だけ思いを馳せて頂きたく思います。
  
 くどいようですが、受験に関しては個人の選択の問題なので、僕は何も申し上げる事はありません。じっくりご子息と話されてお決めになればよろしいのかな、と思います。
   
  ▼
   
 今日は「中学受験」を手がかりにしつつ、「教育機関の粒揃い」と「仕事の世界の粒の揃わなさっぷり」についてお話をしました。
   
 これからの社会を生きぬくことは、なかなかに大変なことです。
  
 知的にタフであれ!
 どのような場所で学ぶ場合においてもm、これからを生きぬく子どもたちには、そう声をかけたいものです
   
 そして人生はつづく

 —

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