2016.10.7 06:35/ Jun
昨日は、スポーツ庁・経済産業省のとりまとめる「スポーツ経営人材プラットフォーム協議会」という会議に出席してきました。
スポーツ庁の鈴木大地長官によりますと、スポーツが我が国の成長戦略のひとつにかかげられたことを踏まえ、「スポーツ団体を高度に経営していく人材=スポーツ経営人材」が求められているそうです。
この協議会では、競技を超えて、どのようにスポーツ経営をなしていく人材を育成したら良いのかを考えるとのことでした。
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スポーツは、僕は全くの「ズヴのドシロウト」ですが(笑・・・なにせ体育2)、「経営人材をいかに育成するか?」という観点からなら、ご意見させて頂けるところもあるのかな、と思い、末席に加わらせて頂くことにいたしました。
スポーツ経営人材プラットフォーム協議会
http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/houdou/28/09/1377733.htm
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初回の会議では、「教育機関においてスポーツ経営人材をいかに育成するか」が話し合われました。
委員の皆様からは、様々なご意見が寄せられましたが、とくに印象深かったのはJリーグの村井満チェアマンのお話でした。ICレコーダを持っていたわけではございませんので、一字一句同じというわけにはいきませんが、
村井さん曰く
民間企業の経営よりも、スポーツ団体の経営というのは難しいところもある。前の年に調子のよかったチームが、次の年にはまったく振るわない、ということがある。これだけチームの状態が上下する。こうした不確実性のなかを経営しなければならない。
とおっしゃっていたのは、非常に興味深いことでした。
だとするならば、スポーツ団体の経営者が、いかなる「実践知」をもち、いかなるスキルを用い、経営を行っているか、に関する丁寧なリサーチがまず必要だろう、と僕は思います。
もちろん、「スポーツ経営学」なる研究領域があるそうですので、そちらの知見が、有効に活用できるのではないかと思いました。
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せんだっての委員会では、自由討議で、各委員からさまざまな意見が寄せられました。
僕の方からは、ワンセンテンスで申し上げますと、
「出口のない教育機関」だけはつくらないほうがいい
というお話をさせていただきました。とりわけ、高度なスキルや知識を有する職業人を教育機関で養成するというときには、出口の確保できない教育機関だけはつくらないほうがいい、と僕は思います。
今後、あらたに教育機関を設計しようとするときにポイントになるのは、
1.入口:どんな経験や知識を有する人材を入学させるか?
2.知識:どのような体系的知識や専門性を獲得させるか?
(=どのような人をファカルティにするか?)
3.出口:卒業した人材がどのような職業機関に就職するか?
4.認証機関:誰が資格認証をおこない、クオリティを担保し続けるか?
の4点だと思います。
要するに、どんな知識をもったひとが入ってきて、どんな体系的知識や経験を身につけ、卒業したあとはどこに就職する見込みがあり、誰が学位認証するか、をトータルに設計するということです。
このうちもっとも大切だと個人的に思うのは、「出口」です。
近年の高度職業人を教育機関のなかで、「出口戦略」の甘いものがいかに多いか。そして、それらがどのような「末路」をたどるか。ぜひ、スポーツ経営人材は、そのようになっていただきたくない、と心から思います。
それを防止するひとつの方策は、おそらく
「出口になる職業団体」と「教育機関」が「最初」から「同じ船」にのって、教育機関を設計すること
でしょう。
すなわち「教育機関 vs 職業機関」という2つ違ったものがあり、そこには「断絶」があることを前提にするのではなく、「教育機関と職業機関が一体化」して、教育機関を設計することである、と僕は思います。
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「スポーツ経営人材の育成」に関する議論は、まだ始まったばかりです。敢えてお名前をあげることを差し控えますが、お声がけいただいたみなさまに感謝させて頂くとともに、何らかのかたちでお役に立ちたいとは思っています。
そして人生はつづく
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