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2016.9.26 09:33/ Jun

世界初!?「女性リーダーをいかに育成したらよいのか?調査」がはじまります!

 本日9月26日(月曜日)から、新たな調査がいよいよ開始されます。
   
 「女性リーダーをいかに育成したらよいのか?」
   
 という問いに、真正面から答える大規模な組織調査です。
   
 このたび、トーマツイノベーション株式会社様(眞﨑大輔代表取締役社長)から、共同研究の機会をいただき、女性リーダーに関する大規模調査を、本日より開始させていただくことになりました。
  
トーマツイノベーション株式会社
http://www.ti.tohmatsu.co.jp/
  
 調査では
  
 1.女性の実務担当者
 2.男性の実務担当者
 3.女性のリーダー
 4.男性のリーダー
 5.女性の管理職
 6.男性の管理職
  
 という6つの社会カテゴリーにわけて結果を分析します。
  
 1.「実務担当者ーリーダーー管理職」という時間軸
 2.「女性ー男性」という性差の軸
   
 という2つの軸をもうけて「女性リーダーをいかに育成するか?」ということに答えようとする調査は、極めて珍しいと思います。
 また勝手に認定しちゃいますが、「世界初」(!)だと思います。
  
 こうした「世界初?」の調査によって
   
1.「実務担当者ーリーダーー管理職」というキャリアのトランジションの中で、本当に女性と男性の違いがあるとすれば、それは何か?
   
2.「男女のリーダー」「男女の管理職」で、それぞれ、どのように日常の管理行動が異なり、何が挑戦的課題になるか?
  
 がわかることになります。

 この調査を完遂するためには、ひとつの社会カテゴリーのなかに、数百名のN数を確保することが必要になります。
 これは口にだすのは比較的容易ですが、オペレーションや母数の確保が極めて難しい課題であり、普通はしません。
  
 しかし、本調査では、この課題にチャレンジします。
 このたび、トーマツイノベーション株式会社様にいただきましたご縁と機会には、心より感謝をいたします。繰り返しになりますが、本当にありがとうございます。
  
 企業におつとめの方で、調査について詳細をお知りになりたい方は、ぜひ、トーマツイノベーション株式会社の方に、御連絡をいただけますよう、よろしく御願いいたします。
  
トーマツイノベーション株式会社
http://www.ti.tohmatsu.co.jp/

  ▼
  
 現在、女性リーダーや女性管理職について論じている「既存の言説空間」は、ほぼ2つの種類に大別されているように思います。
   
1.かつて活躍していた女性リーダーの経験談
 かつて企業で輝かしい女性リーダーが、回顧をおこない、自らの経験談を語っている言説です。貴重な経験談は生々しく、非常に参考になるものの、その適用範囲がどの程度であるかは精査が必要であると思われます。
   
2.「女性リーダーのための」という枕詞のついた一般的なマネジメント原則
「これって一般的で、男性にも言えるマネジメント原則でもあるんじゃないの」とも解釈できる「一般的なマネジメントの原理・原則」に、「女性リーダーのための」という枕詞がついているような言説です。
 中身は、若干、女性向けにコーティングされているものの、しかし、内容は「一般的なマネジメント原則」と考えられます。いったい、どこからどこまでが「女性だけ」に関していえることなのに関して、適用範囲に精査が必要です。
   
 これら2つの「既存の言説」の重要性を認めつつも、わたしたちの調査研究の知見からは、これらを相対化するような研究知見を生み出していきたいと思います。
   
 結果を、どうか、お楽しみに!
   
  ▼
 
 プロジェクトは、これから本格化してきますが、こちらの調査も、非常に難航しました。
 最後になりますが、プロジェクトメンバーをご紹介させていただきます。
 
 プロジェクトは、半年くらい前から構想されました。
 この間、議論をさせていただいたり、ブレストをおこなったり、様々な予備調査を行わせて頂いたメンバーには、トーマツイノベーションの眞﨑大輔社長をはじめとして、田中敏志さん、井手真之介さん、小暮勝也さん、国崎晃司さん、山﨑彩子さん、伊藤由紀さん、飯田裕介さん、村上美奈子さん、星原安希さん、長谷川弘実さんがいらっしゃいます。中原研からは、中原と保田江美さんがご参画させていただいております。
   
 特に、小暮さん、長谷川さんは、ただでさえ複雑な調査表設計、そして調査実施のオペレーションを組んで下さいました。この場を借りて心より感謝いたします。
  
 調査は年末には終え、春あたりに大規模なシンポジウムを予定しております。
 また、知見は、書籍やワークショップ・研修等にも反映していく予定です。

 どうぞお楽しみに!
 
 世界初でいくよ!
 そして人生はつづく

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