2016.9.1 06:18/ Jun
「面接のときに聞いていた話と、現場の仕事が全然違うんです。1か月しか働いていないけど、仕事、辞めようと思います」
入社から1か月で辞めていくスタッフ
離職者のうち22.1%
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去年から、中原研究室はテンプホールディングス株式会社(パーソルグループ)さんと「アルバイト・パート人材の採用・育成」に関する共同研究を開始しています。
このプロジェクトは、「未曾有の人手不足時代」に突入した現在、いかにアルバイト・パートの人材を新たに確保して、育成していくかを、実証的に研究するものです。
共同研究は2つのフェイズにわかれています。
第一の調査フェイズでは、小売・運輸・外食などの大手7社、従業員規模50万人を超える企業へのご参画をいただき、
1)一般求職者を対象にした調査
2)各企業の離職者に対する調査
3)各店舗の職場・マネジメントの実態を明らかにする調査
などを通して、現在のアルバイト・パート人材の働く職場がどのようになっているかを「見える化」することをめざします。
一方、人材開発研究は「見える化」しただけでは終わりません。
端的に述べれば、
「So What ? : で、わかったけど、どうすんの?」
なんです(笑)
調査などで「見える化」したことをもとに、どのようにこうした現状を「改善」していくかを考え、制度・研修・仕組みにおとし評価をしていきます。
去年は、パーソルグループの皆様とこってり調査をさせていただきましたので、今年は「So What ? : で、わかったけど、どうすんの?」の問いに答えるべく、研修などの開発を行わせていただいております。
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調査では様々なことがわかってきています。
発見事実のひとつは、アルバイト・パートの早期離職を防ぐためには、面接がきわめて大切であるという事実です。
これまでアルバイトパートの面接というと、志望動機をききだし、シフトを確認するといったことが一般的で、そのやり方に焦点があたったことが多くはなかったのですが、ここに早期離職をふせぐ要因があると考えています。
詳細は下記のサイトをご覧頂きたいのですが、いったんのみご紹介させて頂きますと、
早期離職の大きな要因となっているのは、
「面接時の話」と「現場のギャップ」
「聞いていた話」と「実際のギャップ」
「仕事に対して抱いていたイメージ」と「現実のギャップ」
なのです。
アルバイト・パートの成長創造プロジェクト
http://www.temp-holdings.co.jp/corporate/growth/
ギャップをゼロにすることはできないにせよ、働くことに希望をもっていただきつつも、このギャップをいかにして埋めるか。これが面接の妙と言えるのではないかと思います。
せっかく採用した人材が早期に離職してしまうことは、面接・採用のコストもさることながら、現場を大きく疲弊させます。
「新人はすぐに辞めちゃうんだよね・・・」
という現状を繰り返していることは、現場の人々の自信を失わせながら、彼らに育成のためのコストを払い続けることを求めてしまいます。
昨年、わたしたちが行った調査では、
入社から1カ月以内で辞めてしまうスタッフは、離職者の22.1%にも上る
ことが明らかになりました。
「22.1%」という、この数字をいかに減少させるが面接責任者、店長さんたちの腕の見せどころになるのかな、と思います。
詳細は下記のWebサイトをご覧下さい。
アルバイト・パートの成長創造プロジェクト
http://www.temp-holdings.co.jp/corporate/growth/
こちらのプロジェクトをともに推進しているのは、テンプグループの皆様、グループリーダーをつとめるテンプHD(HITO総研)の渋谷和久さん、テンプスタッフラーニングの岩崎真也さん、テンプHDの稲田勇一さん、北本裕史さん、HITO総研の小林祐児さん、井上史実子さん、そして、田中聡さんと中原が研究室から参画しています。
研究成果は、この秋、ダイヤモンド社から本としても発刊されます。編集者の藤田さん、ライターの井上佐保子さんにも参画頂き、下記のようなタイトルの本になることが決定しています。
アルバイト・パート[採用・育成]入門
「人手不足」を解消し、最高の職場をつくる
人手不足時代を背景に、アルバイト・パート人材の人材育成を、「よりよいかたち」にするお手伝いができればと思っております。
そして人生はつづく
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