2016.8.25 06:30/ Jun
毎年恒例の夏のイベント「大学生研究フォーラム」のため、久しぶりに出張をしています。
大学生研究フォーラムの舞台は「京都大学」。500名近くの大学関係者、企業関係者、高校関係者にお集まり、これから熱い2日間が、こちらで展開されそうです。
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さて、昨日は、前日のプレカンファレンスワークショップとして、音楽座ミュージカルさんのワークショップが開催されました。
このたび、音楽座さんにご提供いただいたのは「アクティブラーニングの身体技法」と題されるワークショップでした。
舞台で必要な身体の動きなどを参考にしつつ、学習者を巻き込む、さまざまなあり方や手法について、体験をまじえながら学んで頂く機会をえました。
まずは、ご参加頂いたみなさまに感謝いたしますとともに、音楽座ミュージカルの役者、関係者のみなさま、そして、この場のスポンサーをつとめてくださっていた公益財団法人 電通育英会のみなさまに、心より感謝をいたします。
本当にありがとうございました。
お疲れ様でした!
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懇親会が終わり、会場がはけたあと、当日の振り返りをふくめ、音楽座ミュージカルのみなさま、藤田さん、石川さん、関係者のみなさまと一緒に、さまざまなお話をさせていただく機会をえました。
振り返りでは、どのお話も大変に興味深かったのですが、個人的には、藤田さんがおっしゃっていたひとことが、非常に印象深く感じました。藤田さんは、ある話題にひきつけて、
「役者が成長するのは舞台であるが、舞台は、同時に役者をダメにしてしまう場でもあること」
を説明なさっておられました。
ICレコーダをもっていたわけではないので、そのご発言は一言一句同じというわけではないのですが、下記のようなご主旨であったと記憶しています。
藤田さん曰く
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「役者というのは、ステージのうえで、孤独になってしまいがちなのです。お客様から自分は見られているはずなのに、役者の方からは、大きな舞台では、お客様の反応が見えなくなっていく。
そうやって、独りよがりになっていく役者が少なくないのです。
しかし、たちが悪いのは、舞台の最後には、かならず、お客様は、拍手をしてくれる。この拍手を、額面以上にうけとって、自分は褒められている、と勘違いしていくのです。
実際には違うのです。お客様は、役者の演技を見ながら、いろんな違和感を感じる。しかし、それが演じている役者からは、なかなか見えない。役者がだめになっていくのは、こういうことなのです」
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藤田さんのお話は、大変興味深いものでした。
といいますのは、僕自身が、せんだって、ある3000人規模の大きな舞台ホールで、講演をさせていただいたことがあったのですが、そのときの舞台で、あじわった経験と大変近いものがあったのです。
大きな舞台の上で講演をしていると、スポットライトをかなり強くあてられていること、また、聴衆席との距離が遠いせいもあって、聴衆の反応が「見える」ようでいて、「見えない」のです
僕は、せんだって、同じような経験をしました。
このとき、僕は本能的に「ここは、怖いな・・・」と思いました。
会場にはまことにありがたいことに、多くの聴衆の方々が来て下さっているのです。
しかし、講演をやっていると、ふっと・・・
自分が大きな舞台のうえで、ひとりで孤独に演じているような感覚
に襲われたことがあったのです。
もうすこし小規模の会場でしたら、会場からいろいろな反応をもらったり、見つけたりしつつ、場を展開するのですが、この会場では、なかなかそれが難しいことでした。
強烈なスポットライトの光に前をみることを遮られる。
眼鏡をかけても、聴衆のみなさまの反応まではわからない。
終わったあと、自分はちゃんとしていたのか。今日の講演はどうだったのかを、講演を聴いてくれていた自分の指導学生(大学院生)にたずねていました。
「ねー、僕、どんな風にしゃべってた?」
僕は役者ではないし、舞台のことはよくわかりません。音楽座ミュージカルのみなさまに比べたら、そんな舞台にあがるのも、年に1度くらいのものです。
しかし、そのような経験しかなくても、藤田さんのおっしゃることは、僭越ながらわかるような気が致しました。
舞台の上は、時折、孤独である
そして
舞台のうえでの孤独は、ときに独りよがりに変わり、パフォーマーをダメにする
一方、
舞台は、人をときに大きく成長させるもの
でもあります。晴れの舞台にたち、そこでリスクをとって、振る舞うとき、人は大きく成長します。
しかし、先ほどお話ししましたように、他方で
舞台には人をダメにする「魔物」が住んでいる
舞台をめぐる、この両義性が非常に印象的な夜でした。
僕が舞台にあがらせていただくのは、そう多くはありませんが、あがるからには、しっかりと毎回チャレンジをもって、そこに望みたいものです。
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今日は、これから大学生研究フォーラムの本番2日目を迎えます。
多くの皆様に、愉しんで頂けるよう、精一杯、舞台で講演をさせていただこうと思っております。
みなさま、どうぞ愉しんでいってください。
そして人生はつづく
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