2016.7.4 06:45/ Jun
「他人からの耳の痛いフィードバックを正しく受けること」
は、当人の「学習」や「成長」にとって、非常に重要なことであると思います。
ここで、フィードバックとは「耳の話を他者から指摘されること」と「他者からのコーチングを受け手立て直すこと」とします。
きちんと「事実」を突きつけられ、その上で、他者の支援を受けて自分を立て直す。こうしたことがフィードバックの本質です。
人は誰しも、自らの力だけで、「正しい方向」に飛べるわけではありません。
特に経験の浅いうちは、他者の指摘や支援を受けて、「正しいと思われる方向」に軌道修正をおこなう必要があるのです。
工学系のある研究者にそのことを話したら、かつて、こんなことを指摘されました。
「それはロケットと同じだね。中原君、まっすぐ正しい飛びつづけることのできるエンジンロケットは存在しないの。ロケットってのは、飛んでいるうちに傾いてくるので、そうしたら自分の傾きを検出して、ジェットの吹き出し口の傾きをかえるためのフィードバック機構がついてます。そういうフィードバックがなくては、正しく飛べないんだよ・・・」
人間の学習や成長も、要するに、この「ロケット」と同じなんだろうね。
まっすぐ正しい方向に飛べるロケットは存在しない。
フィードバックループを得て、まっすぐ正しく飛ぶのでしょう。
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フィードバックをうけることは、当人の成長にとって大切なことではあるものの、この世には、せっかくもらったフィードバックを全く「消化」しようとしなかったり、「拒絶」してしまったりする人もいます。
すべてのフィードバック情報が「正しい」わけではありませんので、取捨選択も大切なのですが、せっかくもらったフィードバックが全く活かされないというのは、まことに残念な状況です。
フィードバックが活かされない状況で、よく「あるある」なのは、下記の7点です。
1.根拠なきポジティブ病
「他人から見ると、全く何ともならない深刻な状況」なのに、本人は全くそう認知していない。どんなフィードバックをうけても「悲観的すぎますよ、何とかなりますよ」と言い切ってしまう。
多くの場合「全く何ともならない」。若い人が罹患しやすい。たまにオッサンもかかる。
2.「すぐに大丈夫です」病
どんなフィードバックをしても、「僕は大丈夫です!」「ありがとうございます。大丈夫です」と言い切ってしまうことで、フィードバックを「拒絶」する。学生がもっとも罹患しやすい症状。
3.「とはいいますけどね」病
うけたフィードバックにもれなく「いやいやいや、とはいいますけどね・・・」といいかえして、反論する。多くの場合、「反論」ではなく単なる「言い訳」であるが、のらりくらりと言い訳を重ねて、フィードバックをかわす。オッサンが罹患しやすい。
4.まるっとまるめちゃう症候群
相手からもらったフィードバックを、自分の都合のいいように解釈したりする。自分の都合のよい部分だけを抜き出して、フィードバックの趣旨や内容、その精度を故意に薄める。大人に多い深刻な状況。
5.相手の解釈が悪いんだよ病
相手が自分の状態を解釈するところからそもそも間違っているので、そこからつくられたフィードバック情報は、妥当性がない、とする。要するに「このフィードバックは、うけるに値しない」とするので、いくらフィードバックされても、全く刺さらない。大人に多い高度な症状。
6.こちらの表現が悪かったんだよね病
相手から受けたフィードバックは、「自分の伝え方が悪かったせい」で起こったのであり、自分の「本質」に問題はない、と位置づけてしまう。
自分の「本質」が悪いのではなく、「相手への表現方法」に問題があったということならば、うけたフィードバックは「伝え方」の問題でおこったのであるから、自分の「本質」を変える必要はない、とする。大人がかかりやすい高度な病気。
7.地蔵病
フィードバックの最中は神妙な面持ちで聞いているような、反省しているような顔をしているが、実は、右からはいって、左。いわば「地蔵」。びくともせず、全く聞いて折らず、そして、行動を変えることもしない。
こういう人には、いくらフィードバックをしても、刺さりません。
だから「成長しない」のです。
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今日はフィードバックについて書きました。
フィードバックの受け方や、送り方は、「教科」でもなんでもないので、学校で教えてくれることではありません。でも、これほど大切なことはないのにな、とも思ってしまいます。
自戒をこめて申し上げますが、正しい方向に成長するために、フィードバックは「よく受けたい」ものです。
そして人生は続く
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