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2016.4.19 05:08/ Jun

本日発売!新刊「会社の中はジレンマだらけー現場マネジャー決断のトレーニング」(本間浩輔×中原淳著)どうかご笑覧ください!

 本日4月19日、新刊「会社の中はジレンマだらけー現場マネジャー決断のトレーニング」が発売になります(パチパチパチ!)
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会社の中はジレンマだらけ 現場マネジャー「決断」のトレーニング (光文社新書) はこちらで購入できます!
http://ow.ly/10xZpX
 こちらの書籍は、ヤフー上席執行役員(人事責任者)の本間浩輔さんと、中原の共著で、光文社新書からの刊行です。
  ▼
 「会社の中はジレンマだらけー現場マネジャー決断のトレーニング」は、
1.現場マネジャーがふだん出くわす「あるあるのディレンマ状況」を冒頭にケースとしてとりあげ
2.それに対する現場経験の智慧、人材研究の科学的知見を、本間さんと中原がゆるゆると対話し、
3.本間さんと中原が、先ほどのディレンマ状況に自分がおかれた場合には、自分ならどうするかの「決断」をまずは述べさせていただき
4.読者の皆さんにも自分の「決断」をワークシート風の空欄に書き込んでもらう
 という本です。
 イメージとしてはそうですね・・・「対話型のワークショップ」を受けているような感じですかね。
 各章最後には、現場マネジャーがよく現場で相対するディレンマに対して、自分で決断しなくてはならないのですけれど、その前に、いろんな視点や理論や考え方を、僕と本間さんが対話しているような感じでしょうか。
 いずれにしても、このプロセスを通して、「現場マネジャーなら、一度は出くわす、あるあるなジレンマ」に事前準備・事前トレーニングをすることができるように編まれています。
 扱われているディレンマは、
1.新人に仕事を任せるべきか、それとも、マネジャーが自分でやってしまうべきか?
2.産休社員に対するケアを誰に対して、どう行うか?
3.働かないオジサンの逃げ切りを現場マネジャーとして許すか、いなか?
4.現場マネジャーとしては新規事業に挑戦したいエース級を送り出すべきか、いなか?
5.自分はマネジャーとしてこのまま会社に残り定年を迎えるか? 転職するか?
 です。
 現場マネジャー同士、人事部同志でディレンマを読みあい、ゆるゆる議論しても面白いと思います。
 あるいは、お一人でディレンマに向き合い、自分の軸を確認なさってもよいのではないかと思います。マネジメントをしていると判断に悩んだり、ブレたりしてしまうことがあります。自分の中でしっかりとした優先順番や軸をもっていることは、マネジメントを為す中で大切なことであると考えます。
 また新任のマネジャーの方にとっても、本書は事前トレーニングとして有益なのではないかと思います。
 なにせ、現役の人事責任者が著者に加わっているわけですから、事例はあるある、生々しくないわけがありません。そうした紙上トレーニングを通じて、現場に出られたときに、どう振る舞うかを決めて頂くことがよいかと思います。
 どうかご高覧いただけますよう、お願いいたします。
 

  ▼
 僕たちはこの本を「現場マネジャーが決断のトレーニング」をする本であると考えています。自らが相対するディレンマの深層を観察し、理解し、その上で決断を行い、振り返る。このことだけが、現場マネジャーの力量を向上させるのだと信じています。
 よって、本書のすべての記述は、下記のような現場マネジャーのディレンマ決断モデルに基づいています。
jirenmadarake_ketdudanmodel.png
 冒頭提示された悶絶ディレンマに対して、中原と本間さんは対談を行っています。
 対談の中には、ヤフーの人事制度の説明があったり・・・
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 中原が、さまざまな人材開発の手法を説明している部分があります。
 下記はフィードバックの紙上レクチャー部分(図表)ですね。
kaishanonakaha2.png
 対談のプロセスの中では、著者である僕たちも、自分の答えを考えています。各章最後には、まずは僕たちが悶絶ディレンマに対する、自分なりの回答を述べさせて頂きます。
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 最後には、読者である、皆さんが悶絶ディレンマに対する対処を書き込むことができるようになっています。ディレンマは、放置しておくことはできません。いつかは決めなければならないのです。こうしたプロセスを通して、現場マネジャーが問題・課題にぶち当たる前の、紙上・準備トレーニングを行うことができます。
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 現場マネジャー同士のワークショップや研修などでも、教材としてご利用いただけると思います。
 もちろん、これからマネジャーになられる方は、お一人でディレンマに向き合い、事前準備をなさっていただけるとうれしいことです。
 
 本書を編むにあたっては、ディレンマをお寄せ頂いた皆さんはもちろんのこと、光文社新書編集部 樋口健さん、古谷俊勝さん、そして構成をご担当いただいた秋山基さんには大変お世話になりました。心より御礼申し上げます。
 また本間さんとの対談は、いつも学びと発見に満ちていました。このプロジェクトでもご一緒できましたことを、心より嬉しく思います。
 本書が多くの方々に読まれることを願っています。
 どうぞご笑覧いただけますと幸いです。
 そして人生はつづく
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会社の中はジレンマだらけ 現場マネジャー「決断」のトレーニング (光文社新書) はこちらで購入できます!
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