2006.2.23 17:46/ Jun
去年あたりから企業人材育成の業界では、「人間力」という言葉が大流行なのだが、この言葉を聞くたびに、僕は、背中に寒気が走るのを感じる。
「一言でいうならば、人間力のある人とは仕事ができる人、そして魅力的な人」
「人間力とは知識ではない、ベーシックな人間的要素」
「人間力とは包容力である」
「包容力」にいたっては、何がなんだかわからないけど、まぁ、みんなでよってたかって、いろんなことを言っていることは間違いない。だけど、「結局、人間力って何なのよ?」というと誰もわからない。
でも、不思議なことに、それが何かを言い当てられないのに、「人間力を育成せよ」とか、「人間力のある上司研修」とかが、なぜか行われている。そういう育成にからむ専門家やコンサルタントがわんさかいる。
そもそも、人間力とは何で、それは、そもそも教育の領域でカバーすべきコトなのか。あるいは、仮にそうだとして、その育成は教育という活動で可能なものなのか?
教育学研究者のハシクレとしては、「教育にできること」「教育にできないこと」に無自覚な論、クソミソ一緒にする論は、どうしても好きになれない。
それを誰かが口にするたびに、本田由紀先生にならって、こう叫びたい衝動に駆られる。
「人間力って言うな!」
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