2016.1.14 05:17/ Jun
仕事の能力には「差」があります。「仕事のできる人」もいれば、「それなりの人」もいます。ここで僕は「人は業務能力は均等だ」と口角泡を飛ばして力説することはしません。なぜなら、それは「事実」と反するから。
また、仕事への熱意も明確な「差」があります。ワンセンテンスでいえば、「やる気もある人」もいれば、それなりの人もいます。もちろん、僕は「人はみなやる気に満ちている」とはいいません。なぜなら、それは「事実」とは異なるから。
ところで、これらの「明確な差」を前にして、ひとつご質問がございます。
あなたが、リーダーやマネジャーならば、どのような人材を「自分の職場」に欲するでしょうか?
能力のある人、ない人?
やる気もある人、ない人?
2軸4象限で整理すれば、ここには4つの可能性があります。
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おそらく多くのマネジャーやリーダーは「仕事ができて、熱意のある人=能力とやる気がある人」を欲するのではないか、と思います。たぶん、、、。
理由は「能力とやる気のある人」にきてくれた方が「能力もやる気もない人」がくるよりも、職場の成果向上に寄与してくれるから。
もうひとつの理由は「ほおっておいても大丈夫だろうし、成果にむけて爆走してくれそう」だから。
多くの場合、「能力とやる気のある人」に対するマネジャーやリーダーの「イメージ」とは、このように「成果に向けて猛突進してくれる機関車」のようなものです。
別の比喩でワンワードでたとえますと「ほおっておいてOKピーポー=ほおっておいても成果をだしてくれる人材」のように思ってしまうことが少なくありません。
ところが、ここが問題であり、今日の話題です。
それを要約すれば、リーダーやマネジャーのもつ「能力とやる気のある人」にまつわるイメージが、ピットフォール(落とし穴)になってしまうが少なくない、ということです。
特に新任期の駆け出しのマネジャーにとっては、「能力とやる気のある人材」というのは、使いこなせればよいのですが、それができなかった場合には、落とし穴になるのです。
じゃあ、それはなぜでしょうか?
ここには3つの理由があります。
皆さんはどう思いますか?
▼
「能力とやる気のある人材」はなぜ「落とし穴」になるのか?
理由のひとつめ。
「能力もやる気もある人」というのは、別の喩え方をすると、「馬力のある人材」なのです。エンジンがかかれば、すぐに動きだし、すぐに爆走できる。もし、この「爆走」が「正しい方向」ならばよいのですが、「間違った方向」に爆走すると、馬力があるだけに修正が非常に難しいのです。自分に自信がありますし、能力もある。それゆえに、修正には相応のコストがかかります。
すなわち「能力もやる気もある人」を前にした場合、マネジャーやリーダーに、ごくごく早期か、ないしは、懇切丁寧に目標のすりあわせを行う必要性がある、ということです。
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ふたつめ。
「能力もやる気もある人」というのは、挑戦的な仕事を好みます。要するに、その能力にみあった「挑戦的仕事」をマネジャーやリーダーは彼/彼女にふり、フィードバックをかけつづけなければなりません。
一般に、高業績者であるほど、些細な仕事上の変化や不満は、には敏感なものです。
彼らは自分の能力にみあった挑戦的な仕事がここで得られていないと考えた場合、「会社は自分のことを評価していない」「上司は自分の能力を評価できていない」と意味づけることが多いものです。このような経験が蓄積した場合、最悪のケースでは、
離職につながります。
これってホラーですよね。
だって、職場から抜けてしまうのは、職場を牽引している高業績者なのですよ・・・。
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みっつめ。
最後は、高業績者とは常に「マネジャーの能力、一挙手一投足」を見ている、ということです。マネジャーは、リスペクトされるように自らを律して仕事をしなければなりません。
このように、「能力もやる気もある人」というのは、「ほおっておいてよい人材」ではありません。
むしろ、「能力もやる気もある人」は「メンテナンスコスト」が高いことがあるものです。
懇切丁寧にコミュニケーションをとり、挑戦的仕事をふり、フィードバックをかける。自ら率先してリーダーシップを発揮する。
こう書いてしまえばあたりまえのことなのですが、このあたりまえを確実に実行しなければなりません。
これまでいくつかの事例研究を通して、新任期のマネジャーで「能力もやる気もある人」の扱い方を間違えて、異動か離職につながるケースを見てきました。
みなさんの会社では、こんなケースはみられますか?
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今日は「能力もやる気もある人」というのは、「ほおっておいてもよい人材」ではないよ、と書きました。
むしろ、それは、「能力もやる気もない人」とはまったく異なったベクトルで、メインテナンスコストがかかる。
やれやれ、といったところですね。
そして人生はつづく
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