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2015.10.22 06:37/ Jun

「仕事人としての将来」を考えると、本当に会社を辞めてしまうのか?

 1) 仕事人として、将来、何を目標にするのか?
  そのために逆算して
 2) 今いま、何をやっているのか?
 問いにしてみれば、非常にシンプルなことなのですが、現在、トーマツイノベーションさん × 中原研有志で進めさせて頂いている「中小企業の人材開発研究」において、非常に重要になってくる問いのひとつです。
 若い頃から、これらについてじっくりと考えてさせてことが、組織にとって有力な人材を確保するキーなのではないかと思っています。
  ▼
 まず、1)の「仕事人として、将来、何を目標にするのか?」のポイントは、「組織人」ではなく、「仕事人」であるということです。その組織における職位やポジションなどは、いったん脇において、
仕事人として、どのようなスキル・専門性・能力を伸ばしていくのか?
 と考えるのがポイントです。
 2)の設問は、1)から逆算した今の生き方です。
 この問いでチェックしたいのは、どのようなスキル・専門性・能力を伸ばすのか、どの方向に進むのかという、いわばビジョンめいた問いものではなく、足下のこと。
 で、今、そのために、何やってんの?
 やらなきゃならないことを先延ばししてんじゃないの?
 ということが問いの眼目ですね。
 いったん、目線をあげて(将来へ)
 目線をさげる(足下へ)
 この「目線のあげさげ」ができるかどうかが、ポイントなのかなと思います。大切なことは、この2つが両方必要であるということです。
 目線をあげてばっかりいると、道ばたのウンコを踏んでしまいそうですし、目線をさげてばかりいつづけると、電柱におでこを打ち付けてしまいそうです。両方大切、目線の上げ下げ。
   ▼
 ところで、これら「青臭いとも感じられる問い=目線のあげさげの問い」は、従来の中小企業の人材開発においては、あまり語られてこなかったことのように思います。その理由は、いくつもあるとは思うのですが、代表的な理由は、下記の2つでしょう。
 ただでさえ、クソ忙しいのに、将来のことなんか、考えてられっかよ。
 将来のこと考えさせたら、辞めちゃうかもしれないじゃん。
 組織のことをいったん脇において、仕事のことなんか考えさせたら、
 下手すりゃ、寝た子をおこして、辞めちゃうかもしれないじゃん。
 2つの考えに共通しているのは、
 「今、目の前のことだけに目線をさげて働かせること」
 「行動させることに注力し、意味を考えさせない」
 という経営側の態度です。
 企業によっては、経営も厳しいところもございますし、メンバーも限られていますので、気持ちはわからないでもないです。
 将来とか意味とかを考えさせると、寝た子を起こしちゃって、辞めちゃうかもしれない
 と考える。
 でも、僕の感覚からすると、
 将来に見通しがきかなくなったり、意味がわからなくなった「方」が、辞めちゃうんじゃないの
 と思ってしまうのですが、いかがでしょうか。
 また、今に「耽溺」し、目線を下げて暮らすことだけで、将来に有力な人材が得られるのかな、ということに疑問があります。そこには、やや矛盾があるような気もするのです。
 ワンセンテンスで申し上げますが、
 人間のモティベーションは、「視界のきかないこと」に長く耐えられるほど、強いものではありません
 だって、あなた自身がそうでしょう?
  ▼
 中小企業の人材開発研究は、いったん11月に成果発表がなされますが、分析がまだまだ残されています。ですので、今日の話も、ほぼボヤキ。仮説めいた話になってしまい、まことに恐縮です。今後、腰をすえて取り組んでいきたいと考えています。
 世の中は、わからないことだらけだね
 だから面白いね
 そして人生はつづく
 ーーー
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