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2015.10.9 06:16/ Jun

頑張ってるんだけど伝わらない「残念なプレゼンテーション」に共通する3つの症状!?

 頑張ってはいるんだけど、聴衆には「伝わっていない」・・・そんな「残念なプレゼンテーション」をする人が、陥りがちなデフレスパイラル状況というものがございます。今日は自戒をこめて、そんな話題をいたしましょう。経験的には、下記の3つの症状が見られたら、注意が必要です。
 1.あれも、これも病
 2.観察できない病
 3.沈黙が怖い病
 経験的にはこの3つがすべて発動すると、もれなく、頑張ってはいるんだけど聴衆にはイマイチ、ピンとこない「残念なプレゼンテーション」になってしまいます。
 まず「1.あれも、これも病」は、「プレゼンの内容・スライドの枚数を精選することができず、とにかく、自分の手持ちのコンテンツをあるだけぶち込んでプレゼンをしてしまうこと」です。
「精選」をすることができないのは、聴衆がどのような知識や経験をもっているのかわからないか、見ていないので、どの程度の内容を話してよいかわからないことから生じます。兵法ではないですが、プレゼンの鉄則は「相手を知ること」です。
 なぜなら、プレゼンは「相手を説得すること」「相手の腹におとすこと」「相手の行動や考えを変えること」だからです。相手がいなければ、そもそもプレゼンは成立しません。
 相手を知らずにプレゼンを為すことは「関係者各位にラブレターを書くようなもの」だという名言があるくらいです(誰の名言かは忘れました・・・ごめんなさい)。
 詰め込み病は深刻な場合、さらに状態が悪化していきます。
 どの程度の枚数をこめれば、どの程度の時間がかかるか、「見通し」が持てないと、この症状はさらに悪化します。見通しがないのだから、何枚スライドを増やしても「いける」と思ってしまうのです。
 これにさらに「善意」が加われば、もれなく「あれも、これも、入れとかなきゃ病のステージ3」です。
 つまり、「正確に伝えるためには、あの角度からも、この角度からも、徹底的に正確な情報を与えなければならない」という「善意」が発動すると、さらに「よかれと思って」詰め込みます。
 最悪の場合には、さらに症状は悪化します。「あれも、これも、盛り込みすぎている」から、時間がたりなくなります。時間が足りなくなるから、さらに早口になります。聴衆は、さらにドンビキしていきます。これがステージ4でしょう。
 言うまでも無いことですが、プレゼンの構成でもっとも必要なのは「引き算の美学」であり、「シンプルさ」の追求です。大切なのは、「何を喋るのか?」ではありません。むしろ「どこまで喋らないか?」を考えたいものです。
 かつて、スティーブンジョブズは、アップルユニバーシティで、ピカソの「雄牛」という絵を使って、シンプルさの大切さを教えたと伺っています(真偽のほどは僕はわかりません)。
 ピカソの「雄牛」は、ピカソ自身が追求したキュビズムの手法に基づきながら、複雑な絵を徐々にシンプルにしていき、牛という形状が認識可能なのは、どこまで線をなくした場合かを探究した絵だそうです。
 シンプルであること
 引き算の美学
 わたしたちは、こうしたものを、この絵から学ぶことができるような気がします。
 
Appleの極秘社内教育プログラムではピカソの絵やGoogle製品を使用
http://gigazine.net/news/20140812-apple-university/
 ▼
「2.観察できない病」は、プレゼンの最中に、相手の顔や様子を観察することができない症状です。
 人は面白いもので、興味がある話のときは顔があがってきます。興味がなくなったり、一定時間わからない状態が進むと、とたんに「スマホいじり」がはじまります。教壇・演壇からみていれば一目瞭然なのですが、あいにくやっている方は、バレないと思い込んでいるようです。
 あのね、全部、見えてるよ。
 ちなみに、経験上、何とか「長」とか、「リーダー」とか「先生」とふだん呼ばれる方々に、その傾向が強いように感じるのは気のせいでしょうか。
 プレゼンをどんなに作り込んでも、カーテンが開いてしまえば、わからないところ、不明なところ、とんでいるロジックがでてきます。そんなとき大切なのは、聴衆を「観察」することです。ちょっとでも異変に気づいたら、捕捉をしたり、発問をしたりすることができます。
 聴衆を観察することができなければ、あとは「ひとりで爆走するのみ」です。
 聴衆はおいてけぼりになります。
  ▼
「3.間と沈黙が怖い病」は、誰もしゃべらずにシーンとしている時間が怖くて怖くてしょうがない症状です。プレゼンには本来「句読点」が必要で、敢えて何もしゃべらない時間、じっくりと聴衆に考えてもらう時間が、必要になります。ですが、この症状に罹患している方は、これが怖い。だから、沈黙と間を恐れて、しゃべくりまくることになります。しゃべくりまくるから、当然伝わりません。
 ちなみに、この病の上級編には「発問して、自分で答えをいっちゃう病」というものもあります。聴衆に「みなさんはどのように思いますか?」と発問したはいいものの、そのあとにつづく「沈黙」や「間」が耐えられなくて、思わず「答えは・・・ですね」とただちに言ってしまう病気です。自分で答えを言っちゃうなら、問いをなげかけなきゃいいのにね(笑)
 プレゼンでは、沈黙を恐れてはいけません。
 文章に「、」と「。」が必要なように、間と沈黙が必要なのです。
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 今日は「残念なプレゼンテーション」に共通する3つの特徴について書かせて頂きました。自戒をこめての内容でしたが、いかがでしたでしょうか。
 あなたのプレゼンは、あれもこれもになっていませんか?
 あなたはプレゼン中、何をみていますか?
 そして、あなたのプレゼンには「句読点」はありますか?
 そして人生はつづく
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