2015.6.26 06:10/ Jun
先日、昨年から、かかわらせていただいている地域問題解決プロジェクト(ヤフー、日本郵便、アサヒビール、インテリジェンスの異業種課題解決・次世代リーダー研修)で、清宮普美代さんのセッションを拝見させていただいた際、清宮さんから「タイタニック号の悲劇はなぜ生まれたのか?」という話を伺いました。
この話は、以前にもどこかで他の方から伺っており、これは有名な話なのかもしれないのですが(アサヒビールの福地元・会長も、先日、タイタニック沈没のお話をなさっておられました)、清宮さんによりますと、アクションラーニングの祖であるRevans, R.の父親がタイタニック号の近くで働いており、ゆえに、Revansがその話をよくなさっていたそうだとか。
そこで問われている内容は、大切なことであるような気がいたしましたので今日は、清宮さんに感謝をしつつ、このお話をさせていただきます。
さて、タイタニック号のお話の要旨は、こんな内容でございました。
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タイタニック号の悲劇はなぜ生まれたのか?
よく知られているように、英国客船タイタニック号は北大西洋航路で当時大量の移民を新大陸に運ぶべくつくられました。
この船は、当時の最新技術をあますところなく用いており「神でも沈めることができない不沈船」としてマスメディアに喧伝されていたそうです。
しかし、不沈船タイタニックは、1912年、その処女航海で、氷山に衝突、あえなく沈没することになります。
しかし「不沈船」と人々に信じられていた船ですが、船の関係者のあいだでは、実際に
「何か、あの船、変だよね」
「なんで、救命ボートがあれしかないんだよね」
「この船、こんなに重くて大丈夫かね?」
という風に、様々な噂がたっていたといいます。ここでのポイントは、「不沈船とはいうけれど、あの船、なんか、変だよね」と思う人もいた。
しかし「最大の悲劇」は、多くの人々が「なんか変!」だとは思いつつも、誰一人、口にして他者に「問いかけること」ができなかったこととでした。それが、有史以来、最悪の悲劇を生み出します。
Revansは、この状況を揶揄して、
「タイタニック号の悲劇が生まれたのは、誰もバカらしい質問ができなかったからだ」
とまとめておられたそうです。
もちろんタイタニック号の悲劇の真因は、言うまでもなく複数です。様々な技術的要因、組織的要因、自然要因などが重なったのでしょうけれど、「問うこと」の重要性を改めて考えさせる事例として、まことに興味深いことですね。
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この世の中には、誰もが「常識」だと思っていること。誰もが「疑いをもたないこと」。そして、誰もが「想定の範囲内」だと思っていることがあります。
そうした「あたりまえ」に対して、「バカらしい質問」や「空気を読まない問い」をなげかけること。「問いかけること」は大切なことです。そして、時にそうした「問いの欠如」が「悲劇」を導くことがあるから注意が必要です。
最近、とみに思うことがあります。
僕たちの社会には
「実は、あのとき、わたしは気づいていたんだけどね。ま、口にはしなかったよ。でもほらみろ。言わんこっつちゃない、やっぱりこうなったでしょ。わたしは、最初からわかっていたけどね」
ということが多いものです。
しかし、自戒をこめて申し上げますが、「後出しじゃんけん的」に、「実は、あのとき、わたしは気づいていたんだけどね。」というのは「ちょっとな」と思うのです。
問うことをすれば、そのときは、短期的に「コンフリクト」は起こる。でも、問わずに、そのまま放置していては、長期的に「悲劇」を生み出してしまうことが多い。
「コンフリクト」と「悲劇」のどちらかをとれ、と言われれば、僕は迷わず「コンフリクト」をとるよ。
だから、僕は言うよ。
敢えて、問うよ。
あのとき、僕は思っていたけどね、と言わないためにも。
みんなの長期的な悲劇を避けるためにも。
たとえ、そのとき、嫌われたとしても。
年齢を重ねてきているせいか、なんか、最近、自分が「過激」になってきているような気もします。なんか、最近、一言一言がスパイシーになってきているような気も。大丈夫か、オレ(笑)。なんてことを、昨日も、学生のプレゼンにスパイシーなフィードバックをしながら、考えていました。
でも、思いはこういうことです。
そして人生は続く
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