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2015.5.2 06:27/ Jun

スタンプラリー化するインターンシップ!?:「失われる実践性」と「社会科見学化」

「最近、インターンシップって、本当に形骸化しているところもでてきているんですよ。
スタンプラリーみたいに、インターンシップに「いくつ」か行くかを「目標」にする大学もでてきています。企業は3つは回って、スタンプをもらってきてね、という感じです。
やれ、じゃあ、実際にインターンシップに出かけてみたら、企業によっては1時間とか2時間で、少し企業説明をして、最後にお土産を渡して終わるインターンシップをやっているところもでてきているんです。まるで社会科見学ですね」
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 ご迷惑をおかけするといけないのでお名前は差し控えますが、最近、「スタンプラリー化するインターンシップ」について、心ある方々との集まりで、話題になりました。
 僕は採用の専門家でも、実務家でもないので、このような事態がどの程度生まれているのか、詳細なデータを持ち合わせていません。また現在提供されているインターンシップのすべてで、このような事態が進行しているとは思いません。中には教育的・実践的にも素晴らしいインターンシップが存在するのでしょう。
 しかし、世の中の最先端の動きに敏感な方々が集まるその会で、そのような話題が共通して語られるということは、それなりの信頼性のある出来事なのかなと個人的には判断しています。
 採用研究では、よく採用手法の弁別可能性が語られます。つまり、書類選考、面接、リクルーター制度などなどのあまたある採用手法が、どの程度、応募者の応募に正の影響を与えうるかを探究しているということです。
 インターンシップは、採用活動として見た場合、いわゆる「Work Sample」ーすなわち、小さな仕事を前もって与えてみて、その成果をみて選抜を行うことの一種になると思うのですが、その弁別可能性が高精度であることが知られています。
 ま、あたりまえですよね。実際に仕事をさせてみて、個別に判断するのですから。この「実践性」と「個別性」こそがポイントです。
 しかし、こうしたインターンシップですが、ここ数年の日本の就職市場・採用の動きでは、全く異なったかたちで導入がなされます。
 就職協定の見直しをふくむいくつかの要因によって、新卒一括採用が「部分的」に瓦解し始め、「採用時期」について「1億走抜け駆け状態」が先行する。
 そうすると「採用」こそはしていないものの、「1億走抜け駆け状態を実現するための体のよい手法」として、インターンシップは注目を浴びるようになりました。
 要するにワンセンテンスでいうと、こういうことかと思います。
「もう時期なんて守りませんよ。もちろん、うちは採用活動は行いませんよ。単にインターンシップを提供しているだけですからね」
 このように「インターンシップ」が雪崩をうって「マス化」して導入され始めました。もともと「実践性」と「個別性」を大切にする手法であったのにもかかわらず、「マス」を裁かなければならないため、「短時間」で実施しなくてはなりません。
 採用担当者の方々のご努力には頭が下がりますが、こうした状況で生まれうるのが、上記のような状況が起こるのかなと思います。もちろん、すべてがすべてそうしたインターンシップばかりではないことは付記しておきます。
 しかし、マスで進行するインターンシップは、先ほど述べました「実践性」と「個別性」とは「対極」にある世界です。
 かくして、
 「スタンプラリー化するインターンシップ」
  ないしは
 「社会科見学としてのインターンシップ」
 が生まれることになるのかなと思います。
 このような動きの中で、大量にインターンシップを引き受けざるをえなくなった企業は、採用担当の負荷が増します。企業によっては大変なご努力をなさっている担当者もおられると伺っております。お疲れさまです。
 かつて採用は「季節労働」といわれていました。その仕事が、「通年労働」と言われるようになったと、風の噂で聞きました。
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 今日はインターンシップについて書きました。
 インターンシップに関しては、大学別で提供機会に差が設けられており、ある一定以下の大学であると、インターンシップに参加することすら難しくなっているという話も伺います。
 もしそうした会社が、採用では「学歴不問」をうたっている一方で、インターンシップでは「学歴有問?」を実施しているのだとしたら、まことにその矛盾は香ばしいですね。
 就職は「矛盾だらけの世の中」が「鏡」みたいにうつっている場面にも思われてきます。
 世の中も「矛盾だらけ」、就職も「矛盾だらけ」
 その中をわたしたちは生き抜いていかなければなりません。
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 あっ、TAKUZOとKENZOが起きてきました。GWだっていうのに、いつもと同じ、ぴったり6時30分だね。
 
 今は7歳のTAKUZO、1歳のKENZOが、就職をする頃、この国の就職慣行はどのようになっているのでしょうか。親としては、そんなことも気になります。が、そんな先のことは、どうせ世の中は変わるので、うち捨てておきましょう。
 ま、そんなことより、朝ご飯でしょうか。
 そして人生は続く
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