2015.4.28 12:20/ Jun
僕は子ども時代、虫は嫌いでした。
脚は長いし、黒光りしているし、
なんか、むにゃむにゃしてるし。
虫の皆さま、今さら、すみません。
僕は、あなたたちを「嫌悪」していました。
▼
多くの男の子が、一度は熱中することに
カブトムシの飼育があります。
幼虫から飼いはじめて、成虫にする飼育。
子ども時代の僕ならば、
えーと、それって何かの「罰ゲーム」ですか?
と心の中で思ったに違いありません。
僕は、カブトムシはおろか、
一度も虫を飼ったことがありません。
要するに「虫嫌い」なのです。
▼
それから30年。
僕たち家族にも子どもができ、
いつのまにか、
僕は父親と言われるようになりました。
正直に申しまして、
僕は子育てが「得意」な方ではありません。
自分が何かしようと思いたったとき、
アイデアを思いついちゃったとき、
何かを中断せざるを得なかったり、
あきらめざるを得なかったすることが、
子育てをしていると、
どうしても多くなるものです。
そのたびに僕は、
「やり場のないため息」を漏らします。
▼
でも、子育てをしていると、
心にホンワカするものを
ごくごく希に感じることがあります。
そのひとつが、
僕に顔のよく似た息子たちが、
もうひとつの「子ども時代」を生きているときです。
へー、僕は、いやだったけど、
TAKUZOは、虫、好きなんだ。
へー、子どもの頃の僕は、カブトムシなんか
興味がなかったけど、幼虫ってこんなに大きいんだ。
へー、40年生きてきて、そんなの見たのはじめてだよ。
へー、生まれてはじめて、幼虫に触ったよ。
そんなとき、僕は、なるべく「一緒」に、子どもと
虫を触ったり、何かを育てたりするようにしています。
子育ての醍醐味のひとつとは、
もうひとつの「子ども時代」を
自分の子どもとともに生きることが
できることかもしれません。
時計の針は二度と元には帰らないけれど、
僕たちは、子育てを通して、
もう一度、「子ども時代」に戻ることができるのです。
そりゃ、いいことばかりじゃない。
身に沁みてわかっているけどね。
「もうひとつの子ども時代」を生き抜きたいと思います。
そして人生は続く
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