2014.4.18 12:37/ Jun
「大学院生が、よい研究をいかに生み出すためには何が必要か?」
この「問い」に対しては、多くの研究者がいろいろな答えをもっているものと思います。
「そりゃ、師の出来によるよ」という答えももっとも(あっ痛!>オレ)、「そりゃ、機材の充実度によるよ」という答えも、ごもっとも。「そりゃ、本人の頭の良さだろう」とか「そりゃ、ひらめくか、ひらめかないかだろう」いう回答も、もちろん、もっとも。おっしゃるとおりです。
こうした様々な要因を「それはもっとも、おっしゃるとおりです」と認めたうえで、敢えて、僕が、強調したいのは何かと申しますと、異常なほど「シンプルな答え」です。それは何か、わかりますか?
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「よい研究に必要なのは、”時間”です、以上」
才能とか、ひらめきとか、頭の良さとかの個人要因、あるいは、研究室の雰囲気、最先端の設備などの環境要因、いろいろあるんだと思います。
でも、少なくとも僕の領域で、僕みたいな若造教員が指導をする大学院生の研究レベルで、この問いに答えをだすのだとすると、「答えはシンプル」。
それは「時間」です。
敢えて申し上げますが、「世界級の研究」の話をしているのではありません。また領域によって違うかもしれません。あしからず。
くどいようですが、「大学院生が、よい研究をいかに生み出すため」には、
「まとまった時間を、どれだけ研究のために確保できているかどうか」
あるいは
「集中できる時間を、どの程度、研究に確保できているか」
このひと言に尽きます。
そりゃ、研究者ですから、論理能力や実証能力など、知的なものが必要なことはいうまでもありません。方法論や分析のスキルだって、マスターできていないよりは、できているにこしたことはない。師匠だってブリリアントな方がいいに決まってる。でも、そういうことは「その上のレベル」です。
多くの場合は、「それ以前のところ」でつまづいているケースの方がほとんどであるように感じます。
それは、
「細切れ時間の中で、研究をしようとしている」
「集中できるまとまった時間を確保していない」
「研究時間が生活リズムに組み込まれていない」
とうことですね。
それで「研究が進まない、僕は、頭が悪いんじゃないか?」と悩んでいるケースがあります(笑)。
「いや、そんなことないよ。でも、進まないのはあたりまえじゃん、研究に時間かけてないんだから(笑)」
「大丈夫だよ、時間をかけて考え抜けば、いい案うかぶよ」
「まとまった時間を、毎日毎日確保して、じっくり考えてみれば、研究、進むよ」
「毎日コツコツやれば、大丈夫だよ、少しずつ進むよ」
やっぱり、研究には、それ相応の「まとまりのある時間」を、定期的なリズムで、きちんと確保することが必要なのです。そういう「まとまりのある時間」をきっちり確保できる生活リズムをつくれるかどうか。あるいは、そのためには、自分の負荷や研究の進捗状況を鑑みて、「やらないことを、決めきること」ができるかどうか。「捨て去るものを、思い切って捨てることができるかどうか」。
研究にとって大切なことは、もっともっと「初歩的なレベル」であるように思います。だから、多くの場合は、これさえクリアすれば「第一条件」はクリアできたも同然です。
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今日は「研究」と「時間」のお話をしました。もう20分なので、そろそろやめます。
時間とは、誰にとっても「平等」に割り当てられた数少ない「資源」のひとつです。自戒をこめて申しますが、そうした「貴重な資源」を有効に使い、知的なことを成し遂げてみたいものです。
そして人生は続く
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