NAKAHARA-LAB.net

2014.4.9 07:05/ Jun

マネジャーに「なる前」にできていて欲しいこと、「なった後」にわかること

日本の会社の様子を見ていて、不思議で、しょうがないことがあります。コーチングやファシリテーションとか、そういうものを、多くの日本企業では、なぜ、マネジャーになった「あと」に学ばせるのでしょうか。そもそも、コーチングやファシリテーションの「できる人」を、マネジャーに「昇進」させるんじゃないのですか? だって、それらは、マネジャーの業務で用いる頻度が高くないですか?

 いつのことだったか、どうしても思い出せないのですが、ある外資系企業でお勤めになった方から、こんなひと言を伺ったことがあります。
 ICレコーダは持っていませんし、長い時間もたっておりますので、ご発言内容は一字一句上記と同じではないと思いますが、その方のご発言のご主旨は、逸れていないはずです。
 この方が不思議に思われていたのは、(おそらく、その方の勤めていた外資系企業では)コーチングやファシリテーションのスキルの「ある」人が、マネジャーに昇進・登用されるのが当然なのに、一方、日本では(本来、安易に一般化はできません、企業によってバラバラでしょう)、そうした基礎スキルが「マネジャーになった後」で学ばれていることです。少なくとも、その方が関わった企業では、そのように見えたのでしょう。
 もちろん、マネジャーになった「あと」でも、そうした部下育成スキルや業務スキルを「学ぶチャンス」があるのだとしたら、それはまだ恵まれていることなのかもしれません。むしろ、コーチングやファシリテーションの重要性や意味は、「なった後」に、様々な部下育成や業務遂行の困難を通じて、少しずつわかってくることなのかもしれません。
 しかし、この方のご発言からは、マネジャーが本来持っているべき「基礎スキル」とは何なのか、について考えるきっかけをもつことができます。
 そもそも、どういうスキルや資質をもった人をマネジャーとして昇進させ、不足があるのならば、何を新規に獲得させなければならないのでしょうか。
 
 そんな根源的なことは、ふだん、あまり考えないと思われますが、「外からの視点」というものは、それをビビットに浮かび上がらせてくれます。まことに興味深いことですね。
 そして人生は続く
 ーーー
追伸.
 最近、多肉植物が可愛く思えて仕方がありません。多肉植物は、世話もあまりかからず、水も飲まず、健気に綺麗に育ちます。
 しかし、こういう姿をみると、かえって、こちらは、世話したくて仕方がなくなります。ついつい水をあげたくなる。あんまりやると、逆効果だそうなので、泣く泣くお世話を我慢しますが、このじれったさがいい。
 休みになったら、新しい鉢を買いに行きたいです。どなたか、いいお店ありましたら、教えてください。お願いします。
collage_taniku.jpg
 

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2025.3.12 22:56/ Jun

「皆さんの会社の内定者の皆さまに、深い絆を!」内定者向けワークショップ!開発成果報告会!

デジタルメディアで「読まれる文章」はいかに書けばいいのか?:斉藤友彦著「新聞記者がネット記事をバズらせるために考えたこと」(集英社新書)読了

2025.3.11 16:20/ Jun

デジタルメディアで「読まれる文章」はいかに書けばいいのか?:斉藤友彦著「新聞記者がネット記事をバズらせるために考えたこと」(集英社新書)読了

2025.3.10 08:25/ Jun

研究室は「換気」をしなければ「湿気」がたまる!?

大学新卒の初任給30万円で浮かれている先に広がる未来!? : 30代ー40代で自分を見失わないために!?

2025.3.7 08:23/ Jun

大学新卒の初任給30万円で浮かれている先に広がる未来!? : 30代ー40代で自分を見失わないために!?

「一枚岩」と「全員野球」は「イリュージョン(幻想)」である!?:組織を語る言葉の貧困さ!?

2025.3.6 08:21/ Jun

「一枚岩」と「全員野球」は「イリュージョン(幻想)」である!?:組織を語る言葉の貧困さ!?