2014.2.6 06:50/ Jun
「これからの就活に起こる三大変化」というエッセイ風!? 小論を、雑誌プレジデントの連載に書かせて頂きました。いつものとおり、プレジデント社の九法さんとライター井上さんとのコラボレーションの仕事です。ありがとうございます。
これからの就活に起こる3大変化
http://president.jp/articles/-/11812
これを書いていたのが1ヶ月以上も前でしょうか。で、それからかなり?時間がたちましたが、この内容が古くなるくらいの変化が、ひたひたと起こっている感じがします。タイトルは「これからの就活に起こる3大変化」ではなく「就活にもう起こっている変化」くらいなっているのかな、という印象です。
先だってもある人事の方が「今年は、各社の動きが”大企業含めて”早い」と漏らしていました。経団連の倫理協定は「表向き」のものとなり「総抜け駆け状態」が生まれている印象を持ちます。
実際のところは採用に関する情報はトップシークレットでしょうから、わたしにはマクロな状況はわかりません。あくまで、人事の方や学生からのレスポンスを総合しての、「わたしの印象論」です。
先だっても、ある学生(本学の学生ではない)が、「先生、面談に行ってきます!」ともらしていたといいます。「面接」じゃなくて「面談」ねぇ。。。ふーん。面談ね、ライトな感じがするね、そこだけ聞くと。面談相手が執行役員じゃなければ、「面談」という言葉を使ってもいいんだけどね。「執行役員が面談」ってどういうことでしょうね。不思議なこともありますね。
こうなることは、おおよそ採用に関係する関係者は、みなわかっていたことのように思います。先ほどは「総・抜け駆け状態」と書きましたが、この状況は「総・茶番化」のようにも思えます。その中で「採用活動とは言わない採用活動」「採用活動というラヴェリングされない採用活動」がさらに進行している気がします。
ま、この手のことは、昔からあったことなのですが。それほど目立たなかったし、みんな黙っていただけといえば、そうなんですけれども。
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昨日は、まさにこのテーマにかかわる研究知見、東大・駒場キャンパスの集中講義で話しました。採用研究(Recruitment research)、予期的社会化研究の知見を概観しながら、事例検討を行いました。
今日も集中講義なのですが、冒頭では、日本のトランジション(School to Work Transition : 教育機関から仕事領域への移行)の変化について、短い時間で、振り返りたいと思います。ちょっと難しいかなぁ・・・。
昨日の集中講義では、北九州市立大学の見舘先生にレクチャーをいただき、ディスカッションいたしました。見舘先生にはお忙しいところ本学の学生にレクチャーをいただき、心より感謝いたします。見舘先生のお話は、どれも興味深いものでしたが、特に個人的に印象深かったものは下記です。
曰く
「米国では就職活動はマッチング(求職者と企業をつなぐ第三者による媒介)の効果がより薄まり、さしずめ”探検”に近くなっている」
という指摘です(Richard 2012)。
就職の成功率は、「家族・親戚・様々なコネクションを使って自ら頼み込む」「企業を自ら自分で訪ねる」「片っ端から電話をかける」「求職者仲間を学生自らが組織し、同様のことを行う」などの方がよくなっているそうです。
要するに「自分で動き、場合によっては、仲間を組織し、約束の場所を見つけなくてはならない」ということです。まさにRPG、ドラクエ的、まさに探検です。
(そうすると、主体的にこうした活動に取り組む人と取り組めない人、そもそも仲間を持たない人、何らかの理由によって、主体生を喪失してしまった人との格差はさらに広がることが予想されます)
これまで日本の就職は「誰かのお膳立てしたステージにおいて、求職者と企業とマッチングされること」で行われてきました。つまり「イベント」であったということです。
このやり方にはそれなりの合理性があり、また、日本の組織文化にも埋め込まれているので、趨勢が一気に変わることはないでしょうが(すぐにこの手の議論は、それで一山あてようとする関係者によって極に振られがちです。まー、そう焦りなさんな)、おそらく、これからの就職活動は、少しずつ状況が変わってくるでしょう。
それは前だおされて「数年間のプロセス」、場合によっては「4年間のプロセス」に変化しはじめます。それは「アングラ化し、マルチルート化したジャングルの中を、探検するプロセス」のようなものに、次第に次第になっていくのではないかと妄想します。
そして人生は続く
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