2012.7.4 06:46/ Jun
先日、都内某所(!?)で、高尾隆さん(東京学芸大学)にご出講いただき、ワークショップを開催しました。参加者の方々の御協力もあり、ワークショップは成功し、参加者の方々のあいだにも、僕自身にも、非常に興味深い、数々の問いが生まれました。
参加者の方々も、高尾さんも、本当にお疲れ様&ありがとうございました。
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ワークショップで印象的だったのは、
「自分の会社で禁止されていることを、できるかぎり、ホワイトボードに書き出してみよう」
というワークでした。
これは、高尾さんが、かつて「大学生」を対象に行ったことがあるワークの変形版だそうです。
学校の場合には「禁止されていること」として、1)頭髪や服装に関すること、2)異性交遊に関することや、他人とのおしゃべりに関すること3)遅刻などの時間に関することが、多くあがったそうです。
高尾さんは、学校は、様々な「タブー」を自己規定することで、主に、1)身体の管理、2)関係の管理、3)時間の管理を実施していると、まとめていらっしゃいました。
思うに、「教えられる主体」をコントロールするため、すなわち、効率で合目的な均一の学習機会の提供(一斉講義)を成立させるべく、これらの諸管理が発達したのではないか、と思います。もちろん、詳細な分析と結論は、歴史社会学的なアプローチを待つことになることは、言うまでもありません。
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さて、ひるがえって、会社の場合はどうか?
会社では、いったい、何が「禁止」されているでしょうか? ここでの「禁止」は、明文化されているものから、暗黙の前提になっているものまで、多種多様なタブーを扱うものとします。
参加者の多くは一般企業につとめる方々でしたが、
・飲酒しながらの執務禁止
・遅刻禁止
・上司にもの申すことの禁止
などの他、たくさんの項目があげられ、2枚のホワイトボードが裏面 / 裏面ともに一杯になりました。
中には
・食堂での湯飲みを2つとることは禁止
・連休にあわせて有給をとることの禁止
・社内交際禁止
・ブーツ禁止
・部長にため口
・髪の毛の色は7番まで
なものもありました。
なぜ、湯飲み?
なぜ、連休と有給?
参加者の方々からは
「へー、そんなの禁止されているんだ」
「なんで、これが禁止なんですか?」
「これは明文化されているんですか? 暗黙の雰囲気ですか?」
と口々にいろいろな意見が寄せられ、大変、盛り上がりました。印象としては、学校よりも会社の方が禁止されている項目は「多種多様」。そして、組織によって全く異なるな、と思いました。
けだし、会社でもっとも優先されていることのひとつは「生産性・利益の追求」という観点です。
その観点から、これら諸管理を通じて1)組織のブランド・イメージの管理、2)身体の管理、3)関係・秩序・風土の管理、4)安全の管理などがなされている印象でした。
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このワークをふりかえって思うに、「自分の組織で禁止されていること」をあげてみることは、逆にいうと、
「自分の組織では、何が大切だとされているのか」
「自分の組織では、何に価値をおいているのか」
「自分の組織では、社員に何を求めているのか」
が「逆投射」されるのではないか、と思います。
中には「禁止されていること」の理由をいくら考えても、理由が思いつかない「トンでもな、禁止項目」もありましたけれども(笑)
もし異なる組織の人々で集まったら、ぜひ、このワークをやってみると、盛り上がると思います。きっと、「意外なもの」「えっ、なんで?と思わず唸ってしまうもの」まで禁止されているから(笑)。
それは自分の組織の「特殊性」や「これまでの歴史」、そして「現在おかれている状況」すらも、逆投射することになるのかもしれません。
このことを考え、他の組織と比較するだけでも、自分の組織の「文化」が朧気ながら見えてきそうな感じがいたします。
あなたの組織では、何が「禁止」されていますか?
そして、
それは、なぜ「禁止」されているのですか?
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