6月4日、昨日、経営学習研究所(MAnagement Learning Laboratory : MALL モールとよんでください)キックオフイベントを無事終了することができました。
経営学習研究所
http://mallweb.jp/
昨日は、400名弱の参加申込者の中から、130名の方々に抽選でご参加頂き、おかげさまで盛会にて会を終えることができました。ご参加頂いた皆様に心より感謝いたします。
▼
キックオフイベントは、2部構成でした。
第一部は新人教育がテーマです。
第一部では、電源開発株式会社 石井さんから「新人を通した組織開発」に関するご発表、株式会社内田洋行 村さんから「新人を通したイノベーション創発」に関するお話しをいただきました。
前者の石井さんお話は、新人教育の一部を4年目若手社員が担当することで、4年目社員の社会的つながりを形成し、また彼らに新たに学び直しの機会を提供する、というものです。
仕事の中には、知っているつもりのことでも、知らないことが様々に存在します。4年目社員が新人教育を担当することで、その「学び直し」の機会になるというのは、非常に面白く感じました。
また、4年目社員が知らないことを、さらに上の先輩社員に聞いたり、助言したりするなどのことが自然に生まれることが起こるそうです。「居酒屋におけるノミュニケーション」ではなく、「職場の中で仕事に関するコミュニケーション」を生み出すことにもつながる可能性がある、というのは、非常に興味深いことです。石井さん、そしてサポートをいただいた三浦さん、ありがとうございました。
後者の村さんのお話は、新入社員48名で新規事業開発の部署をつくる、というお話でした。村さんは、当時30台中盤で、社長から「第二の会社を作れ、社内と絶縁(鎖国)せよ」と指示をうけます。そのサポートのもと、マネジャー1人で、この新規事業開発部署を担当します。社内のしがらみのない新人に、敢えて「教えず」、イノベーションを生み出すべく仕事をさせた、とのことでした。
しかし、これは言うのは簡単ですが、非常にチャレンジングな課題です。48名の新卒の部下をひとりで抱えるのは、想像するだけでマネジャーの苦労が見て取れます。その上で、社内のつながりを敢えて拒絶し、社外の研究機関とつながることで、価値を生み出そうというアプローチであると感じました。
両者いずれのお話しも、1)新人教育を「組織社会化」としてとらえるのではなく、それ以上の付加価値を求めていること、2)その際には、内部・外部の社会関係資本をいかにうみだしたり、活用することで、新人教育に新人教育以上の付加価値を生み出そうとする、といったことが共通しているように感じました。参加者の方々も、熱心に議論にご参加頂ありがとうございました。
▼
第二部は、長岡理事がファシリテーションを行い、理事全員がイーゼルをかかげて、MALLにおける自分のラボ・取り組みの構想を語るセッションでした。
会場では、参加者の皆様がそれぞれのイーゼルを回遊し、理事らとディスカッションしていただきました。いまだ、はじまったばかりの経営学習研究所ですが、そのビジョンをお楽しみいただけたとしたら幸いです。
最後は理事の田中さん、板谷さんがラップアップしていただき、無事終了です。皆様、お疲れ様でした。
▼
昨日の様子は、橋本諭先生、学生の皆さんの研究成果「参加型ドキュメンテーションムービー」によって下記のサイトで見ることができます。橋本さんは、クラウドを用いながら、参加者の方々から写真や、テキストをおくってもらい、それによってリフレクションムービーを構成する、という研究にチャレンジなさっていました。ドキュメンテーション研究のさらなる発展、面白いですね。
橋本先生、学生のみなさま、素晴らしいムービー&まとめサイトをありがとうございました
橋本諭先生のWebページ
http://www.hashimoto-lab.com/
経営学習研究所(MALL)キックオフイベントリフレクションムービー episode1
http://www.youtube.com/watch?v=LG_rx4BL1BQ&feature=youtu.be
—
経営学習研究所(MALL)キックオフイベント完全「参加型」リフレクションムービ episode2
http://www.youtube.com/watch?v=nOU3sGJR8BQ&feature=youtu.be
—
経営学習研究所(MALL)キックオフイベント
http://togetter.com/li/315315
▼
また、このキックオフイベントの多くの企画は、都内の学生有志のボランティアによって企画され、実行されました。実は、当日は午後2時から、数十名の学生に対して、ラーニングデザインの基礎知識、事例などに関するショートレクチャーを理事らで行い、そのあとで、イベントによる「実践」を行っていたのです。
素晴らしいホスピタリティで会をともにつくりあげてくださった学生さんの顔を見ながら、個人的には、むかーしむかーしに読んでいた、セレスタン・フレネのことを思い出していました。
よく知られているように、フレネは、伝統的・権威主義的なテキストを拒否し、子どもに自由作文をかかせ、それを印刷機をつかって印刷してテキストとした教育を行った実践家であり、研究者です。
ごめんなさい。僕も専門ではないので、あまり詳しくないのですが、たしか、そういう人なはずです。「おまえ、いっつも表面的なんじゃ、ボケ」と言いたい専門家の皆さん、ブログなんで、なにとぞお許しを。
で、さらに、まことに「うろ覚え」で大変恐縮ですが(笑)、彼はいいました(と記憶しています)
「自由作文を実践して欲しいと思っているのではない
学校に一台の印刷機を購入してほしいのだ」
フレネの教育実践は、お仕着せの教科書を授業で用いるのではなく、子どもが自由に作文をします。しかし、それが目的ではないのです。自分たちで書いた作文を、おそるおそる原稿にして、印刷機にかけて、インクをセットし、テキストを産出します。
産出されたテキストは、学校という印刷所から、社会的に向けて発信されます。それは「学校内部で生み出された自由作文」を超え、「社会で様々に吟味され、消費されるテクスト」になりえます。
何が言いたいか、というと、「ラーニングのデザイン」を学ぶ学生の皆さんにも、フレネ教育でいうところの「印刷機」があったらいいだろうな、ということです。
もちろん「ラーニングのデザイン」を、教員免許を持たない学生さんが、実際の「学校」で実践することは難しいのですが、昨日のような「社会的実験を実践できる場」があれば、志ある学生のみなさんが大学で学んだことを、しっかり実践できるよな、と思いました。
自分がボランティアとして支えた場に、社会の多種多様な人々が参加し、相互作用を行う。その場を体験した学生さんは、大学で学ぶ「学習研究のこと」がきっとより身近に感じられるのではないでしょうか。
昨日のような場が、ラーニングデザインに興味をもつ学生さんにとっての「社会とつながる装置」になればよいな、と思いますし、MALLは意欲ある学生さんを応援したいと思っています。
そして、願わくば、近い将来、今度はステージにたつのは学生さんであってほしいと思います。ぜひ勇気をだして「自分の専門・問題関心にあった、自分でデザインした学びの場を、つくっていくこと」にチャレンジして頂ければと思います。
ぜひ、
学ぶだけじゃなくて
社会の中で実践してみてください
その方が、きっと愉しいし、また、次の「学び」につながるから。
楽観的と言われるかもしれませんが、そういう若い人がますます増えていけば、きっと、いつの日か、たぶん・・・(笑)社会は、Learningfulに、元気になると思います。
大丈夫だよ、やってみよう。
Making of Theatre MALL : MALL流の「場」の作り方
http://www.youtube.com/watch?v=x6B9y13vr7g&feature=youtu.be
※上記は、橋本先生がつくってくれたメイキングビデオです。裏で、いかに多くの学生が関与していたか、おわかりいただけると思います。理事の皆さん、お手伝いいただいたスケット我妻さんなど、本当にお疲れ様でした&ありがとうございました!
※橋本先生の当日のリフレクションも大変興味深いです。すごいな、橋本さん、いや、マジで。本当にありがとうございました。
橋本諭先生のWebページ
http://www.hashimoto-lab.com/
参加型リフレクションムービーを作成した当日のリフレクション(橋本諭先生のWebページ)
http://www.hashimoto-lab.com/2012/06/1940
▼
最後になりますがご参加頂いたみなさま、ご登壇いただいた皆様、学生ボランティアの皆様、そして会場を共同プロデュースさせていただいた株式会社内田洋行の皆様、心より感謝いたします。反省点も多々ある(かなりある・・・)会でしたが、また次回の糧とさせていただければと思います。
どうもありがとうございました。
Looking foward to seeing you guys at MALL!
—
■2012/06/05 Twitter
Powered by twtr2src.
—
■2012/06/04 Twitter
- 23:50 ご参加頂き感謝です!最後は、熱気で、室温急上昇でしたね(笑)RT @kaz_saeki MALL経営学習研究所キックオフに参加。一部の新人研修事例発表&ダイアログ~二部の理事の皆さんの企画プレゼン&懇親会と、とにかく熱気が溢れてた。#malljp [in reply to kaz_saeki]
- 23:48 カフェスペースはじめ、多くのパートを担っていたのは、学部学生のボランティアの皆さんです。学生さんからも、いろいろとプチヒントが寄せられると期待しています。それでは皆さんお疲れ様でした。おやすみなさい。 #malljp
- 23:43 プチヒントその2です。今日、地下1Fで使ったいたVJ(Video Jockey)ソフトは、COLORCODE VJ : iPad用VJアプリです。サンプル映像もいくつかはいっていて、誰でも、簡単にVJが愉しめます: http://t.co/t8APqk1G
- 23:40 「今日の場づくりのプチヒント」です。今日食べたヘルシーピタサンドは、ツー・バイ・ハートさんのMosirenです。振り付け師ラッキー池田さんの奥様、彩木エリさんが立ち上げたお店です。小生のカミサンの紹介でした : http://t.co/G2d7S5C4 #malljp
- 22:48 ご参加いただいた皆様、ご登壇者、学生ボランティアの皆様、ありがとうございました。また感想をお聞かせください!RT @makimuramaho: ご参加いただいた皆様、学生スタッフのみなさま、内田洋行の皆様、本当にありがとうございました! #malljp
Powered by twtr2src.
—
■2012/06/02 Twitter
Powered by twtr2src.
—
■2012/06/01 Twitter
- 10:56 電車、逆方向乗ってた(号泣)
- 09:46 RT @fumituki85: 【拡散希望】「環境問題をゲームで体験して学ぶワークショップ」参加者募集!大学生を対象に環境問題に潜むジレンマをゲームで体験します。6月9,30(土)の午後に早稲田大学で開催。 http://t.co/FeZkaoFT
- 09:30 ありがとうございます。愉しみにしています。 RT @tomokihirano: 経営学習研究所 @mall_jp の名刺を全理事分つくっているなう。6/4キックオフイベントまでに間に合わせなきゃ!”楽しみー!
Powered by twtr2src.
—
■2012/05/30 Twitter
- 21:21 読了。たくさんのコミュニティデザインの事例、勉強になりました。フィルムアート社、キンキンに尖った企画が多くて素敵ですね>紫牟田伸子 ・編集部(編)(2012) 「クリエイティブ・コミュニティ・デザイン」http://t.co/5TLOFEZX
- 11:50 大学院・中原ゼミ。今日の英語文献はReeveらの「専門職連携教育(interprofessional education)の有効性」。専門職連携教育とは「複数の領域の専門職が連携し、同じ場所でともに学び、お互いから学びあうこと」#nakaharalab
- 11:30 (4)ここ数年密かに「海外で活躍する日本人マネジャーの研究」を、ホソボソとしています。先日もインタビューに伺わせて頂きました。海外での活躍は、「個人の属性」だけでなく、仕事の経験・職場・組織・制度要因が複雑に絡み合っています。いつか、モデルなんてできるといいね。#nakah…
- 11:23 (3)異文化間能力の各モデルは、これまで、コミュニケーション論 / 応用言語学の観点から構成されているんだろうな。仕事・組織の観点から、これを構築し直すと、どうなるんだろうか。#nakaharalab
- 11:23 (2)異文化の人々とコミュニケーションしたり、信頼を確保するためには、まずは自分自身が「仕事ができること」「専門をもっていること」が重要ではないと思うのです。#nakaharalab
- 11:23 (1)大学院・中原ゼミ(@nakaharalab)異文化間能力の様々なモデルを見ましたが、各モデルの構成要素に、「仕事の要素」「専門性の要素」が入っていないことが、すごく違和感がありました。#nakaharalab
- 11:03 大学院・中原ゼミ(@nakaharalab)今日の英語文献は Spitzberg and Changnonらのレビュー論文「 異文化間能力の概念化」#nakaharalab
- 11:01 さっき学内でポスター見つけました。興味深い。だけど、この日は他の都合で行けない(涙)>コンテンツ文化史学会:6月16日(土)第1回例会「コンテンツとライブ」 http://t.co/LfxW9CZK
Powered by twtr2src.
—
■2012/05/29 Twitter
Powered by twtr2src.
—
■2012/05/28 Twitter
- 16:59 「新規学卒者の同期」と「中途採用者の同期(同じ年度に中途採用された人)」は、どのように違うのか? この二つのネットワークは、それぞれの会社で、どのように「発達」しているのか? 中途採用者の同期ネットワークを発達させる試みは、どの程度行われているのだろうか?
- 16:11 実務家のKさんを招きして、中原研でミニ研究会。新卒採用者と中途採用者の組織社会化の比較。興味深いご研究ですね。
- 08:56 ブログ更新。「はじまりのデザイン – 人に学んでもらうときに、僕が、心がけていること」 http://t.co/qhWhWjJI
- 06:45 興味深い>佐賀大、カフェを「学外実習拠点」に:学生が自ら企画、開催するイベントを通して大学の研究や文化的な魅力を地域に発信する: http://t.co/T52cMs6e
Powered by twtr2src.