2011.8.3 10:35/ Jun
昨日まで、しばらく京都におりました。
京都大学・東京大学・電通育英会の共催でひらかれた「大学生研究フォーラム2011」に登壇するためです。
今年の「大学生研究フォーラム2011」のテーマは「データから現代の大学生を考えること」と「データと実践を架橋する」というものです。
当日は、和田先生、溝上先生(京都大学)、下村先生(JILPT)、鳥居先生(立命館大学)、浦坂先生(同志社大学)、豊田先生(リクルートワークス研究所)、大塚先生(京都大学)、吉見先生(東京大学)、松下先生(京都大学)、川﨑先生(関西大学)のご報告、コメントがなされました。先生方のご報告は、どれも示唆にとむ素晴らしいものでした。
その様子は、下記にTwitterのまとめサイトを、村上先生(京都外国語大学)がおつくりいただいたので、そちらをご覧ください。村上先生、ありがとうございました。
大学生研究フォーラム2011 まとめサイト
http://togetter.com/li/169293
おそらく、後日、下記のサイトでは公式の開催報告が公開されるものと思います。
大学生研究フォーラム2011(後日公開)
http://www.dentsu-ikueikai.or.jp/forum/forum2011.html
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大学生研究フォーラム2011では、初日、僕は、シンポジウムのファシリテータとしての役割を期待されておりました。
「アウェイでのファシリテーション」になりますので、当初、少し緊張いたしましたが(やらかしちゃったら、どうしよう・・・シーンとなったら、どうやって責任をとろう・・・怒り狂うオッサンが出てきたらどうしよう・・・ドキドキという感じです。)、会がはじまる13時には「まな鯉」状態、ケツをまくりました。
というわけで、ラーニングバースタイルで会をはじめます。皆様のご協力もあり、いつものように?、会場をダイアローグの場にさせていただきました。ありがとうございました。
初日は、誠に嬉しいことに満員御礼の500名の参加者の方々に得て、熱心な対話ができました。ご協力いただきました皆様、心より感謝いたします。
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二日目は、実は、高校の進路指導の先生方を対象に、「現在の大学・大学生のキャリア・成長の実像」を伝えるというプログラムがございました。
こちらの方では、僕はパネリストのひとりをつとめさせていただきました。発表では、経営学習論の立場・東京大学の一教員としての立場から、「現代大学生の内的キャリア・外的キャリアをめぐる変化」を、発表させて頂きました。
短い時間だったので、詳細は述べられませんでしたが、現代の企業・大学をめぐる変化の様子をお伝えしたつもりです。
この会、ふだん、あまり高校の進路指導の先生型にお逢いする機会はないだけに、とても新鮮でした。
今、高校の進路指導でどのようなことが起こっているのか、ほんの少しだけですが、おぼろげに理解できた気がしました。
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この二日間で、僕自身、いろいろなことを学びました。その詳細は、また折に触れてお話ししましょう。
ここでは、内容知以外で、何より興味深かったことをお話しします。
それは、わずか、数年前までは「大学生をテーマにして、大学のキャリア担当者」などが集まる「大規模なコミュニティ」は、あまり存在していなかったことです。
また、今年から、全国から高校の先生方が100名規模で集まるコミュニティが生まれましたが、それは、「去年」まで存在していなかったことです。
つまり、それは、数年前までは「ゼロの場所」でした。
あたりまえのことですが、ゼロから何かを生み出すためには、誰かが「絵」を描き、パッションをもって動き、いろいろな人・リソースを巻き込んで、当日を迎える必要があります。
組織行動論の研究者が見れば、それこそ、リーダーシップのプロセスですね!、とキラキラ目を輝かせるでしょう。しかし、それは、大変、Hard funな道のりでもあるのです。
「コミュニティやネットワークをつくりだすこと」が、どんなに大変で、どんなにチャレンジングなことなのか、そして、それがいかに乗り越えなければならぬことが多いか。僕も似たようなことを、違う領域で行っておりますので、その苦労はうかがいしれます。
この2日間の多くは、その中心地でビジョンを描いていらっしゃる、京都大学の溝上慎一先生の知性とリーダーシップから生まれました。
溝上先生は、実践的な研究をなすために、コミュニティやムーブメントをつくり、研究をなしています。そこで集まってくださる実務家の方々に、データや知見をかえし、ゆさぶり、おそらく、さらなる実践の場が夢見て。つまり、実践と研究のあいだに、いかに循環的な回路をつくるのか、をお考えになっているのではないか、と勝手に推察しました。
僕と溝上先生とは十数年前?くらいにはじめてお逢いして以来(当時、先生は助手、僕は修士1年でした)、溝上先生は、なぜか?(研究者としてチャランポラン、常に脱線気味の)小生に、いろいろ声をかけてくださっております。ありがたいことです。
昔から、溝上さんは著作を出すたびに、僕に献本してくれました。本が贈られてくるたびに愉しく拝読させて頂くのですが、一方で、
「おい、おれは、バリバリ研究してるで。で、中原君、今、何やってる? 気を抜いたらアカンで、研究せなあかんでー」
と言われているようで(笑)、「すみません、溝上さん。オラも頑張らねばな」と気を引き締めるきっかけになっています。ありがたいことです。
去年からは、溝上先生、中原、中原研究室の大学院生で、共同研究もはじまりました。これまで溝上さんが探求なさってきた「大学生研究」と、中原研究室の「職場学習研究」の接続をはかる研究です。これもうれしいことです。
お逢いすると、改まって言うこともないと思われますので、この場を借りてひと言。
溝上先生、本当にお疲れ様でした。ゼロからモノ・コト・つながりを生み出していらっしゃる、イノベータの溝上先生に、心から敬意を表します。お疲れ様でした。
溝上先生の後ろには、より若い研究者が、「実践とデータを架橋する分野で研究をすることの意味」、そして、そうした場において発揮されるべき実践的研究者のリーダーシップを、学んでいるのでいるのではないか、と思います。
また、溝上先生を支えていらっしゃる京都大学大学院の大学院生のみなさま、協働なさっているセンターの教員スタッフの方々、お疲れ様でした。大変だよねー、あんなに大人数のムーヴメントを支えるのは。
最後になりますが、このような場のスポンサーシップを引き受けてくださった電通育英会さまには、共催者の一人として、心より感謝いたします。ありがとうございました。
そして人生は続く。
追伸.
ちょっと前のことになりますが、小生、別所哲也さんのラジオ番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」で、すこしだけ対談させていただきました。8月8日から11日まで、J-waveで放送予定とのことです。
別所さんのMCは、やはり本職、素晴らしいものでした。小生のしょーもないトークを、見事にまとめていただきました。ありがとうございました。
J-WAVE TOKYO MORNING RADIO
http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/index.htm
なお、この番組では、対談の様子をポッドキャストでも公開するようです。
TOKYO MORNING RADIO POWER YOUR MORNING Podcast
http://itunes.apple.com/us/podcast/tokyo-morning-radio-power/id275939527
もし、よろしければどうぞ。
下記がPODCASTのZIPファイルです
http://www.nakahara-lab.net/20110808bessho_jwave.zip
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