NAKAHARA-LAB.net

2005.11.22 23:13/ Jun

ふふふ

 酔っ払った学生に、先日、こんなことを聞かれた。泥酔していたため、その学生は、そういう問いを僕に投げかけたことすら、全く覚えていないだろう。だけど、その言葉、あまりに直截すぎて、僕の心には深く刻まれた。
「中原さんは、なぜ研究したいんですか?なぜ大学にのこって研究者をやろうと思ったんですか?僕にはそれがわからない」
 これは簡単なようで、なかなか深い問いである。
 「わたしはなぜ研究するのか」・・・食うためだよ、好きだからだよ、なんとなくだよ・・・いろんな答えが思い浮かぶ。
 しかし、僕はこう答えた。
 「僕がやらなかったら、誰がやりますか? 僕は、教育の世界で、そういうことをやりたいのです」
 将来は、誰もやらないことがやりたい。
 かなわぬ願望、自分の能力をかいかぶった不遜な夢かも知れぬが、僕は学部生の頃から、いやいや、物心ついた頃から、そう思い続けてきた。ひとつ間違えば、完全なる社会不適応だったかもしれない。しかし、自分がもしかすると代替不可能な人になりうること、否、そう信じつつ生きることに、僕はかけてみたかった。
 酔っ払って意識が朦朧としている学生に、真面目に語ったつもりではある。
 ふふふ・・・学生は笑っていたけれども。
 「青いな、こいつは」と思われたかな。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2024.12.8 12:46/ Jun

中原のフィードバックの切れ味など「石包丁レベル」!?:社会のなかで「も」学べ!

なぜ「グダグダなシンポジウム」は安易に生まれてしまうのか?

2024.12.2 08:54/ Jun

なぜ「グダグダなシンポジウム」は安易に生まれてしまうのか?

2024.12.2 08:12/ Jun

【無料カンファレンス・オンライン・参加者募集】AIが「答え」を教えてくれて、デジタルが「当たり前」の時代に、学生に何を教えればいいんだろう?:「AIと教育」の最前線+次期学習教育課程の論点

2024.11.29 08:36/ Jun

大学時代が「二度」あれば!?

「人事界隈」にあふれる二項対立図式の議論は、たいてい「不毛」!?

2024.11.26 10:22/ Jun

「人事界隈」にあふれる二項対立図式の議論は、たいてい「不毛」!?