2010.3.2 10:06/ Jun
現在、ビジネスパーソンのあいだに「勉強会ブーム」が広がっているといいます。不況下において、企業がワークシェアリングやワークライフバランスを進めるのに呼応して、社外にでて、学びたいというニーズがあがっているそうです(或は、学ばざるをえない)。最近、いくつかのメディアから、この話題で取材を受けました。
人は会社や組織の「外」で、どのように学んでいるのか
平成19年国民生活白書では、3人に1人の社会人が、交流会や勉強会にでかけています。しかし、その実態、その背後にある人々の思いについては、わかっていないことが非常に多いように感じます。
今年、中原研究室では、この課題に関して大規模調査を実施する計画があります。これまでやってきた、社内の職場学習に関する研究に、「最初のめど」をつけることができそうなので、今度は、少しだけ手をひろげて「社外の学び」を分析の視野にいれたいと思っています。もちろん、これまでどおり、社内の職場学習の調査研究も、今年度、大規模調査を実施します。
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僕は、数年前からビジネスパーソンのインタビュー調査を継続していますが、昨今では、様々な人から「最近、勉強会参加しているんですよねー」という話題もたまに聞くようになりました。
下記は、最近聞き取り調査にご協力いただいたビジネスパーソンの方々、人事部の方々から得た語りをデータとした「勉強会に参加する理由」の分類です(Learning barにいらっしゃった方を対象にした聞き取りではありません)。
きちんとした方法論に基づいて分類をしたわけではないのですが、だいたい、勉強会への参加の背景には、下記のような5つのニーズが存在するように思います。あくまで私見、言いたい放題です。でも、ビジネスパーソンのインタビューの中からは、社外勉強会に関する典型的な「5つの語り方」が抽出できます。
1.サバイブ
2.キャリア
3.ネットワーク
4.ソーシャルアントレプルナー
5.イノベーション
もちろん、実際のビジネスパーソンのモティベーションは、これらのニーズが複雑に絡み合っていることはいうまでもありません。人が動く動因は、ひとつに限定できる訳ではありません。
また、くどいようですが、あくまで、現段階では「仮説」です。実証研究は今年以降やります。きちんとした検証はあとでするから、慌てないでね、もう少しお時間をください。
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リキッド化し、リスク化していく社会の中で、自分を、自分の仕事を、そして自分の家族の将来を、どのように描くのか。
上記の人々の語りや、その背後にある潜在的ニーズからは、このような時代背景をもとにした、人々の「思惑」が見て取れます。
「社外の学びの場」は、「ユートピア」ではありません。勉強会ブームを煽るビジネス書やビジネス雑誌は、そこをパラダイスのように描きます。まるで、社外にでれば、すべての問題がキャッチオール(Catch all)で解決!のようです。しかし、僕はそのようには思いません。
そこは「ひとつの色」によって塗り上げられた「パラダイス的世界」というよりは、多様な人々の思惑が交差する「玉虫色の、陰影のある場所」なのです。そして、そこは、主体性を発揮して出かける場所でもあり、主体性を発揮しているかのように追い込まれて出かける場所でもありえるということです。
社外の勉強会に出かけている皆さん!
あなたは、なぜ、社外勉強会に出かけるのですか?
1.サバイブ
2.キャリア
3.ネットワーク
4.ソーシャルアントレプルナー
5.イノベーション
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いずれにしても、来年度は、このあたりのことを視野にいれて、職場学習論と社外の学びを架橋したいと考えています。
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後日談.
このエントリーには、Twitter、メール含め、数十件のやりとりがなされました。Twitter上のやりとりは、@benkyou_kai さんが、まとめてくれました。ありがとうございます。下記をご参照ください。
まとめ
http://togetter.com/li/7889
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●学びの認知科学辞典●
・学び研究のフロンティア 「江戸の学び」から「ロボットの学び」まで
・小生も末席で1章書いております 「企業における学び」
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