2010.2.9 12:47/ Jun
JR東日本 研究開発センター 安全研究所と東京大学・中原研究室は、今年度から2年間にわたって、安全教育に関する共同研究をしています。
職場のマネジャー、キーマンが、自らのマネジメントのあり方を見直し、「安全」の価値観や大切さをどのように職場に共有していくのか。そのための教育的介入(研修)をどのように行えばいいのか、を探求する研究です。
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おいおい、なんで、アンタが「安全」なのか?
といぶかしがる方もいらっしゃるかもしれません。でも、いいの、立派に、「安全」は僕の研究テーマになるのです。
通常の一般企業においては、
教育的介入→研修・職場→パフォーマンス(いわゆる数字)
のところが、JRさんの場合は、
教育的介入→研修・職場→安全
というかたちになっているということです。また、安全は職場の風土であり、文化でもあります。それを、現場のマネジャーが、いわばシンボリックマネジャーとして、どのように変革したり、強化することができるのか、という問題は、非常に興味深いテーマです。
ですので、一瞬、安全というとギョッとしますが、僕の研究領域から離れているわけではありません。
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今年は、フィールドスタディの期間でした。駅、電車区、現場をまわり、来年度はマネジャー研修を設計してきました。教育設計は、何よりも「現場」です。半年をかけて現場のフィールドスタディと議論を積み重ねてきました。
来年はいよいよ研修の実施と評価です。きちんとした評価研究も行う予定です。具体的には、職場からの定量データをもとに実験群 – 統制群をもうけた教育効果検証を行う予定です。
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昨日は、JR東日本本社の大塚会長・清野社長・役員の方々、JR東日本グループのマネジャー層、グループ企業の社長などの皆さん700名が集まる「鉄道安全に関するシンポジウム」が、都内で開催されました。中原は、講演とパネルディスカッションにて登壇させていただきました。
職場の風土、職場の社会関係資本、学習、ワークプレイスラーニングなどについて、最近の中原の研究知見をまじえてお話しさせていただきました。ちょうど原稿を書いている最中だったので、非常にタイムリーでした。
嬉しかったのは、懇親会の席上で、稲生武さん(いすず自動車・元取締役会長 / JR東日本取締役)から下記のように言われたことです。
「中原さんのような若い人が、コテコテの現場に一緒に入ってくれて、泥臭い研究をしているのが、僕は嬉しかった」
小生、最近、やや「お疲れ気味」だったのですが、かなりやる気になりました。明日からはじまるインタビュー調査(これから数十人に対するインタビュー調査が始まります)も俄然気合いがはいります。ありがとうございました。
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本シンポジウムでは、同社の常務取締役・石司さん、執行役員の宮下さん、安全企画部の吉田篤さんに大変お世話になりました。また同研究では、安全研究所の楠神所長、青沼さん、戸井さん、静山さんらにお世話になっています。心より感謝いたします。
そして人生は続く。
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