NAKAHARA-LAB.net

2010.2.4 12:21/ Jun

ワークショップとは言わないワークショップ

 今、「働く大人とワークショップ」という本の原稿を書いています。
 最初は「企業人材育成とワークショップ」というタイトルだったような気もしますが、だんだん「働く大人とワークショップ」の内容が増えてきて、どっちにしたらいいか、悩んでおります。
 このままだと「企業人材育成と働く大人とワークショップ」になっちゃうよね、、、ちょっと、オクサン、どーすんの(笑)。
 僕ね、決められないんだよね、そういうの。思わず「まーまーまー、ここは、みんなで、ひとつ仲良く」なんて言っちゃいそうになる。
 でも、「と」が三回続くのは、「意味不明子ちゃん」だよねー。一瞬、「部屋とYシャツとわたし」みたいで、レトロでいいかな、とも思ったのですが(笑)。
  ▼
 閑話休題。
 書いていて、素朴に思ったことがあります。
 よーく考えてみると、世の中には「ワークショップとは言わないワークショップ」がたくさんあるということです。
 つまりですね、「ワークショップとは銘打っていないものの、やっていることと結果を見ると、ワークショップっぽく機能してしまっている場」がたくさんあるのですね。むしろ、そっちの方が数の上では、圧倒的マジョリティであるよ。あっ、タイプミス、いきなり国籍変わっちゃった(笑)。
  ▼
 例えば、某企業の事業部単位で実施されている場。会社がオフィシャルに支援し、三十年以上の歴史のあるそれは「懇談会」という名称です。職場単位で実施しているので、その内実は、職場長の裁量にまかされています。
 もちろん、職場単位の実施ですので、職場によっては形骸化している「場」もあるでしょう。でも、それが有効に活用されているところでは、職場のしかるべきメンバーが、ファシリテーターの役割を担い(自分がファシリテータなんて思っていない)、職場のメンバーに自分の仕事を見直す機会を与えたりしています。内容の構成も非常に、ワークショップ的です。
 もちろん、こうした場は、ワークショップという名乗っているわけではありません。でも、観察者の僕の目からみたら、すごく「ワークショップ的」に見えるのです。で、それをやっている方にお伝えすると、
「僕たちがやっているのって、ワークショップっていうんですか、、ははー。そんな風な領域があるんですねー、世の中広いですなー」
 ってな感じです。
  ▼
 今日の文章、だんだん、書いていて、どうやってオチつけんのか、わからなくなってきたけど(笑)・・・あのね、要するにそういうことですよ、、、感じてください、僕の言いたいことを(笑)。
 つまり、「企業人材育成とワークショップ」でも、「働く大人とワークショップ」でも、どっちでもいいんだけど、どこからどこまでを、「ワークショップ」の範疇に含めればよいのか、わからなくなってきたってことです。
 つまりは、ワークショップを「インプット」としてとらえる のか、それとも「アウトプット」としてとらえるのか、ってことなのかな。わかんねーけど(笑)。
 前者は、「ワークショップという手法を使って、●●したら、~なりましたよー」という風にとらえること。後者は、「●●というものが既にやられていて、そこでの活動と所産は、ワークショップ的でした」と書くということ、です。僕はこの本で、どちらの立ち位置で書けばいいのかな、と悩み始めました。たぶん、これが言いたかった。
 どない?
  ▼
 まぁ、少し悩んでみます。
 でも、いわゆる「教育畑・学習畑の人」からみたら、前者の書き方の方がすっきりすると思うんだけど、きっと「現場の人」からみたら、たぶん後者だろうな、と思う。
 まぁ、だとしたら、どっちの立ち位置に僕がたつかは、おのずと答えはでているよね。
 そして人生は続く。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

「人事界隈」にあふれる二項対立図式の議論は、たいてい「不毛」!?

2024.11.26 10:22/ Jun

「人事界隈」にあふれる二項対立図式の議論は、たいてい「不毛」!?

あなたの組織は「社員の主体性を喪失させる仕組み」が満載になっていませんか?:うちの社員には「主体性」がないと嘆く前にチェックしておきたいこと!?

2024.11.25 08:40/ Jun

あなたの組織は「社員の主体性を喪失させる仕組み」が満載になっていませんか?:うちの社員には「主体性」がないと嘆く前にチェックしておきたいこと!?

2024.11.22 08:33/ Jun

最近、僕は何をやっているのか?そうね、いろいろやってます!?

2024.11.15 15:01/ Jun

【無料カンファレンス・オンライン・参加者募集】AIが「答え」を教えてくれて、デジタルが「当たり前」の時代に、学生に何を教えればいいんだろう?:「AIと教育」の最前線+次期学習教育課程の論点

2024.11.9 09:03/ Jun

なぜ監督は選手に「暴力」をふるうのか?やめられない、止まらない10の理由!?:なぜスポーツの現場から「暴力」がなくならないのか!?