NAKAHARA-LAB.net

2008.7.18 23:00/ Jun

米国の教員離職率

 ハーバード教育大学院で研究を進めていらっしゃるKさんが、僕のブログのエントリーを読んで、アメリカの教員の離職について、お便りをくれました。ありがとうございます。
教員の育成システム
https://www.nakahara-lab.net/blog/2008/07/post_1295.html
 Kさんによると、教員離職については、下記のようなデータがあるそうです。
米国の教員離職に伴うコストの試算
http://www.all4ed.org/files/archive/publications/TeacherAttrition.pdf#search=%22National%20Teacher%20Turnover%20Rate%22
 これによると、米国の公立校の教師が1年間に辞めてしまうコストは、2.2ビリオン。ビリオンが10億ですから、22億円のコストがかかっていることになります。
 学校をやめてしまう理由は、1)プランニング時間の不足(65%)、2)過剰な仕事負荷(60%)、3)問題行動をもった生徒への対応(53%)、4)学校の運営に影響力が行使できないこと(52%)だそうですね。
 レポートには州ごとの違いも載っていますので、ぜひ、ごらんいただければと思います。
 Kさんによると、2004年のアメリカの教員離職率は15.7%。6.41人に1人が辞める計算だそうです。もちろん、これは裕福な地域から貧困地域をおしなべて平均にした値。貧困地域の教師は、もっと高い確率で辞めることになるそうです。
 —
 日本にもこうしたデータはあるのでしょうか。調べていないので、何ともいえないのですが・・・。
 教員の離職はどのようなメカニズムで、どのような要素が影響しているのか、を調べてみると、非常に意義深いかもしれませんね。教職を志し、不本意な理由で、学校を去る。そのことを何とか防止できないものか、と思います。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2025.2.3 08:32/ Jun

うちの会社の戦略が、社員まで「落ちて」いかないのは、なぜなのか?

2025.1.25 20:15/ Jun

「働くママパパラボ」で理想の人事制度を考えませんか?

2025.1.18 19:13/ Jun

「親の気持ち」が少しだけわかるのに30年かかった愚息のお話!?

2025.1.16 14:19/ Jun

中原ゼミでの3年間は「転び(ころび)」であった!?

あなたは、仕事人生の「A面」と「B面」のどちらを生きていますか?

2025.1.14 08:44/ Jun

あなたは、仕事人生の「A面」と「B面」のどちらを生きていますか?