2024.9.28 17:02/ Jun
サーベイを用いた組織開発が「対話」につながらない理由とは何か?
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週末は、大学院(立教大学大学院LDCコース:人材開発・組織開発の大学院)授業です。
今日の授業「人材開発・組織開発II」では、帝京大学の町支大介(ちょうしだいすけ)先生にお越しいただき、町支先生が行ってきたサーベイフィードバック型の組織開発事例について、共有をいただきました(心より感謝いたします!)。
ここで「サーベイフィードバック型の組織開発」と申しますのは、
1.チームや職場の「現状」を把握するために、組織調査(サーベイ)を行い
2.その結果をチームや職場にフィードバックし(戻し)
3.それをもとに、チームや職場の関係者が「対話」を行う
といったものです。
最近では、多くの会社でエンゲージメントサーベイなどが実施されているとは思いますが、それに付随して、きちんと対話を行うもののことを「サーベイフィードバック型の組織開発」といいます。
今日の授業は、この「サーベイフィードバック型の組織開発」にまつわる実践知についてでした。大学院生の皆さんからもたくさんのレスをチャットでいただいたり、質問をいただきました。みなさま、お疲れ様でした。
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町支さんが今日お話ししてくださったことは、すべてが彼の実践知にあふれるものでしたが、特に印象深かったことがございます。
それは、サーベイの結果を見るときには、「関係者が、サーベイ結果を見る瞬間を、共有すること」が重要だ、ということです。
逆にいうと
「サーベイの結果がでていますから、ネットにあげておきますので、各自で見てください」
では、ダメだということです。「各自で、別々に見る」のは「今、ここ」を共有していない。それでは「対話につながらないことが多い」とおっしゃるのですね。むろん、それ以外の理由もあるのでしょうが、これも大きな理由である、と。
対話が進むためには、町支さん曰く、サーベイの結果を見て、みなが「ハッ」と生じた瞬間を共有しなければならない。これは非常に興味深い指摘だと思いました。
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よく知られていることですが、組織開発の基底にある考え方には「今、ここ(here and now)」というものがあります。
組織開発を行うときには「here and now(here and now)」を大切にしなければらない。すなわち「今、この瞬間に、沸き起こってくる感情や意識」を大切にして、それらを共有しなければならない。
町支さんがおっしゃっていること、「関係者が、サーベイ結果を見る瞬間を、共有すること」は、まさにこのことをおっしゃっているのだと思いますし、現代社会では忘れ去られがちなことなのかな、とも思います。
とかく
「サーベイの結果がでていますから、フォルダにいれておくので、各自で見といてください」
「組織調査の結果は、slackにあげておきます。思ったことを、各自、返信で書いておいてください」
になりがちなのではないか、と思うのです。
むろん、皆、忙しいし、かつ、リモートも対面も混在している現代の職場において、「今、ここ」を共有することが難しいのはわかってはいるのですが・・・。
しかし、どうせやるのなら、きちんと場をつくり、今ここにおいて思ったこと、感じたことを共有することが大事なんだろうな、と思いました。なかなか悩ましい問題です。
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今日は、組織開発の基底を為す概念「Here and Now」をもとに、せっかくサーベイをしても、それが「対話」につながらない理由を考えてみました。
あなたの組織開発では「いま、ここ」で「ともに」サーベイ結果を見ていますか?
最後になりますが、町支さん、本当にありがとうございました!
そして人生はつづく
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チームワーキング座談会
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上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス(上司用)
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Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/k00HD0024/
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短時間&動画で学べる 部下育成スキル・解説動画
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「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
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「中小企業の人材開発」(中原淳・保田江美著、東京大学出版会、2021年)マニアックなガチ・学術研究書なのですが、発売10日で重版出来となりました。ありがとうございます。中小企業の人材開発メカニズムに接近を試みています。どうかご笑覧くださいませ!
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