2023.5.24 07:14/ Jun
あなたには「自動化された行動」がありますか?
最近、言葉を「はしょって」いませんか?
大事な何かを「見失って」いませんか?
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ひとは、経験を繰り返しながら、徐々に学びます。学んだものは、やがてルーティン(定石)として、日常行動に定着し、やがて自動化していきます。あまり注意を配分したり、意識しなくても、ひとは行動を効率的に繰り返すことができるようになります。こうしたプロセスを「経験学習」といいます。
畢竟、経験学習とは「行動の自動化」、それによる「効率化」をめざす学習です。
しかし「意識」をしないというのは、一方「リスク」でもあります。
今日は、その「リスク」とやらについてお話しをしましょう。
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第一のリスクは、ひとは、意識をしなくても「自動化された行動」によって自らを存立せしめることができますが、この「自動化された行動」の裏に潜む「メカニズム」が、いかに達成されているのかを、自らの言葉で説明できなくなる、ということです。つまり、ワンワードでいえば「言葉の不在」。
よくある寓話に、ムカデの寓話があります。
曰く
ムカデは器用に「数十本の足」を動かして移動します
しかし、ムカデの歩みを止めるのは、実に簡単なことです
ただ一言「あなたは、たくさんの足を、どうやって動かしているの?」と尋ねればいい
ムカデは足を「意識」したとたんに動けなくなるはずだから
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「自動化されている対象」に対して、ひとは意識を配分しません。
よって「自動化されているメカニズム」を問われても、ひとは、それを説明する手段を持たないのです。
あなたにとって自明な、その仕事を、他人に説明するときも、まったく同じ事が生じるかもしれません。
「その仕事、どうやっているのですか?」
と他人に尋ねられたとしたら、あなたは何と答え得るでしょうか。
自動化された行動の果てにある「言葉の不在」、あなたには起こっていませんか?
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もうひとつの危機は「存在基盤の忘却」です。
自動化された行動は、「自分を存在たらしめているもの」すら忘却のかなたにおくりだしてしまいます。それは「自明化」し、「透明化」します。自動化された行動が、あまりにも「自明」であるがゆえに「存在基盤」すら忘却してしまうのです。
どこで目にしたのか忘れましたが、これに類する寓話に「息物(いきもの)」のお話しがあります。
曰く
ひとを変える「転機」になるのは「病気」です
ひとは「病気」になって
肺が苦しくなったときにはじめて
自分の「呼吸」を意識します。
自分という人間存在が「呼吸」に支えられていたことを知ります
呼吸が苦しい。このままじゃ、死ぬ。
そうしてようやく、自分が「息物(いきもの)」であることを知るのです
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「存立基盤の喪失」もよく起こることです。とりわけ、組織内では頻発することではないでしょうか。組織のなかでは、様々なひとびとが協力して、なかば自動化されたルーティンに従って仕事をしています。その仕事のなかには、組織の存立基盤となる機能が、おそらくは、ある。
しかし、いったん、それが「機能不全」になったとき、組織は知るのです。
何がもっとも大切なことだったのかを。
逆にいうと、機能不全に陥ることがなければ「組織は、いつまでたっても、わからない」とも言えますが。
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今日は「自動化」ということについて考えてみました。
あなたには「自動化された行動」がありますか?
最近、何かを「はしょって」、何かを「見失って」いませんか?
そして人生はつづく
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