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2022.11.7 08:17/ Jun

人事制度に「魂」こめるな!「運用」にこそ「魂」こめろ!:綺麗な人事制度はできたけど、さっぱり、成果につながらないのはなぜか?

 制度に、魂こめるな!
 運用にこそ、魂をこめろ!
      
 先だっての授業「ラーニングイノベーション論(慶應丸の内シティキャンパス)」では、カゴメ株式会社・常務執行役員(CHO)の有沢正人さんに、同社の人事改革に関して、素晴らしい講義をたまわりました(心より感謝です!)。
   
 有沢さんには、もう15年来のおつきあいになります。慶應の授業では、ここ数年、講義をご担当いただいておりますが、有沢さんの授業内容が、常に更新されているところが、凄いところです。
  
 押し寄せる人事課題の荒波のなかで、有沢さんらのチームが、常に革新を続けておられる証左なのかな、と思います。本当にお疲れ様です。
    
  ▼
  
 今回の授業のなかで、有沢さんが繰り返されていたのが、
   
 人事制度は、誰でもつくれる!
   
 制度に、魂こめるな!
 運用にこそ、魂をこめろ!
   
 という言葉です。
   
 もちろん「人事制度は、誰でもつくれる!」は有沢さんなりのウィットに富んだ「比喩」でしょう。ただし「人事制度を機能させる」うえで、有沢さんなりの持論が、ここにあらわれているような気がします。
   
 この言葉の含意は、要するに、下記のようなことではないでしょうか。
    
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   ・
   
 人事は、すぐに、制度を精密につくることに、熱中してしまう
   
 でも、人事制度ってのは、要は、人間様がかってに決めたルールだ
 そんなものは、誰でもつくれる
   
 それよりも、もっと「大事なこと」がある
  
 それは、「人事制度をつくること」よりも、
 制度をしっかり「現場で運用すること」だ

  
 現場のメンバーに説明して、共感を得て、定着させる。
 そのうえで、足りないことがあれば微修正する
  
 そういう「運用」にこそ、魂をこめろ!
  
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  ・
    
 対して、この日本には「制度づくりには魂をこめたけど、運用には、魂どころか、現場への配慮すらされていない人事制度」が腐るほど存在します。
   
 コンサルを入れて、美しい人事制度は完成したけど、社内の「誰にも知られていない」
  
 綺麗な人事制度はできたけど、現場は「ど白け」ている
   
 精密な人事制度は「江戸時代の御触書」のようにお上から、示されたけど、誰も目にしておらず、成果は「出ない」
   
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 以上は、この日本全国に360万ケースくらい散見される「人事制度あるある」ではないか、と思います(笑)。
   
 有沢さんが指摘したかったのは、こういう「あるある」を「運用」の力で、何とか予防し、人事制度が「Work(成果をだす方向に機能する)」状態をつくりだしたかったのではないか、と思います。
   
  ▼
    
 今日は「人事制度」のことについて書きました。
  
 人事制度は、それ自体が「成果」を保障するわけではありません
  
 人事制度は、現場のひとびとに受け入れられ、行動変容を導いたときに、成果がでます
  
 そして「現場の人々の受け入れられ、行動変容を導くこと」にもっとも影響をあたえるのが、「制度づくり」ではなく「制度の運用」である、ということだと思います。
  
 あなたの会社には「誰も見向きにしない御触書」のような人事制度が生まれていませんか? 
  
 あなたの会社では、人事制度は現場できちんと「運用」されていますか?
  
 あなたの会社の人事制度は、現場のひとびとに受け入れられ、行動変容を導いていますか?
  
 そして人生はつづく
      
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