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2022.6.7 07:52/ Jun

「話が長い、しゃべりすぎのリーダー」に共通しちゃう、たったひとつのこと!?

 この世の中には「話が長くなるリーダー」「しゃべりすぎのリーダー」が、残念ながら、おられます。
   
 立場上、リーダーや管理職の方とお会いすることが多いので、そのようなことを、折に触れて思います。
 せんだっても、あるイベントで「しゃべりすぎのリーダー」の「クソ長い、冒頭のご挨拶」を聞きながら、なぜ「ひとは話が長くなるのか」について思いをはせてみました。
       
 彼 / 彼女がしゃべっている様子を聞きながら、「脳内文字起こし」をしてみたのです。そうすると、ただちに、僕は、ひとつのことに気がつきました。
        
 それは
   
 話の長いリーダーの言葉は、すべて「、」(点)でつながっていて、「。」(丸)がない
   
 ということです。
    
 つまり、「。」(丸)をつかって、いったん、文章を「おしまい」にさせたり、相手に会話のボールを渡すことなく、「、」(点)を多用しつづけることで、自分の話をつなげている、ということです。
   
 別の言葉でいえば、
  
 話の長いリーダーは「単文」ではなく「複文」や「重文」を好む
   
 ということですね。
   
 ここで単文とは「主語と述語の組み合わせがひとつに絞られている文章」です。
 一方、複文や重文とは「主語と述語の組み合わせが複数あるような文章」のことをいいます(厳密にいえば、この2つは異なりますが、このブログは、日本語の教室ではないので、あえて区別しません)。あたりまえですが、単文よりも、複文や重文の方が、文章が「、」でつながるため、複雑になります。
     
 ここでひとつの思考実験をしてみましょう。
 たとえば、冒頭の文章、これを一切「。」(丸)を用いず、すべて「、」で無理矢理つないでみると、どのように印象が変わるでしょうか。会話っぽくするので「ええと」「ていうか」などもちょっといれてみましょう。
   
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 この世の中には「話が長くなるリーダー」「しゃべりすぎのリーダー」が、残念ながら、おられてですね、立場上、リーダーや管理職の方とお会いすることが多いので、ええと、ええと、そのようなことを、折に触れて思うんですが、ていうか、せんだっても、ええと、あるイベントで「しゃべりすぎのリーダー」の「クソ長い、冒頭のご挨拶」を聞きながら、なぜ「ひとは話が長くなるのか」について考えてみたらですね、ええと、彼 / 彼女がしゃべっている様子を聞きながら、子細に、ええと、「脳内文字起こし」をしてみると、ただちに、ひとつのことに気がつき・・・
   
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 わかりにくい(笑)。
 息つぎ、してない(笑)むしろ酸欠気味。
 ちょっと、何、言ってんだか、わかんない(笑)。
  
 あと、こういう風にしゃべられると、他者がカットインすることができない。
 だから、話がクソ長くなる。
   
 以上。
    
  ▼
    
 今日は、ひとの話が長くなる理由について考えてみました。
 話が長くなる理由には、他にも、いろいろなものがあります。
    
ひとは、年をとると、なぜ「話」が長くなるのか?:「小話モリモリ」と「権力への甘え」で「御大」が生まれるメカニズム!?
https://www.nakahara-lab.net/blog/archive/10763
    
 が、今日、お話ししたものは、もっとも基本的なものかと思います。
 そして、その対策もシンプル。
  
「あのひと、話長いよね」と思われたくなかったら
「、」(点)でつながず、「○」(丸)で終わらせればいい
自分で会話のボールを持ちつづけるのではなく、相手にボールを渡せばいい   
 
のです。
  
 お互い気をつけたいものですね。
 自戒をこめて・・・。
 そして人生はつづく
      
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