2022.5.20 08:10/ Jun
対面授業では、ボタン一つで「話し合い」がはじまることはない!?
・
・
・
コロナ感染者の減少により、大学は「対面授業」が復活し、キャンパスには多くの学生が行き交っています。感覚的には、それでも、コロナ前の7割。
もちろん、オンラインで行われている授業もありますし、授業のなかで外部の方にオンラインでゲスト登壇いただくことなども、あります。オンラインは、自然に、大学の授業のなかに組み込まれてきている印象を持ちます。少なくとも、わたしの周囲では(大学院はフルオンラインです・・・社会人学生は対面には戻りたくないと思っています)。
▼
ところで、4月新学期の学部授業などでは、急激に「オンライン」から「対面」に移行したために、いくつか運営上の困難もありました。
個人的に興味深かったのは、
オンライン授業(Zoom)であれば「ボタンひとつを押す」だけでできてしまうことが、対面授業になると、そこに多くの「工数」がかかってしまうこと
です。
そこをすっかり忘れて、授業運営がうまくいかないケースがありました。学生たちも、当初、そのことに戸惑っていました。といいますのは、数年間、対面授業を行う経験がなかったので、そのノウハウ、運営スキルが失われているのです(かつては先輩から、うなぎのタレのように伝えられてきました)。
学生たちの具体的な戸惑いは下記の通りです。
1.対面授業でグループワークなどをする場合は、ボタン一つで「ブレークアウトルーム」はできない。授業前に、机と椅子を動かし、グループをつくらなくてはならない。
2.対面授業で対話をするときは「強制マイクミュート」はできない。対面では、全員の注意・関心を集め、黙らせることには時間がかかる。ひとがはなしはじめたら傾聴する、黙るなどのグラウンドルールを徹底しなければならない
3.対面授業でグループワークするときには、Zoomのように、真正面のカメラを向いてみなが整列することはない。興味関心は、様々なところに拡散しているので、注意を引かなくてはならない
4.対面授業では黒板やホワイトボードを使うには、ボタン一つでホワイトボードはでてこない。マーカーやチョークを借りに行かなければならない(わたしの大学の場合には・・・)
5.対面授業では、Zoomと異なり、ボタン一つで、集団を「退出させること」はできない。椅子と机を元通りにする必要がある。よって、片付けのために最低5分は早く終わる必要がある
・
・
・
コロナ前の学生たちが、これを読むと、何をアタリマエのことを言っているのだ、と思うかもしれません。
しかし、ここ数年間、わたしたちは、オンライン授業で
「パソコンの画面」が「大学」
でした。
そのような時期を過ごした学生にあっては、これまでの対面授業をこなしていたノウハウ!?、スキル!?は継承されていません。よって、このような些細なことを、ひとつひとつ学んでいくのです。
考えてみれば、対面授業というのは、物理的な移動を省略したり、強制力がきかせることができないので、場を仕切るという意味では、非常に効率が悪いのです。
逆に言うと、オンライン授業というのは、いかに授業側に場を仕切る「強制力」「権力」が付与されていたか、がわかります。
幸い、5月ゴールデンウィークを終える頃には、授業運営もかなり落ち着いてきました。
ひとつひとつ学生たちは、対面のキャンパスに「いること」を学び始めているようにも思います。
▼
今日は、対面授業がなされる、昨今の大学の様子を書きました。
ひとつひとつ手探りです。
しかし、それも、また学びです。
授業運営は大変です。
が、明るく楽しく、学んでいます。
そして人生はつづく
ーーー
【アンコンシャスバイアス研修・内製化ツールキット開発!】武蔵野大学・島田徳子先生、ダイヤモンド社の皆さん(広瀬一輝さん、永田正樹さん)との数年にわたる共同研究と、NPO法人日本ブラインドサッカー協会との連携で、スマホで手軽に受検できる「アンコンシャスバイアス測定テスト」と、内製化研修(プレゼンキット)を開発しました!。この問題は、学術的な背景などは、わたしどもが、テスト結果に基づき動画像(ビデオ)で解説させていただきます。ご利用くださいませ! ご自身の組織にもっともフィットしたアンコンシャスバイアス研修をつくることができます。どうぞご利用くださいませ!
■アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)のWebページはこちら!■
https://jinzai.diamond.ne.jp/ub/unconscious-bias/
ーーー
新刊「チームワーキング」がオンライン管理職研修になりました。JMAMさんからのリリースです(共同開発をさせていただいた同社の堀尾さん、ありがとうございました。中原は共著者の田中聡さんと監修をつとめさせていただきました)。どうぞご笑覧ください!
リリースしました!「チームワーキング研修版」
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/
書籍「チームワーキング」おかげさまで「重版」を重ねております。応援いただいた皆様に心より感謝いたします。
https://amzn.to/3esCOrW
すべてのリーダー、管理職にチームを動かすスキルを!
ニッポンのチームをアップデートせよ!
ーーー
職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS(オーディ・アトラス)」が多くの職場で使われはじめています。サーベイはもとより、それをいかに「フィードバック」するかに焦点をあてたツールです。ワークショップも開発しております。どうぞご笑覧くださいませ!
職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS」 (パーソル総合研究所・中原の共同開発)
https://rc.persol-group.co.jp/consulting/survey/service/od-atlas.html
ーーー
【好評発売中】1on1のコツをまとめた映像教材を、中原とPHPさんで共同開発しました。上司用、部下用あります。1on1について「同じイメージ」をもつことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス(上司用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
経験を成長につなげる1on1(部下用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
ーーー
【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます!
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q
ーーー
新刊「フィードバック入門:耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術」絶賛発売中、13刷重版出来です!。AMAZON総合13位、1位(マネジメント・人材管理カテゴリー、リーダーシップカテゴリー)を記録!年上の部下、若手のトンガリボーイ、トンガリガール。職場には、多様な人々が集っています。難易度の高い部下育成に悩む管理職向けの新書です。どうぞご笑覧くださいませ。スピンアウト企画にDVD教材「フィードバック入門」、研修、通信教育もあります。こちらもどうぞご笑覧ください。
『フィードバック入門』スピンアウト企画
https://www.php.co.jp/seminar/feedback/
ーーー
【泣くな!新米管理職!】
おかげさまで10刷重版出来。「駆け出しマネジャーの成長論」は、「実務担当者」から「新任管理職」への役割移行をいかに進めるかを論じた本です。「脱線」をふせぎ、成果をだすためには「7つの課題」への挑戦が必要であることを解説しています!全国の管理職研修で用いられています。どうぞご笑覧くださいませ!
パーソル総合研究所と中原は、このテキストをもとにした「マネジャーになる研修」を開発しました。種部吉泰さんとディスカッションは、非常に楽しいものでした。このコースについても、どうぞご覧くださいませ!
「マネジャーになる」 研修:プレイヤーからマネジャーへの移行期支援プログラム
https://rc.persol-group.co.jp/seminar/become-a-manager.html
ーーー
【注目!:中原研究室記事のブログを好評配信中です!】
中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約37000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
中原淳研究室 Twitter(@nakaharajun)
https://twitter.com/nakaharajun
最新の記事
2024.12.25 10:57/ Jun
2024.12.8 12:46/ Jun
2024.12.2 08:54/ Jun
2024.11.29 08:36/ Jun