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2022.2.14 07:49/ Jun

連休明け月曜日、あなたのチームに「リフレクション」は必要ですか? これから何を目指しますか?

 連休明け月曜日、あなたのチームに「リフレクション」は必要ですか? これから何を目指しますか?
   
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 個人のみならず、チームで行うリフレクションは、パワフルです。
 チームで行うリフレクションは、チームのパフォーマンスや、チームが生み出す新たなアイデアの創出に、よい影響を与えることはよく知られています。
   
 動いて、動いて、動いて、動くチームは、確かに「動いている」のですが「正しい方向」に動いているか、どうかはわかりません。
    
「街の中心」をめざして動いていたはずなのに、動いて、動いて、動いた結果、「街の郊外のファミレスでドリンクバーを飲んでいた」、みたいな話は、日本中、3万6千チームくらいありえそうです。
     
 チームはおりにふれて、チームレベルでリフレクション(ここまで、何を行い、これから何かをするかに関する振り返り)を行うことが必要なのです。
   
 しかし、ここに問題があります。
   
 チームでリフレクションするといっても、誰が、それを「口にする」のでしょうか? 誰がそれを促すのでしょう。

 誰も口にしないのにもかかわらず、皆が、ワイワイ、ワッショイ、ワッショイ(?)と意識高くリフレクションしてくれれば、それにこしたことはないのですが、実際のシャバの世界では、そうはいきません。
   
 リフレクションは「天からふってこない」のです。
  
 まぁ、チームであるならば、リーダーや管理職が、それを口にして、促していく必要があるでしょう。Buljac-Samardzic and Woerkom(2015)らの論文は(Journal of Managerial Psychology, Vol. 30 No. 3, pp. 280-296.)、この問題を扱った論文でした。
   
 彼らは、チームのリーダーや管理職が、チームを対象にして行うコーチングの効果を明らかにしています。チームコーチングが、どの程度、チームリフレクションの効果を高めるのかを調べているのです。
  
 彼らの分析によると、チームコーチングは、チームリフレクションのチームパフォーマンスに与えてしまう効果を、びよーんと高める効果をもっていることがわかりました。
(ちょいとややこしいですな・・・わかりやすくしています。詳細に読みたい方は、論文をどうぞ)
   
 ここでややこしいのは、こういう影響が発揮されるのは、「もともとチームリフレクションが不十分であるチーム」に対して、有効だと言うことです。
  
 一方、もともとチームリフレクションが高いチームに関しては、リーダーや管理職の行うコーチングは過剰になってしまい、チームのパフォーマンスを失わせてしまうということも起こるとのことです。
  
 チームに働きかけたければ、
 チームを観察せよ
    
 ということでしょうね。
    
 ま、そりゃ、そうだ。
    
  ▼
  
 連休明けの月曜日です。
 今週は、みなさん、何をめざしますか?
  
 あなたのチームに「リフレクション」は必要ですか?

 そして人生はつづく
        
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