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2021.11.24 08:05/ Jun

マネジメントとは「ABCD」!? : あたりまえのことを「やり切る」覚悟!?

 せんだって、ある企業の管理職研修で、志ある管理職の方がおっしゃっていたひと言が非常に印象的でした。
   
「マネジメントとは何か?」ということにまつわる話題で、その方が持論を述べてくださったのです。
  
 曰く、
  
「わたしは先輩から、マネジメントとは「近道」はなく「ABCD」だと言われつづけていた。自分も管理職になり、そのことを強く実感している。
  
 ABCDとは、
  
 A:あたりまえのことを
 B:ばかにせず
 C:ちゃんとやる
 D:できるまで
  
 だ。
  
 マネジメントには「近道」はない。あたりまえのことを、あたりまえにやるだけだ
  
  ・
  ・
  ・
  
 録音をしていたわけではないので、一字一句同じとは言えませんが、だいたい、このような主旨であったと思います。素晴らしい見識だと思います。
  
  ▼
  
 思うに、たとえば
  
 ・何をめざすか、目標を部下に提示しよう
 ・部下とはコミュニケーションをとろう
 ・部下の振り返りを促そう
   
 といったマネジメントの「要諦」は、考えてみれば「あたりまえ」のことです。ここだけ見れば、さして、小難しいことをいっているわけではない。
    
 目標がなければ、目指すものがないので、部下は動揺します。コミュニケーションがなければ動けませんし、振り返りがなければ、成長は望めません。よくよく考えてみれば「あたりまえ」のことなのです。誰もが、そんなことはわかっている。
   
 しかし、この「あたりまえ」のことを、ついつい「はしょ」り、コミュニケーションを「こなし」、ふりかえりを「はぶく」から、中長期にマネジメントが機能不全に陥るのです。
   
 マネジメントとはABCD
  
 A:あたりまえのことを
 B:ばかにせず
 C:ちゃんとやる
 D:できるまで
  
 みなさんは、いかが思われますか?
  
  ▼
  
 今日は、ある管理職の方の持論から、マネジメントとは何か?ということについて考えてみました。
   
 あなたの近くの管理職は「ABCD」してますか?
  
 よもや・・・まさか・・・
  
 A:あたりまえのことを
 B:ばかにして
 C:ちゃんとやらず
 D:デスマーチ(死の行軍)
  
 といった「負のABCD」に陥っていませんか?
  
 そして人生はつづく
        
  ーーー
      
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