2021.8.27 08:13/ Jun
どっちが51かを判断するのが、リーダーとしてのおまえの仕事だ!
・
・
・
希代のクリエィティブディレクター・小沢正光さん(博報堂)の名言を集めた書籍「おざわせんせい」を読みました。書店をいつものようにブラブラしていて、なんとなく、手に取った(笑)。
おざわせんせいとは、わたしは直接お会いしたことはないので、詳細はよく知りません。が、存命のころの彼は「博報堂の生きる伝説」と言われ、社内で親しまれていた方なのだそうです。
数々の名CMを担当し、数多くのディレクターを育て、彼/彼女に至言・名言、ときには、暴言!?を残しました(今の感覚からすると、文脈を切り取られるとスレスレに感じさせる!?ものもありますが、おそらくは、愛あるスパイシーな名言!?だったのでしょう)。
数ある小沢さんの名言のなかで、僕が、ぐっときたのは、
どっちが51かを判断するのが、リーダーとしてのおまえの仕事だ
です。
やはり、仕事柄、人・組織にまつわる名言には、どうしても、引きつけられるものがあります。
この名言の含意は、おそらく
リーダーや管理職のところまで上がってくるのは、「白黒はっきりつくような課題=0か100かの課題」ではない!
むしろ、リーダーや管理職が、日々、向き合わなければならないのは「白黒はっきりつかない課題=こっちも50で、あっちも50に見えてしまう課題」である
ということでしょう。
そして
リーダーや管理職は、それにもかかわらず、自ら意志決定しなくてはならない。彼が決めなければ、チームや職場は前に進めないからです。
結局、
リーダーとは、白黒つかないグレーな課題、すなわち「こっちも50で、あっちも50に見えてしまう課題」を前にして、どちらかに「1」を加えて「51」にして、他方には「1」を減じて「49」と判断し、意志決定を行わなければならない存在である
といいえるのかなと思います。
・
・
・
かつて、臨床心理学者の河合隼雄さんは、著書「心のなかの処方箋」で、
心の中の勝負は、51:49だ
であるという名言を残しています。
要するに、どちらを見ても甲乙つけがたい。「50 vs 50(フィフティ・フィフティ)」の白黒つかない状態が、心に生まれたとき、ひとは思い悩む。
おそらく、おざわせんせいが、おっしゃりたかったことは、河合さんがおっしゃっていることに近いのだと思います。
▼
なお、おざわせんせいには、さまざまな名言が寄せられています。
すこし前まで、各社には、こういう「強者(つわもの)」がいらっしゃったのかもしれません。
・
・
・
世界中、さがしたのか?
会社が悪い?
おまえも会社の一部だろう?
基本的には、いらない
具体的に言え!
誰よりも考えていれば、
そうは、負けない!
根っこから考えろ、根っこ!!
・
・
・
背筋が「しゃん」と伸びました。
そして人生はつづく
ーーー
新刊「チームワーキング」おかげさまで「重版」を重ねております。応援いただいた皆様に心より感謝いたします。さらに、新刊「チームワーキング」がオンライン管理職研修になりました。JMAMさんからのリリースです(共同開発をさせていただいた同社の堀尾さん、ありがとうございました。中原は共著者の田中聡さんと監修をつとめさせていただきました)。どうぞご笑覧ください!
https://amzn.to/3esCOrW
新リリースしました! 「チームワーキング研修版」
https://www.jmam.co.jp/hrm/course/training/twk.html
すべてのリーダー、管理職にチームを動かすスキルを!
ニッポンのチームをアップデートせよ!
ーーー
【立教大学大学院で大学院生として学びませんか?】
立教大学大学院 経営学研究科 リーダーシップ開発コースでは、経営学を基盤にしながら、人材開発・組織開発・リーダーシップ開発を実践できるアカデミックプラクティショナーを養成しています。別名、「ひとづくり・組織づくりの大学院」です。
授業は「フルオンライン」。授業は金曜日夜と土曜日だけ行われており、2年間で、修士(経営学)が取得できます。
リーダーシップ開発コースの入試説明会を2021年9月18日(土曜)午前中に開催させていただきます。来年2月の入試・コースのご説明をさせていただきます!3期生の募集になります!ご興味がおありの方は、ぜひ、お申し込みくださいませ!
【お申し込みはこちら!】2021年9月 リーダーシップ開発コース説明会開催・申込み方法について
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/2021/20210730/
なお、在学生などの声、リーダーシップ開発コースでの授業の様子について知りたい方は、ぜひ、下記のニュース欄をお読みくださいませ!
ひとづくり・組織づくりの大学院での「学び」とは?
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/
ーーー
新刊「働くみんなの必修講義 転職学」好評発売中です!どうかご高覧くださいませ! ひとが会社を辞めなくなるのはなぜか(それを防止するためにはどうすればいいのか)?、どのような転職活動を行えば、納得のいく転職が可能になるのか、そして、どのように新たな組織に自ら適応するのか。転職にまつわる、これらの「問い」に対して、1万2000人の大調査を通して答えをだしました。パーソル総合研究所、パーソルキャリア、中原の共同研究成果です。ご高覧くださいませ!
ーーー
拙著「経営学習論」の増補改訂版が、東京大学出版会より刊行されました。新たに「リーダーシップ開発」の章を追加し、カバーの装いも変わっています。人材開発の基礎的な理論を体系的に学べる一冊です。どうぞご高覧くださいませ!
ーーー
【好評発売中】1on1の失敗・成功ケースをまとめ、映像教材を中原とPHP研究所さんとで開発しました。失敗しない1on1について、具体的なイメージをもって学ぶことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
ーーー
【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます!
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q
ーーー
「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
ーーー
拙著「職場学習論」(東京大学出版会)のカバー・装いが10年ぶりに変わりました(内容は変わっていませんのであしからず!)。ひとは、職場でどのようにして学ぶのか、というテーマを考察しています。どうぞご高欄くださいませ!
ーーー
新刊「中小企業の人材開発」(中原淳・保田江美著、東京大学出版会、2021年)マニアックなガチ・学術研究書なのですが、発売10日で重版出来となりました。ありがとうございます。中小企業の人材開発メカニズムに接近を試みています。どうかご笑覧くださいませ!
ーーー
中原研究室では、一般社団法人ピアトラストさんとの共同研究で、相互称賛アプリ『Peer-Trust(ピア・トラスト)』の研究を行っています。
相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が導入された職場では、職場のメンバー同士が、お互いの日々の仕事を観察し、そこにキラリと光るものがあったときに「称賛カード」というものをメッセージとともに送りあいます。1カ月間は無料トライアルだそうです。ご興味があえば、ぜひ、ご利用くださいませ。
強みの自己認知と意欲を高める『ポジティブ1on1』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000059483.html
仲間から実際に認められた行動のデータから、自身の強みと職場での関係を定期的に把握できるレポーティング機能も追加されました。職場における相互称賛を、自分の強みの発見と目標設定に役立てられます。
自身の強みと職場での関係を定期的に把握できるレポーティング機能も追加!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000059483.html
あなたの会社のリーダー・管理職は「部下の強み」を観察できますか?:相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が示唆する「リーダーの条件」とは?
https://www.nakahara-lab.net/blog/archive/12062
ピアトラストお問い合わせ
https://www.peer-trust.com/contact/
ピアトラストの効果まとめページ
https://www.peer-trust.com/research/2020/
ーーー
【注目!:中原研究室記事のブログを好評配信中です!】
中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約34000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
中原淳研究室 Twitter(@nakaharajun)
https://twitter.com/nakaharajun
最新の記事
2024.12.8 12:46/ Jun
2024.12.2 08:54/ Jun
2024.11.29 08:36/ Jun
2024.11.26 10:22/ Jun