2021.4.19 08:12/ Jun
「よき学び」は、組織に「感染」する
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春学期がはじまり、毎週毎週、自転車操業のように授業づくりに終われています。
学部に加え、大学院のゼミも本格化しはじめており、毎週、研究発表が行われています。
先週は、研究室OB(中原ゼミは、中原と現在共同研究しているOBの方々のゼミ参加も、希望に応じて、認めています)の斉藤光弘さんが、ゼミで、組織開発の論文誌「The Journal of Applied Behavioral Science」の論文を要約発表してくれました(感謝!)。
今回読んだ論文は、Kim, Rousseau, and Tomprou(2019)の論文で、組織変革に必要な知識の伝播にかかわるものです。組織開発・組織変革にまつわる論文でありながら、研修で扱われている、という点が興味深いものです。
(僕は、いつも、よき組織開発は人材開発とともにある、と申し上げています。また、組織開発と人材開発を分けることには意味がない、と主張しております。そのことがおわかりいただけるかと思います)
この論文の要旨は、ざっくりいうと下記のとおりです。
1.組織変革では、組織変革後に求められる知識・スキルを、メンバーに伝えることが必要になる
しかし
2.メンバー全員に知識・スキルを伝えるのは容易ではない。たいていの場合は、研修のスタイルをとる。
3.研修のスタイルを用いた知識伝播の場合、研修に参加しているひとはよいが、研修に参加していないひとが課題になる
4.研修に参加しているひとが、研修が終わったあとに、研修に参加していないひとの知識を伝え、アドバイスを行うことが求められる
5.その際には、研修参加者の積極性(Proactivity)が高いほど、研修に参加していなかったメンバーに対する助言・指導機能が増す。積極性を高めることで、組織変革は進展する
6.よって研修の内部の働きかけで、研修参加者の積極性を高める工夫が必要になる。また、そもそもにおいて、研修参加者の選抜には「積極性」を軸にして行うことが求められる
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専門家から便所スリッパで後頭部をパコーンされるリスクをかえりみず、思い切りはしょって端的に言ってしまえば、
「よき学び」は組織に「感染する」
という感じでしょうか(笑)。
ここで課題になるのは、その「感染」を高めるために、いかなる工夫ができるか、ということなのでしょう。
研修のデリバーという意味でも、研修参加者の選抜基準という意味でも、様々な工夫ができそうです。
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今日は大学院のゼミで議論した内容をとりあげながら、研修内容の「組織内・感染力」を高めることについて問題提起させていただきました。
研修参加者が「現場」にかえって、自ら実践するのは「研修転移」。さらに、その内容を自らエバンジェリストとして組織内の他のメンバーに伝えてもらうことができたら、最高ですね。
感染力、重要ですね。
感染といっても、、、変異株は、困るんですけれども。。。(泣)
そして人生はつづく
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相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が導入された職場では、職場のメンバー同士が、お互いの日々の仕事を観察し、そこにキラリと光るものがあったときに「称賛カード」というものをメッセージとともに送りあいます。利用人数20名までは「無料」だそうです。ご興味があえば、ぜひ、ご利用くださいませ。
強みの自己認知と意欲を高める『ポジティブ1on1』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000059483.html
あなたの会社のリーダー・管理職は「部下の強み」を観察できますか?:相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が示唆する「リーダーの条件」とは?
https://www.nakahara-lab.net/blog/archive/12062
ピアトラストお問い合わせ
https://www.peer-trust.com/contact/
ピアトラストの効果まとめページ
https://www.peer-trust.com/research/2020/
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中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約32000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
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