2021.2.22 08:15/ Jun
名著の予感です。
国重浩一著・日本キャリア開発研究センター編集協力「ナラティブセラピーワークショップBOOK1 : 基礎知識と背景概念を知る」を読んでいます。
この書籍は「講演録(記録)」ならぬ、いわゆるひとつの「ワークショップ録(記録)」です。著者が、ナラティブセラピーについての行ったワークショップを余すところなく文字におこし、それを紙上に展開している書籍です。
著者の国重さんは、ニュージーランド・ワイカト大学大学院でナラティブセラピーを学ばれたカウンセラー。本書を通じて読者は、彼の軽妙かつわかりやすい語りの中から、ナラティブセラピーの眼目を学ぶことができます。
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ナラティブセラピーといいますと、なんといっても、そのベースにあるのは「ナラティブ論」です。ナラティブ論ということは、「ポストモダン思想・哲学の専門用語」が、これでもか、これでもか、とパンパカパーンと出てきますね。
既存の文献のなかには、このポストモダンの専門用語たちが、映画アラジンのパレードのように、パンパカパーンと出てきて、読者も? おそらく著者も? 煙にまかれて、「出口がない迷路」のようになっているものもあったような、なかったような気もいたします。
読んでいて、著者が
哲学の知識を論じたいのか?
ナラティブ論を論じたいのか?
セラピーを論じたいのか?
よくわからなくなるんですね(笑)。
しかし、国重さんの本は、そのようなことはありません。国重さんは、「ナラティブセラピー」を語っています。そのうえで、外在化する会話法,ディスコース,脱構築といった専門用語を、誰にでも、わかりやすいかたちで、しかしながら、もともとの意味を崩すこと無く紹介なさっています。
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実は、僕は、かつて、国重さんのワークショップに(お忍び?で)参加させていただいたことがあります。本書を読んでいると、そのときのことが・・・そのときの国重さんの軽妙な語り口が、思い起こされてきました。とても懐かしいことでした。
本当は、コロナさえなければ、僕は昨年、ワイカト大学大学院の関係者と国重さんがなさるニュージーランドでのワークショップにも参加させていただく予定でした。にっくきコロナです。嗚呼、悲劇。
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国重さんの書籍は、これまで「ナラティブセラピーの会話術」「ナラティブセラピーのダイアローグ」など、ほぼすべてを拝読させていただいております。
ご本人はどうおっしゃるかわかりませんが、国重さんの本は、どの書籍も「読者本位(読むひとの立場にたって)」で書かれている印象を持ちます。作品を通じて、極めて「教育的(学ぶ人の視点にたった語り方をなさるな)」な方だな、と思っておりました。
もしかすると、それは国重さんが、スクールカウンセラーをなさり、かつ、東日本大震災で現場で緊急派遣カウンセラーをなさっていた過去をお持ちのことと、無縁ではないかもしれません。以上、もちろん、邪推です。国重さんがなんとおっしゃるかはわかりませんが・・・。
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本書は、3回連続のワークショップの第一回目です。2回目、3回目のワークショップをおこした書籍も、非常に楽しみです。おすすめの一冊です。
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対話とフィードバックを促進するサーベイを用いたソリューション「OD-ATLAS」の詳細はこちら
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研修開発ラボ 特別講座「人材育成の原理・原則を学ぶ」
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あなたの会社のリーダー・管理職は「部下の強み」を観察できますか?:相互賞賛アプリ「ピアトラスト」が示唆する「リーダーの条件」とは?
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