2021.1.12 08:43/ Jun
2021年のオンライン研修・授業は「言い訳」がきかない!
・
・
・
ここ最近年末年始にかけて、授業・研修含めて、2021年のカリキュラム内容にまつわる打ち合わせが増えています。
まことに残念ながら、2021年にはいっても新型コロナウィルスの感染拡大はおさまることをしらず・・・。
感覚的には、現段階で企画しているほぼすべての研修が、オンライン研修の形式での展開を余儀なくされそうです。大学の授業の方は、少なくとも大学院はフルオンライン。学部の方は、対面を復活させながらのオンライン展開が予定されているようです。
一般に
オンライン授業として準備を進めていたものを、対面型に戻すのは、比較的「容易」です。
しかし対して、
対面授業の準備しかしていなかったものを、直前に、オンライン授業やハイフレックス授業(対面+オンライン)に転換していくのは、難度が高い
ものです。少なくとも、わたしの分野に関しては・・・。
感染拡大のめどがつかない現段階では、最初からオンライン授業・研修でやるもんだと思って準備をしていく方が、個人的には賢明に思えます。オンライン授業を対面に転換するのは、比較的容易なので・・・。
ちなみに、誤解を避けるために申し上げますが、わたしは、オンライン授業を特にやりたいわけではありません。学生の皆さんにお会いして、直接、教える方が好きです。
しかしながら、それより手段なき今は、好き嫌いの問題ではありません。
わたしたちは、もうすこしオンラインとつきあっていく必要がありそうです。
▼
ところで、オンライン授業に関して、最近、思っていることがあります。それは冒頭の内容、すなわち
2021年のオンライン研修・授業は「言い訳」がきかない!
です。
2020年の緊急事態宣言の折は、なし崩し的に、しかも、超絶突貫工事で、手探り手探りでオンライン授業・研修が実践されました。「学びはとめない」を合言葉に、多くの先生方や講師の方々が尽力したのです。
皆が、ほぼはじめてで、よーいドンでスタートラインを切りました。
ですので、なかには、クオリティが追いついていないものもあったのではないかと推察します。
よくお世話になっているT先生の弁を借りれば、
2020年のオンライン授業・研修とは、「まだユニフォームを着ていないあいだに、コロナとの試合がはじまってしまった」ようなもの
なのです。
なかには、圧倒的に準備が不足していたところもあるように思いますし、手探りでした。
しかし、ひるがえって、2021年のオンライン授業・研修はどうでしょうか?
私たちには、1年間の経験学習期間がありました。
また、緊急事態宣言も一度経験しています。つまり、今回は、相当な準備期間があったように思うのです。
そういう意味では、
2021年のオンライン授業・研修は、クオリティが低いことの「言い訳」はきかない
と思います。
クオリティが低いということは、1年間、学ばなかったということであり、また準備をしてこなかった
ということを意味します。
「わたしは、オンライン授業は慣れておらず、すみません、下手くそで」
という言い訳は、2020年は看過されても、2021年は許されなくなりつつあります。
「1年間、何してたんですか?」
という激しいツッコミが、学習者・ステークホルダーから浴びせられるでしょう。
わたしは、このことを、自戒を込めて申し上げております。と申しますのは、立場上、さまざまなカリキュラムを企画する立場にいますが、その立場からすると、
2020年よりも2021年の方が「緊張感」が圧倒的に高い
のです。
なぜか?
それは、2020年は、突然の出来事だったので、何かトラブルがあっても、みなさんが「大目にみてくれた」(もちろん最善は尽くした上でのことですが)。
また、多くの方々にとってオンライン授業・研修は、はじめての経験だったので「見る目」が、それほど肥えていなかった。
しかし、2021年は異なります。
2021年は、すでに1年間の猶予期間(学習時間)がありました。
また、2020年よりも2021年の方が、カリキュラムのクオリティに対するみなさんの「見る目」も、圧倒的に「肥えてきている=鑑識眼が高まっている」ことをひしひしと感じます。
だから
2021年のオンライン研修・授業は「言い訳」がきかない!
ということになりますね。
自戒をこめて申しますが、2020年に油断することなく、2021年のカリキュラムは、さらなる「高み」をめざしたいものです>自爆
▼
今日はオンライン授業・研修のことについて書きました。
以前にも申し上げたかもしれませんが、2020年という年は、いわゆる「オンライン授業・研修元年」です。2020年は、わたしが過去20年見てきた人材開発業界のどの年よりも、変化が大きかったと思います。
別の言葉で申し上げるならば、
人材開発業界にとって、2020年は、過去20年分の変化が1年でおとずれた年だった
のかもしれません。
ひるがえって2021年。
教育・学習のデジタルトランスフォーメーションは、おそらくさらに続きます。大切なのは「デジタル化」するだけでなく、教育や学習の「クオリティ」を「トランスフォーメーションしつづけること(改善・革新)」だと思います。
大丈夫!
2020年やったことを「繰り返そう」と思わず
2021年も新たな工夫をしようと思いさえすればいいんだから
オンライン授業・研修を「こなすな」!
学びを「こなすな」!
そして人生はつづく
ーーー
【新刊予約発売中】
新刊「学校がとまった日」の特設サイト完成!&予約販売開始中! 緊急事態宣言・全国一斉休校で「学びを継続できた子どもの特徴」は?学びをとめないために学校にできることは?:書籍の内容が概観できます!どうぞご覧くださいませ!
新刊「学校がとまった日」の特設サイト
http://toyokan-publishing.jp/stop/index.html
新刊「学校がとまった日」予約販売開始中(AMAZON)
ーーー
【好評発売中】1on1の失敗・成功ケースをまとめ、映像教材を中原とPHP研究所さんとで開発しました。失敗しない1on1について、具体的なイメージをもって学ぶことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
ーーー
【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます!
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q
ーーー
ラーニングエージェンシーさんと中原研究室の共同研究により開発した「女性の視点で見直す人材育成:トランジションサポートプログラム」のご提供がはじまっています。ライフステージに応じて、役割移行を支援する、きめ細かい研修となっています。共同研究の成果は書籍「女性の視点で見直す人材育成」としても刊行されています。
女性の視点で見直す研修 トランジション サポート プログラム
https://www.learningagency.co.jp/service/transition/
ーーー
。AMAZONの各カテゴリーで1位記録!(会社経営、マネジメント・人材管理・労働問題)。
長時間労働はなぜ起こるのか? 長時間労働をいかに抑制すればいいのか? 大規模調査から、長時間労働の実態や抑制策を明らかにします。大学・大学院の講義調で語りかけられるように書いてありますので、わかりやすいと思います。どうぞご笑覧くださいませ!
また残業学プロジェクトのスピンアウトツールである「OD-ATRAS」についても、ご紹介しています。職場の見える化をすすめ、現場マネジャーが職場で対話を生み出すためのTipsやツールが満載です。ご笑覧ください。
対話とフィードバックを促進するサーベイを用いたソリューション「OD-ATLAS」の詳細はこちら
https://rc.persol-group.co.jp/learning/od-atlas/
ーーー
「研修開発ラボ」(ダイヤモンド社)が、フルオンライン化して大幅リニューアルしました。人材開発の「基礎の原理」を学ぶことのできるトレーニングプログラムです。どうぞお越しくださいませ!
研修開発ラボ 特別講座「人材育成の原理・原則を学ぶ」
https://jinzai.diamond.ne.jp/seminar/SEMINAR0495/
ーーー
「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
ーーー
【注目!:中原研究室記事のブログを好評配信中です!】
中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約31000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
中原淳研究室 Twitter(@nakaharajun)
https://twitter.com/nakaharajun
最新の記事
2024.11.26 10:22/ Jun
2024.11.25 08:40/ Jun
あなたの組織は「社員の主体性を喪失させる仕組み」が満載になっていませんか?:うちの社員には「主体性」がないと嘆く前にチェックしておきたいこと!?
2024.11.22 08:33/ Jun
2024.11.9 09:03/ Jun
なぜ監督は選手に「暴力」をふるうのか?やめられない、止まらない10の理由!?:なぜスポーツの現場から「暴力」がなくならないのか!?