2020.11.18 08:51/ Jun
ミレニアル世代を「白けさせる」3つの「呪いの言葉」とは何か?
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大学院ゼミでは、今年、バーチャルチーム研究のレビュー論文からひもとき、さまざまな文献を大学院生の皆さんと読み解いています。
ここでバーチャルチームとは、「時空間をへだてて、インターネットなどをもちいながら、組織化されている職場」のこと。
そうしたネット空間において、チームはいかに動くのか。そこにリーダーシップはいかに駆動するのか。その成果は、メンバー構成によっていかに変わるのかを探究している分野が、バーチャルチーム研究です。
せんだっては、中原研博士課程の辻和洋さんが、「ミレニアル世代 × バーチャルチーム」にまつわる研究をレビューしてくれました(Hershatter and Epstein 2017)。
文献におけるミレニアル世代とは「1981年以降にうまれ、2000年以降に成人を迎えた世代」のことをさし、いわゆる「デジタルネィティブ」とよばれる世代のことをいいます(米国と日本は少しずれているような気がします)。
まことにお疲れ様でした。
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興味深かったのは、ミレニアル世代の諸特徴です。
この世代は、
1)インターネットが当たり前になった世代であり
2)以前の世代とくらべて読書量がはるかに少ないことが知られており、
3)しかし、一方で経済的に恵まれた社会階層に関しては、ブログなどのオンラインコンテンツ作成経験をもっている世代
だといいます。
はじめて、子どもであっても「自ら発信できる世代」となった、というところが、かつての世代とは大きく異なっています。
そして、一方、
4)幼少期に「金の星」や「光るメダル」をもらって過ごした「トロフィーキッズ」のように、ミレニアル世代は、「承認」と「肯定」を求めるように早い時期から教育されており、だからこそ、上位者からのフィードバックを必要とする
5)仕事のやり方にかんしては、ワークライフバランスなどにとくに関心が高い世代
なのだといいます。
まことに興味深いと思います。
そうだよなぁ・・・と思います。
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特に僕が個人的に気になったのは、やはり4)のフィードバックについてです。
これは僕もハダカンで感じていることであり、若年層になればなるほど、仕事・学業を進めていく上でフィードバックを求める傾向があるように思います。ということは、教員、管理職、リーダーになり、彼らを迎える方は、それに答えることが求められます。
彼らは「言葉」を求めています
彼らは、まえもって、「意味」を確かめたいと思っています
彼らは「今、ここ」が重要なのです。
これに対して、シャバを見つめてみれば、この世には、ミレニアル世代を「白けさせる黒魔法」のような呪いの言葉というものがあります。それは、下記の3つです。
■呪いの言葉1
「背中を見て、勝手に育て!
仕事は盗むもんだ」
■呪いの言葉2
「今は意味がわからなくても、ただやれ!
全体像や意味は、あとで見えてくる」
■呪いの言葉3
「今はとにかく我慢しろ
あとで、必ず報われる」
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これに対して、ミレニアル世代は、おそらく
「背中を見せる」んじゃなくて「言葉にしてほしい」
「仕事の全体像・やる意味を、前もって教えて欲しい」
「我慢しても、どうせあとで報われない。だから今、ここが大事」
ということになるのだと思います。
皆様のお近くには、ミレニアル世代に呪いの言葉を叩きつける「黒魔法上司」がいらっしゃいませんか?
呪いの言葉をこんだけ叩きつけといてね・・・・
「最近の若手は、育たねーな」
とか言われてもね。
ま、そうだろね。
アンタのかけた呪いの言葉で
もうすでに「ど白け」しちゃってるからね(笑)。
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今日はミレニアル世代の諸特徴について考えてみました。
もちろん、この手の世代論のなかには安易なものもあり、20年近くものあいだに生まれたひとびとを十把一絡げに括り出すことには、限界もあります。
また、ここで描かれている米国の状況と、日本の状況は、かなり違いがあるような気もするなぁ、というのが研究室での議論でもあがりました。
すぐに思うのは、少なくとも10年くらいは、日本の方が遅れている印象でした。ということは、米国でいうY世代(おもに1990年代ー2000年代に生まれた世代)が、日本でいうミレニアル世代に合致しているような気もします。
そのような限界もありつつも・・・それぞれの現場で、新人・若年層の育成を考えるときに「考えるきっかけ」を与えてくれるような内容であるようにも思います。
あなたはリーダ・管理者として、ミレニアル世代にフィードバックの機会を提供していますか?
あなたはリーダ・管理者として「3つの呪いの言葉」を若手に投げかけていませんか?
あなたの近くには「3つの呪いの言葉」をはき続ける一方で、「最近の若手はダメだ」と嘆いているリーダー・管理職はいませんか?
時代は変わります
だからこそ
ひとづくりのあり方も、時代とともに変わるのです
そして人生はつづく
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