2020.10.23 08:50/ Jun
リーダー・管理者にとって「人間を、どのような存在としてとらえるか」は極めて重要です。
「いやいや、いまさら、そんな回りくどいことを! なんか、もっと、彼らをパコーンと変えちゃう方法ないんですか?」
とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、あいにく、僕は「神隠し」の術はもっておりません。
リーダー・管理者がもつべき「人間観」のなかで、とりわけ、重要なのは、「人間の能力や資質」に関する持論です。
すなわち、
「個人の能力や資質を、サポート次第によっては伸びるもの」
と把握するのか、それとも、
「個人の能力や資質なんてものは、いくらサポートしても、変わらない(伸びない)」
と捉えるのかによって、その配下の部下に対するコーチング、サポートの量と質は大きく変わってくることが知られています。
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こうしたことを専門用語では「malleability(マレアビリティ:可塑性)」といったりします。
「Malleable(マレアブル:可塑性)」とは「鉄などを、いかにうち伸ばすことができるか」ということです。
これを敷衍し、超訳すれば、その名詞の「malleability」とは「変化の可能性≒のびしろ」といいかえることもできそうです。
人間の能力や資質は、サポート次第によって、「Malleable(マレアブル)」なものとしてとらえるのか?
それとも
人間の能力や資質なんてものは、生まれながらして、シャキーンと決まっていて、それ以上、不変だべ(非マレアブルな存在)
ととらえるのかによって、リーダーが提供するべき人材育成は変わるということですね(Heslin et al 2006)。
問題は・・・この「捉える」というものが、Implicit Person Theories (IPTs : 暗黙のうちに人に対してもっている、そのひとなりの持論)だということです。
つまり、これは「暗黙のもの」であって、なかなか表面に表出してこない。いやいや、そもそも、言表(言語化)すら難しいものなのかもしれません。
おそらくは、そのひとが、長年、人間と接して、出会い、そのなかで暗に獲得・形成してきた「持論」なのでしょう。
だから、将来、リーダー・管理者になるひとは、多様な人々に出会い、彼らと交歓するなかで、「人間存在が、どのようなものであるか」「人間の能力とはどのようなものか」・・・その多様性と可能性を感じておくことが重要になるのでしょう。
いくら頭がよくても、
いくら成果をあげられていても、
部下やメンバーを育てられず、
後ろをみても、
人がついてこないリーダー・管理者
というものは、もしかすると、その根底にある「人間観」が「ひん曲がって、よじれて、途中で枯れてる」のかもしれません。
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あなたの周囲のリーダー・管理者は、「人間をどのような存在」として見ていますか?
あなたにとって「人間とはどのような存在」ですか?
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たかが人間観、されど人間観
そして人生はつづく
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