2020.10.9 08:13/ Jun
季節はめぐり、秋学期。
中原ゼミの3年生は、「ミニ卒」というものにチャレンジし始めました。ミニ卒とは「3年生のときに書く、1万字レベルの、短いプチ卒論」のこと。
中原ゼミでは、3年生の秋学期に1万字レベルの「ミニ卒」を仕上げ、4年生で2万字レベルの「卒論」を達成するようにしています。
こうした活動を組んでいるのは、さまざまな理由があります。
そのひとつは「就活の前倒しと長期化」です。
その良し悪しは、ここではあえて論じませんが、最近の就職活動は、さらに「前倒し」と「長期化」が進んでいます。それは、3年の秋学期から4年の春まで、かなり長期にわたって続きます。
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中原ゼミでは、このような状況下で、ゼミの「集団的な活動」を行なっていくのは難しいと判断し(だって、就活の影響で、グループワークが成立しなくなるでしょう)、活動を「個別」に切り替えています。とりわけ4年生の春学期は、かなりのゼミ生が、ゼミを就活で、ポロポロと休まざるを得なくのです。
かくして、3年の秋学期+4年の秋学期で、なんとか卒論を個別に仕上げるように指導しています。
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ところで、この「ミニ卒」が問題です。
といいますのは、一度も、個人で、論文を書いたことのない学生に、論文を書く要諦を教える、というのは、なかなか苦労することです。
もっとも苦労するのは、
自分の研究テーマを「決めること」
です。
これが実に難しい。
アタリマエダのクラッカーですが、教員である僕が、「問うにふさわしい研究テーマ」を提示してはいけない。
これをやってしまえば、卒論は「学生の論文」ではなく、「僕の論文」になってしまいます。
彼らの過去、興味関心、こだわりを、最大限いかしながら、なんとか、オリジナリティを確保する論文に仕立て上げなければならない。
そして、オリジナリティを確保するためには、先行研究を調べさせなければならない。
そして、ここに難しさがあります。
それはなぜか?
それは、この段階の学生は、いまだフワフワして、フォーカスが絞られていない研究テーマを掲げておりますので、本当に、「この研究テーマでGOできるかどうか」を、自分としては、きっちり決められてはいないからです。
それなのに、オリジナリティを確保するためには、かなり工数のかかり、面倒な「先行研究調査」を行わなければならない。
要するに、
決めながら、調べる
調べながら、決める
という「知的な往還運動」を行わなければならないのです。
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学生たちは、頭のなかでは、この「往還運動」の必要性を理解しています。
学生たちは、
調べなければ、それ以上、前には進まないこと
は頭ではわかっている
先行研究を調べながら、研究テーマのフォーカスを絞り込んでいかなければならないことは、頭では理解しているけれど、しかし、そこにあまり自信がない。ひとによっては、調べることの意義を見出せなくなる。そして、だからこそ「研究テーマが決まらない」
教員としては、このフワフワした状態を、なんとか支えなければなりません。これがね、なかなか香ばしい難しさです(笑)。
多くの学生は「何をやるか」が決まると、手足を動かして、自律して動けるものです。
しかし「何をやるか」を自己決断するのは、難しいのです。
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僕としては、こうした卒論のプロセスを通して
「何をやるか」を自己決断できる人間になってほしい
そして
自ら課題を設定して、自ら解決できる人材
として、はやくシャバに出て活躍してほしい
と願っていますが・・・。さて、どうなることやら。
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3年生のミニ卒は、まだはじまったばかりです。
彼らは、おおよそ2ヶ月後には、論文を完成しなければなりません。しかし、その過程において、
自分で決めること
自分で課題を設定すること
の重要性や難しさを実感してもらえたらな、と思っています。
そして論文は「ひとり」では完走できません。
ゼミ内の仲間に相互に頼りながら、完走してほしいと思います。
困難にぶち当たったときほど・・・
1.孤独にならないこと、
2.ひとりで抱え込まない
3.お互いにはげましいながら、登頂アタックすること
を心がけてほしいと思います。
3年生はミニ卒。4年生は卒論。2年生は採用活動+企業の皆様との課題解決。
それぞれ全力で感がれ。忙しい秋学期は、いよいよ本格化しています。
そして人生はつづく
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