2020.8.27 07:25/ Jun
テレワーク時代のOJTとは「背中を見て盗んで学ぶ」から「言葉によって、デジタルメディアで、前もって学ぶ」への転換である!?
テレワーク時代のOJTは「ハイブリッド型OJT」の「新たな幕開け」につながるのではないだろうか?
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新型コロナウィルスの感染拡大は、「第二波とおぼしきもの」が「ピークを超えたのではないか」というニュースが流れる一方、先端を走るひとびとの関心は、秋・冬に予想される、インフルエンザとの同時流行に急速にうつってきているような気がします。
いずれにしても、いまだ余談を許さない状況が続くのは確実で、ニューノーマルを模索する私たちの生活は、長期戦を余儀なくされるようです。
ところで、そのようななか、進行しているのが「テレワーク」です。
職種や業種によっても、テレワークが進行するか否かは異なるので、一概には言えませんが、感覚的には30%から50%くらいの仕事が、リモート環境に移行しているような気がします。
テレワーク時代にもっとも厳しい状況に置かれるのは、組織のなかに「新規参入してきたひとびと」です。
具体的には、新入社員、中途採用の社員。さらには異動直後、転勤直後の方も、そこに含まれるでしょうか。
組織のなかに新規参入する時には、ただでさえ、組織の全体像、仕事の全体像、職場メンバーの全体像がつかみにくい。ただでさえそうのに、テレワーク下においては、それがさらに難しい。おそらく、テレワーク下で進行するOJTを経験の皆様におかれましては、ご苦労をお感じの方も少なくないのではないでしょうか。
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一般に、テレワーク時代のOJTにとって難所は下記の点です。
1.背中を見て育つ、見て盗んで育つが難しい(観察学習の不全)
2.手を動かして学ぶ、動いて学ぶが難しい(身体をともなう学習の不全)
3.失敗をした直後のフィードバックなど、即興的に学ぶことが難しい(即興的学習の不全)
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要するに、
1.なんとなく、あうんの呼吸のなかで、
2.一緒に先輩と「何らの行動」をともにおこないながら
3.そのつどそのつど、必要が生じたときに学ぶ
ということが難しい。
これまでのOJTが「真骨頂」としてきた「あうんの呼吸で、長い時間をかけた、先輩と生活をともにしての、そのつどそのつどラーニング」が難しいのです。
このように、テレワーク化のOJTでは、言葉になかなか形容できない、日常の仕事のなかに埋め込まれた、プログラム化されていない学習が、なかなか生起しにくい傾向があるのだと思います。
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おそらく、多くの職場で、この、なかなか言語化できない学びを、いかに実現するか、についての模索が行われているのではないでしょうか。多くの職場で、さまざまな試みが実施されているでしょうが、そのひとつに実施されているのは「言葉化」「標準化」です。
すなわち、これまで標準化されてこなかった業務手順をマニュアル化したり、あるいは、時空間をともにしなくても学べるように、作業や仕事の要諦を、敢えて「言葉化」することに挑戦する。多くの現場で為されている、ご努力・ご尽力に対して、僕は敬意を表します。
しかし、一方で、このご努力やご尽力は、新型コロナウィルスへの「一時的対応」というだけでなく、もしかすると、日本のOJTを変革していくきっかけになるかもしれないな、とも思います。
僕は、ついつい、こんなことを夢想してしまうのです。
もしかすると「テレワーク下のOJT」と、それに対する組織的対応は、
1.これまで言語化・標準化を避けてきた業務手順を「見える化」し
2.場合によっては「組織参入後」に多くの時間を先輩と時間をともにすることで学ぶ、という「先輩からの学び」ではなく、
3.前もって、「デジタルメディア」を使って自己学習していくこと
を推進する原動力になるかもしれないな、と。
要するに、
これまでのOJTを「背中を見て、仕事のなかで盗んで学ぶ」と形容するならば、
これからのOJTは「言葉によって、デジタルメディアで、前もって学ぶ」が含まれるようになるのではないか
と思ったりします。「背中を見て、仕事のなかで盗んで学ぶ」はパワフルな反面、学習が「偶然」に依存し、効率が悪い。これを補完するのが後者の「言葉によって、デジタルメディアで、前もって学ぶ」です。
もちろん、従来のOJTは、完全に新たな学びに「置換」されたり「代替」されるわけではありません。そうではなく、「前もって学べること」は「前もってデジタルメディア」で学び、実際に、組織に参入したあとには「本当に対面でしか学べないことを、先輩から学ぶ」・・・おそらく、OJTも「ハイブリッドラーニング」な時代に突入するのではないか、と思うのです。
「前もってラーニング」と「そのつどラーニング」の融合(時間軸の融合)
「デジタルラーニング」と「先輩からラーニング」の融合(ラーニングメディアの融合)
「言葉でラーニング」と「背中を見て盗むラーニング」の融合(モダリティの融合)
「これからのOJT」は、これら3つの混成体です。
皆さんは、いかが思われますでしょうか。
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今日は、これからのOJTは「ハイブリッド化」していくのではないか、というお話をさせていただきました。
新型コロナウィルスの感染拡大は、いまだ余談をゆるしません。そのようななか、人材開発・組織開発を研究するものとしては「下を向いて」過ごすことはできません。
ピンチはチャンスとはよくいったものです。
このような空前絶後の、100年に1度のピンチにあっても、
世の中を変革していく、何らかの「新たなきっかけ」を夢想していきたい、と願います。
そして人生はつづく
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