2020.6.11 08:02/ Jun
立花隆著「自分史の書き方」を読みました。
本書は、立花隆さんが10年以上前に、立教セカンドステージ大学で行った講義を元にしています。
この講義では、
1)授業参加者が、「自らの人生」を綴る自分史をつくる
2)1)の自分史は、自分のことを書いた「単なる自分史」ではなく、「現代史の出来事」なかに自分を位置づけ、それを語りなおしたものとする
という活動が中心になっています。
本書のテクスト自体は、立花先生の講義と、授業参加者の書いた自分史が、入れ子になっています。
立花先生の授業を聞いていると思えば、自分史に魅了される。これが、めちゃくちゃ面白い。
おすすめの一冊です。
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読みながら、何度も考えたのは、
自分史とは、誰のために、なぜ書くのか?
ということです。
おそらく自分史を書くのは、自分のためでもあり、自分を知ってくれている誰かに伝えるためなのでしょう。
そして、なぜ書くのでしょう?
これにはいろいろな回答があるようです。
人生の「終い」を行いたい
という方もいるでしょう。自分史を、いわば「遺書」のようなものとして考えている方もいるでしょう。
しかしながら、僕がしっくりきたのは、
自分史を書くとは「新たな旅」に旅立つため
ではないかと思いました。
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人生100年時代、わたしたちには、60歳で自分史を書いたとしても、残り30年ー40年という膨大な時間が残されています。その長い時間をいかに生きるか。
仮に、その時間が40年ならば、わたしたちには「約35万時間」がある。その35万時間をいかに生きるかを、いったん立ち止まり、考えるためにこそ、自分史があるのかな、と思いました。
そう考えれば、自分史を書くこととは「人生のリフレクション」といえそうです。
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実は、僕は、自分史とまではいわないものの、この春頃に、この20年の研究生活を綴った文章にかかわっていました。
帝京大学の井上義和先生、大妻女子大学の牧野智和先生にお声がけをいただいた書籍執筆プロジェクト(今年度中にはナカニシヤ出版さんから刊行されるはずです)で、そのなかに「中原の研究人生」をつづった章がございます。お声がけいただきましたこと、心より嬉しく思います。
この章を加筆するにあたって、僕は、過去の研究プロジェクトのすべてのフォルダをあけて、「このとき、何をやっていたのか」を振り返りました。
これは、わたしにとって非常によい経験になりました。
これから何をしていかなければならないのかが、非常にクリアになったように思っています。
(本書には中野民夫先生の自分史も掲載されています。僕と中野さんは世代がまったく異なりますが、いくつかの人生の局面で、似たような経験をしていることが非常に興味深いです・・・どうぞお楽しみに!)
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僕が「ほんとうの自分史」を書くのはいつのことになるのか、わかりません。もちろん、自分史を書く前に「息絶えてしまうこと」も十分可能性としてはありうる。
が、もし僕に「新たな旅」が許されるならば、「新たな旅」に出る前に、それをしたため、残りの35万時間を生きていきたいと切に思いました。
Everyone has stories!(すべてのひとの人生には物語がある!)
あなたは、どんな「物語」を生きてきましたか?
そして人生はつづく
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