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2020.6.2 10:28/ Jun

あなたのリモート会議には「オンライン地蔵」は生まれていませんか?

 あなたのリモート会議には「オンライン地蔵」は生まれていませんか?
      
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 新型コロナウィルスの感染拡大は、それまであまり支流でなかった「リモートワーク」や「テレワーク」を一気に進めることになりました。
 もちろん、職種・業種にもよりますので、この問題を一概に語ることはできませんが、だいたい世間的には25%くらいの方々が、首都圏に限っては約半数の方々が、この間、強制的にリモートワークに移行したと言われています。
少なく見積もったとしても、ビフォーコロナの「2倍」、多く見積もれば「3倍くらい」の伸びです。
    
 せんだって緊急事態宣言が解除されましたので、おそらくはバックラッシュ(揺り戻し)がくるとは思いますが、リモートワークがはじまっている企業では、おそらく週に数回はオフィスで、残りはリモートワークで、といったような働き方が生まれてくるのだと思います。先日も述べましたように「フレキシブルワーク」の進行です。
   
アフターコロナの働き方は「フレキシブルワーク」かもしれない!? : オフィスワークとリモートワークの「落とし所」に生まれる未来
https://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11684
    
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 しかし、リモートワークに強制移行するなかで、日本全国で生まれているのが「オンライン地蔵」の問題です。
    
 ここで「オンライン地蔵」とは
   
「リモートワークの会議で、一度も発言できず、本当にチョコンと参加だけしている社員」
   
 のことをいいます。
    
 Zoomなどの画面で「真正面を向いていて、直立不動で、会議に参加している様子」を少しだけユーモラスにもじって「オンライン地蔵」と呼ばせていただくことにいたしました(笑)。オンライン地蔵とは「オンライン会議の沈黙者」のことをいいます。
     

       
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 しかし、オンライン地蔵は「地蔵本人の意志」によって「地蔵のごとく、かくあるべし」となっているのでしょうか(意味不明)。地蔵にも「地蔵の意志」がおありになるので、何ともいいがたいのですが、わたしは、「地蔵はなるべくしてなっている」ようにも思えるのです。
    
 といいますのは、なんら調査を行っているわけではないのですが、わたしはこの「オンライン地蔵」問題は、新入社員や、この4月に中途採用で新たに組織に入ってきたばかりのひとに起きやすいのだとも思います。
    
 とくに、新入社員や中途採用でこの4月に新たな組織に入ってきたひとなどは、オンラインで会議に参加しようとしても、なかなか発言権が得られないことがあります。
    
 といいましょうか、この4月から新たな組織に入ってきたひとによっては
    
 会社に一度も出社したこともない
 職場や自分の部門にすら行ったこともない
 会社のメンバーもほとんど知らない
     
 もちろん
    
 会議のメンバーが共有しているコンテキスト(文脈)や、これまでの仕事の経緯もわからないこともザラです。
    
 それなのに、強制的にリモートワークがはじまり、やれ「オンラインで会議がはじまる、あんたも職場のメンバーなんだから参加してね」といわれて、急に、参加させられている状況なのだと思います。
    
 わたしたちは、積極的に「オンライン地蔵」をケアしていく必要があるように思います。
 必要なのは「お地蔵さんのケア」です(意味不明)

 とりわけ、新入社員に至っては、「OJT」という名の「会議へのオンライン地蔵参加」が横行しているような気もします。リモートワークのなかで、いかに人材開発を行っていくかは、待ったなしの課題です。
      
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 今日は、ニッポン全国津々浦々で生まれている「オンライン会議の沈黙者=オンライン地蔵」のお話をさせていただきました。
 話を複雑にするので、今日はハショリましたが、実は、この「オンライン地蔵」、もうひとつの年代で生まれる可能性があります。言うまでもなく、中高層です。こちらの「オンライン地蔵2.0」の話は、また、別のところでお話しさせていただこうと思います。
    
 あなたのリモート会議には「オンライン地蔵」は生まれていませんか?
 オンライン地蔵を生み出さないために、何かできることはないですか?
     
 そして人生はつづく
     
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https://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11735
 
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https://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11721

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