2020.5.19 08:20/ Jun
「オフィスワーク」から「リモートワーク」へ
「リモートワーク」から「フレキシブルワーク」への転換が起こるかもしれない
・
・
・
・
・
・
週末の昼下がりです。
ふと、カレンダーに目をやれば、2月20日に「印」がついていました。
あれ、「2月20日って何だっけ」としばらく考え、思い出しました。
この日は、
僕が大学の研究室で仕事をした最後の日
なのです。
本日、5月19日。
気付けば、もう在宅勤務(リモートワーク)が3ヶ月近くになろうとしています。
先週も、今週も、いつものように自宅の一室にこもり、オンラインで会議を行い、オンラインで授業を行っています。
▼
職種・業種にもよりますので、一概には言えませんが、リモートワークが普及しはじめています。だいたい世間的には25%くらいの方々が、首都圏に限っては約半数の方々が、この間、強制的にリモートワークに移行しました。
オフィスワーク(通勤して通常のオフィスに通い、みなで仕事をすること)からリモートワークへの強制移行は、さまざまな課題を生み出してもいますが、ワークライフバランス的には「+」に作用したという知見も、見いだせるようになってきています。やはり平均通勤時間70分が「0分」になったことの衝撃は大きいのでしょう。
そして、たとえ「強制」であって、いつかは「解除」されるにせよ、この間、これほど多くのひとびと(数百万から数千万)が「リモートワーク」を経験してしまった、ということの意味は、まことに甚大なのでしょう。
なにせ、わたしたちはかつてない規模で、
「オフィスにいかなくても、自宅でも仕事ができるぢゃん」
「対面で顔をあわせなくても、ネットを使って仕事ができるぢゃん」
と「知ってしまった」のですから。
職種・業種にもよるので一概には言えませんが、
「会社に、ひとがこんなにいなくても、現場が回るぢゃん」
「あの会議で、みんなが集まらなくても、余裕で、仕事が回るぢゃん」
と「知ってしまった」。
この「知ってしまった事実」は、まことに大きい。
そして、この事実の先には、おそらく、こんな問いが頭をもたげるでしょう。
「いや、そもそもオフィスって、何のためにあるんだっけ?」
「対面で顔をあわせて、仕事をする意味ってなんだっけ?」
すでに資金繰りが苦しくなりつつあるスタートアップでは、オフィスを解約したり、縮小したりするところがボツボツと出てきているようです。
・
・
・
緊急事態宣言が、もし、このあとに解除されれば、もしかすると「強制リモートワーク」も終わりを告げるかもしれません。
突貫工事のような「強制リモートワーク」でしたので、準備が追いついておらず、さまざまなひずみも生み出していることは、事実です。
おそらく、近いうちにはリモートワークが見直され、
「やっぱ、対面もいいよね、オフィスっていいよね」
というかたちで「バックラッシュ(後戻り)」も起こってくるのかもしれません。
・
・
・
しかし、僕が「妄想」するに、「アフターコロナの働き方」は、こうなるのではないかと思います。
それが冒頭に申し上げたことです。
「オフィスワーク」から「リモートワーク」へ
そして
「リモートワーク」から「フレキシブルワークの模索」へ
けだし、強制リモートワーク後は、オフィスワークとリモートワークがほどよくブレンドした「フレキシブルワーク」の模索がはじまるのではないでしょうか。
「フレキシブルワーク」とは、さっき3秒で考えた造語です。学術用語なのか知りませんし、普及させる気もありません。「ミックスワーク」といっても、「ブレンドワーク」といっても、「ハイブリッドワーク」といっても、何でもいいです。
要するに「オフィスワークとリモートワークが混ざってるの、そういう働き方です」(笑)。
フルリモート、セミリモートと言ってもいいかもしれませんね。
フレキシブルワークとは、週にX日はオフィスワーク、週にY日はリモートワークといったように、働く場所を問わないフレキシブルな働き方のことです。
要するに、
オフィスワークとリモートワークのちょうど「中間あたり」に「落とし所」が生まれるような気がするということ
ですね。
落とし所ワーク?
これじゃ、かっこ悪いよね。
皆さんは、いかが思われますか?
▼
今日は、近い将来の働き方についてのお話をしました。
もし、仮に、この「妄想」のどこかに「現実化」するものがあるのだとしたら、おそらく、この「フレキシブルワーク」の先には、さまざまな社会課題も生まれます。
労働時間をどうカウントするのか?しないのか?
成果をどのように評価するのか?
マネジメントをどのように行うのか?労務管理をどのように行うのか?
給与をどうするのか?
えっと、新人の育成とか、中途採用のオンボーディングとか、誰が、いつやんだっけ?
しかし、一方で、ウェルビーイングの実現や、育児や介護などをしながら働く人々にとっては、より多くの可能性が生まれます(休校措置がなくなれば)。
・
・
・
私事ですが、妻は、今、オフィスワーク数日、在宅数日で、フレキシブルに働いています。先日、朝方、子どもが妻に奇妙な問いをなげかけました。
「今日は、ママ、どこで働くの? いえ? 会社?」
何気ないひと言でしたが、僕はハッとしました。子どものなかの「働く」の概念が、変わってきたんだな、と思ったのです。
これまでだったら「働く=会社=オフィス=自宅不在」なのですが、いまでは「働く場所」が「いえでもいいし、会社でもよくなっている」んですよね。改めて、ハッとした瞬間でした。
近い将来、あなたはどんな働き方がしたいですか?
そして人生はつづく
ーーー
新刊「サーベイフィードバック入門ーデータと対話で職場を変える技術 【これからの組織開発の教科書】」が好評発売中です。AMAZON人事・マネジメントカテゴリー1位を記録しました。組織調査を用いながら、いかに組織を改善・変革していくのかを論じた本です。従業員調査、HRテック、エンゲージメント調査、教学IRなど、組織調査にかかわる多くの人事担当者、現場の管理職の皆様にお読みいただきたい一冊です!
ーーー
「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
ーーー
【注目!:中原研究室記事のブログを好評配信中です!】
中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約25000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
中原淳研究室 Twitter(@nakaharajun)
https://twitter.com/nakaharajun
最新の記事
2024.12.28 09:58/ Jun
2024.12.25 10:57/ Jun
2024.12.8 12:46/ Jun
2024.12.2 08:54/ Jun