2020.3.10 07:42/ Jun
「いきなり、管理職です」って言われた途端に、何をしたらいいんだろうと。やっぱり、その辺が結構戸惑うポイントかなっていうふうには思います /
本来であれば、会社から、こういう役割を担ってほしいんだよっていうことを、明確に説明を受けたりとか、する会社もあるんでしょうけれど、もううちの会社は、特にそういうのもなく、「はい、あなた、あしたから管理職です」(という感じです)」
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こちらは、せんだって、聞き取り調査をさせていただいた管理職のある方が、自分が管理職に任命されたきのことを述懐しておっしゃっていた言葉です。
「はい、あなた、あしたから管理職です」
という「いきなりステーキ」的な管理職登用(何のこっちゃ、意味不明)の事例は「極端な例」かもしれません。でも、管理職になるときに「準備」も「学習」も用意されていない、準備されていないというのは、よくあるケースだと思います。
本来ならば、管理職としてひとを動かす立場になる前に
1.管理職とはどんな役割なのか?
2.管理職としてもっていなければならないスキルとは何か?
3.管理職としてどのようにこの職場を率いていけばいいのか?
に関する作戦会議や学習の時間が必要になるというのは、多くのひとたちが認めることでしょう。
マネジメントのクオリティをあげるためには、「なる前」と「なった後」のトランジション(役割移行)のときに十分な支援が必要です。半日、一日の管理職研修では、「ないよりはマシ」でしょうけれど、トランジションでつまづくケースもあるようです。
しかし、多くの組織では、いまだに程度の差こそはあれ、
「はい、あなた、あしたから管理職です、おめでとう!」
が繰り返されています。
でも、管理職の仕事は、そう簡単なことではありません。
たとえば、管理職が職場のメンバーを対象に、コーチングや、フィードバックなどのスキルをつうじ、信頼を生み出さなければならないことは、多くの文献で指摘されています(Graham et al 1994)。職場内が協力的であるか、それとも競争的であるかで、職場の生産性は大きく変わってしまうからです(Bendersky et al 2003, Leiter 2003)
マネジメントのクオリティというのは、職場メンバーのパフォーマンスに大きな影響を与えることが知られています。
マネジメントのクオリティがあがることで(1標準偏差分あがる・・・イメージは内申書の3が4になるイメージ?ちょっと違うか)、従業員ひとりあたりの生産性が200万円ほどあがるという指摘もあります(Pfeffer 1994)。
ですので、マネジメントレベルをとにかく上げることは重要なことなのです。
ちなみに、独裁的なマネジャーのもとで、もっとも頻発するリスクは「離職」です(VugtaSarah et al 2004)。
まず、まっさきに誰が辞めるか?
独裁的なクソマネジメントに愛想をつかすのは「優秀なひと」です。
ご想像どおり・・・残念ながら。
下記に示すような「離職の無限ループ」が回っている組織はないでしょうか?
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優秀なひとが辞める
優秀なひとが辞めるから、他のメンバーで何とか支える
既存のメンバーではもたなくなるので、新たなひとを採用する
採用したひとの育成コストが、他のメンバーにのしかかる
他のメンバーは業績をさげることなく、育成コストを負担しなければならない
耐えられない
かくして、他のメンバーのなかでも、優秀なひとが辞める
あとは繰り返し
無間地獄
アーメン。
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今日は、管理職の有するマネジメントのクオリティは、職場の生産性にとって重要だ、という話をさせていただきました。
あなたの会社の管理職任用は、「はい、あなた、あしたから管理職です」になっていませんか?
あなたの会社の管理職は、「学び直し」の機会をもてていますか?
そして人生はつづく
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【泣くな!新米管理職!】
おかげさまで10刷重版出来。「駆け出しマネジャーの成長論」は、「実務担当者」から「新任管理職」への役割移行をいかに進めるかを論じた本です。「脱線」をふせぎ、成果をだすためには「7つの課題」への挑戦が必要であることを解説しています!全国の管理職研修で用いられています。どうぞご笑覧くださいませ!
パーソル総合研究所と中原は、このテキストをもとにした「マネジャーになる研修」を開発しました。種部吉泰さんとディスカッションは、非常に楽しいものでした。このコースについても、どうぞご覧くださいませ!
「マネジャーになる」 研修:プレイヤーからマネジャーへの移行期支援プログラム
https://rc.persol-group.co.jp/seminar/become-a-manager.html
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