2020.3.9 07:17/ Jun
先週金曜日の早朝から(3月6日)、企業等で新入社員教育の企画や実施をご担当なさっているみなさまを対象に緊急・簡易アンケートを実施させていただきました。実施期間は2020年3月6日から7日で、回答総数は162名となりました。ご回答いただきましたみなさま、ありがとうございました。
この結果を、週末(3月7日)に、この場で報告を掲載させていただいております。一部、固有名詞や不適切に伝わる可能性がある文言、重複が生じてしまう文言は、削除・編集させていただいておりますが、基本的には、みなさまのお声を、なるべくそのままのせる方向で、掲載させていただいております。週明けになりますので、再掲し、少しだけ、その内容をまとめてみました。
■4月以降の新入社員教育に関する緊急アンケート結果報告はこちらからダウンロード(PDF)■
https://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/03/2019_newcomer_survey.pdf
(これは学術研究のために実施した調査ではなく、あくまで、実務にお役立ていただきたい気持ちから行ったものです。また速報性を重視しているので、分析などを企図しているわけではありません。あくまで現状を把握し、社会のみなさまにフィードバックさせていただくことを念頭に行われたものです。その点をどうかご留意ください)
改めて結果を拝見して、それを要約しますと、下記の5つとなります。
1.今回の調査回答者のうち 61.7%(100 名)の⽅が「新⼊社員教育の変更を⾏っているか、⾏うことを計画している」は、おそらく企業規模、新入社員の採用数に影響を受けるであろう。おそらく、企業規模・新入社員の採用数が多ければ多いほど、何らかの対応を求められるようになるだろう。
(どなたか調査なさってください)
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2.基本的な対策は「数十人を超える規模で、一カ所に集まる、対人接触を避けること」にあるだろう。これに対する対策は、「場所の分散」か「時間の短縮・繰り下げ」か「教育内容の教材化」か「移動の自粛」であろう。
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3.とりわけ最も試みられているのが「場所の分散」である。「場所の分散」でもっとも簡単な手段は「新人を小グループにして、ちいさな会議室で研修受講させること」かないしは「オンライン教育」「テレビ会議システムを用いた研修」の実施・充実である。
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4.「4月以降の、自社の新入社員教育の計画において、オンデマンド教育・テレビカンファレンスなどデジタルメディアを活用する計画」に関しては、46.3%の回答者が「計画している」と回答している。これをきっかけに、今年度は「新入社員研修のオンデマンド化」が進むであろう。
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5.しかし今年度行われた試行のうちいくつかは、2021 年(来年度)以降の新入社員教育においても「継続」されることになるだろう。回答者のうち53.7%は、「来年度も継続するだろう」という予測をだしている。これをきっかけに「新入社員研修の見直し・オンデマンド化」が進むであろう。各企業は、今年度の試行を「評価すること」になるだろう。おそらく、企業規模の大きな企業・新入社員の数が多い企業に、その傾向が見られることになるだろう(仮説)。
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新入社員時期の「社会化」は、その後の組織適応に重要な意味をもちます。貴重な人材に働きがいをもって働いてもらえるために、様々な工夫を共有できればと思います。4月以降の新入社員教育の再設計のご参考にしていただけますと幸いです。
とりわけ、リモートワークは、仕事の経験の浅い層には、厳しい施策になると僕は呼んでいます。なぜなら、「ただでさえ仕事や職場に慣れていない」とか「自分のわからないことが何かすらわからない」のに、「ちかくに聞ける人がいない」「周囲で相談してくれるひとがいない」という環境に陥るからです。このような過酷な環境下においても、なんとか、力強い「新入社員教育」によって、新入社員の「社会化」が例年以上に進むことを心より願っております。
人事部の皆さんはこの数ヶ月、コロナ対応で猛烈に多忙な毎日を過ごしていらっしゃると思います。本当に、お疲れ様です。様々なところから、悲鳴をうかがっております(大変ですよねお疲れさまです)。
どうか、よりよい判断、よりよい工夫をなさってください。その一助になりえるのだとしたら、望外の喜びです。
どうか、皆様の会社の新入社員の方々が、よい船出を迎えられますように!
皆さんが過ごす社会は、面白いですよ。
そして人生はつづく
■4月以降の新入社員教育に関する緊急アンケート結果報告はこちらからダウンロード(PDF)■
https://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/03/2019_newcomer_survey.pdf
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