2019.10.25 06:45/ Jun
中原ゼミの学部3年生は、今、「ミニ卒論」という「謎の論文執筆」に個別で取り組んでいます。
一般に大学では「本当の卒論(?)」は4年生になって書くところが多いものです。しかし、常に「生き急いでいる」中原ゼミでは一足早く、3年生の冬には、「1万字のミニ卒論」を書くことになっています。その背景には、卒論には、かなり力を取り入れて取り組んで欲しいという僕の思いがあります。
まずは、
卒論を通して、自ら「探求すること」にチャレンジして欲しい
という「暑苦しい思い」がございます。
そして、
「思考力」や「分析力」や「探求力」は、自分でテーマを決めて、やりぬいた経験からしか得られない
と僕は思っています。卒論を通して「思考力」や「分析力」や「探求力」を高めて欲しい、とうのが、僕の思いです。
(個人的には卒論は、日本の高等教育機関が守っていくべき伝統だと思っています。学部のレベルで、長い論文を書くのは、世界的にも、珍しいでしょう)
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3年生の秋から、「ミニ卒」に代表されるように、学生が「個別の知的活動」に入っていくのは、そのほかに理由もございます。
それは「就活」です。
昨今は、「就活の前倒し・長期化」によって、3年生の夏・秋あたりからは、就活やら、インターンやら、説明会やらが、徐々にはじまっていくのです。そうなると、集団で何かひとつのことを成し遂げる、というものが極めて厳しくなります。学生が望むのならば、企業と連携したコラボ企画とかも行いたいところもあるのですが、もしそれをやっていくということになると、ゼミ全体で取り組まなくてはなりません。実際は、かなり厳しい。
そこで、中原ゼミでは、3年生の秋には「ミニ卒」の執筆に取り組み始め、ゼミ中、僕は、個別に学生の研究にフィードバックをしていくことにしました。そのほかの学生は、相互フィードバックを行っていたり、あるいは2年生の活動のメンタリングなどをしています。
これならば、万が一、就活で、4分の1のゼミ生が抜けざるを得なかったとしても、ゼミとしての活動は行っていくことができます。
今年の様子を見ておりますと、就活は、4年生の6月前半まで続くと思われます(就活の終わりを6月前半と書いているところが、世の中の摩訶不思議)。最終的に着地点が決まるのは夏でしょうか。ということになりますと、4年の前半は、なかなかゼミに来られなくなる学生が増えるはずです。
ということは、万が一4年生からはじめれば、卒論は実質「半年」で書かなくてはなりません。3年生の秋から卒論をはじめることによって、実質的な卒論執筆期間を1年にすることができます。
中原ゼミでは、このように卒論のクオリティを担保しようと思っています。
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学生の持ってくる研究テーマは、様々で、どれも面白いものです。
肉バルのエスノグラフィー
長期インターンが組織参入時のリアリティショックに与える影響に関する研究
バラエティ番組の容姿いじりが、視聴者の自己効力感に与える影響に関する実験的研究
ミスコンの研究
お笑い芸人のキャリアに関する研究
企業合併が従業員のエンゲージメントに与える影響に関する研究
就職活動とセルフアウェアネスの研究
社内通貨を活用する企業のエスノグラフィー
テニススクールの組織開発に関する研究
高度専門派遣労働者のエスノグラフィー
スケート選手のセカンドキャリアに関する研究
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などなど。
もはや知の動物園?状態?
彼らは将来研究者になるわけではありません(おそらく・・・? この中から数人が研究職にチャレンジしても全然おかしくないけれど、今のところ聞いたことはない)。僕は、なるべく、彼らの思いをいかして、それを研究に仕立て上げるギリギリのところを攻めて、指導しているつもりです。
研究テーマが、多少、荒削りであってもいい。
知的に面白いことを、心ゆくまで突き詰めて欲しい。
誰もがやっていないことを、自分なりに探求し、やり抜いて欲しいものです。
そして人生はつづく
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