2019.7.17 06:20/ Jun
今年になって、ひそかに書き始めている書籍に「サーベイフィードバックの科学(仮)」、別名「ファクトで変わる職場づくり入門」というものがございます(他の書籍としては保田江美さんと「中小企業の人材開発」を書いています。こちらは、昨日、第一原稿がほぼ完成しました・・・今年度中には脱稿します!キリッ!)。
ここでサーベイフィードバックとは
1.調査(サーベイ)によって組織の課題を「見える化」して
2.組織メンバーが対話を行いながら、組織の未来やアクションプランを決めていくこと
をさします。
サーベイフィードバックは、いわゆるひとつの「古典的な組織開発」ですね。
要するに、サーベイフィードバックとは「調査でわかったデータを活かした職場づくり」「調査を活かした現場の改善」をいいます。歴史的には、1970年代に隆盛しました。
僕が書いている本の趣旨は、下記のとおりです。
1.サーベイフィードバックとは何か?
どんな効果を組織や個人にもたらすのか?
2.サーベイフィードバックと、その後のミーティングをどのように行えばいいのか?
3.サーベイフィードバックをふたたび思想に位置づけるのであれば、どのように位置づけうるのであろうか?
近代合理主義と社会的構成主義の狭間で・・・
といった内容です。
ビジネスパーソン向けの入門書なので、あまりマニアックな内容は避けようとは思っていますが、ちょっとだけ3の
内容もひそかに盛り込んでしまえー、と個人的にはひそかに狙っております。
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ところで、そんなこんなもあって、日々の仕事のなかで、本当にわずかすぎる(泣)隙間時間を見つけては、サーベイフィードバックの古今東西の文献を読み進めているのですが、読み進めていると、なかなか面白い。
やはり痛感するのは、
組織調査を実施するにあたって、
組織メンバーやマネジャーの「当事者意識(ownership : オーナーシップ)」を
いかに高めてサーベイフィードバックを実施するか?
ということに尽きるな、という印象です。
たとえば、組織調査で明らかになった知見を、職場メンバーや職場のマネジャーに返していく「対話の場≒フィードバックミーティング」が、サーベイフィードバックでは、ごくごく頻繁に実施されます。
しかし、その場が、どの程度、職場メンバーに支持され、当事者意識が高まっているのか、でサーベイフィードバックの効果は倍増も半減もしてしまいます。
たとえば、あたの組織で実施されるサーベイフィードバック後の対話の場は、いかかでしょうか?
Cummings and Worley(2009)を参考にチェックしてみましょう。
1.データと向き合う「動機」がメンバー、マネジャーに「確保」されているか?
・そもそもデータが「期待」されているか?
・「データと向き合えばよい結果が生まれるという期待」があがっているか?
2.「対話の場」や「ミーティング」は構造化されているか?
・アジェンダ、目的、アウトラインがしっかりと提示され、ミーティングが構造化されているか?
・カオスに陥っていないか?
3.「十分な出席」が確保されているか?
・組織の抱える課題に関係しているひとびと(ステークホルダー)は、みな会議に参加しているか?
・データへの向き合いに「動機」づけられているか?
4.「パワー」を維持されているか?
・「変革したもの」をやりきるパワーや、後ろ盾が確保されているか?
5.問題から目をそらさず、フォーカスしつづける会議になっているか?
・サーベイフィードバック後の会議は、すぐに横道にそれる
・問題にフォーカスさせつづけるファシリテーションが実行されているか?
いかがでしょうか?
逆にいうと、あなたの会社には、こんなサーベイフィードバックがなされていませんか?
以下、反転型チェックリストをあげてみると・・・
1.目的を見失い、やらされ感満載の、モチベだだ下がりのサーベイフィードバックになっていないか?
2.ぐだぐだトークの支配する緊張感のない対話になっていないか?
3.参加するべきひとが参加しておらず、参加していてもスマホをいじっている対話の場になっていないか?
4.対話の場で決まったものが実行されないことを誰もが信じているようなサーベイフィードバックになっていないか?
5.すぐに話題が脱線、横道突進の対話の会に陥っていないか?
いかがでしょうか?
これでサーベイフィードバックの効果がでるわけがないよね。
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今日はサーベイフィードバック、サーベイフィードバックのあとのフィードバックミーティング(対話の場)をいかに組織化するか、というお話をさせていただきました。
「サーベイフィードバックの科学(仮)」、別名「ファクトで変わる職場づくり入門」は、秋?冬?にPHP研究所さんから出版の予定です。編集者は「フィードバック入門」の頃からお世話になっている宮脇さん、構成は杉山さんです。いつもありがとうございます。
お楽しみに!
あなたの会社のサーベイフィードバックは、やらされ感満載のグダグダトークでスマホいじくりまくりの「エセ対話」になっていませんか?
そして人生はつづく
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日本初!「ひとづくり・組織づくりの大学院」新コース「リーダーシップ開発コース」が立教大学大学院 経営学研究科に設置されます。新コースでは、経営学の基盤にもとづき、21世紀の「人事実践」ー人材開発・組織開発・リーダーシップ開発を牽引する高度プロフェッショナルを育成します 入学説明会が7月27日(土曜日)に開催されます。既存の「入学説明会」では「ない」入学説明会になると思います。どうぞお越し下さいませ!
日本初!立教大学に「人づくり・組織づくり」の大学院新コース「リーダーシップ開発コース」2020年より設置 Webサイト
https://ldc.rikkyo.ac.jp/
2019年度 リーダーシップ開発コース説明会開催
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/2019/0701-02/
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残業学プロジェクトでご一緒させていただいてきた盟友の岩崎真也さんが(議論に議論を重ね、教材をつくりあげていきました!)、「職場に対話を促しながら、職場ぐるみの組織開発で、働き方を改革するやり方」について解説なさっています!
働き方改革から組織開発へ 本当の働き方改革に求められる「次の一手」とは~
https://rc.persol-group.co.jp/column-report/201907020001.html
また残業学プロジェクトのスピンアウトツールである「OD-ATRAS」についても、ご紹介しています。職場の見える化をすすめ、現場マネジャーが職場で対話を生み出すためのTipsやツールが満載です。ご笑覧ください。
対話とフィードバックを促進するサーベイを用いたソリューション「OD-ATLAS」の詳細はこちら
https://rc.persol-group.co.jp/learning/od-atlas/
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フィードバック入門等で御一緒させていただいているPHPさんで、登壇の機会をいただきました。「部下育成のスキルを伸ばす」というテーマで、1on1やフィードバックのやり方、効果について講演させていただきます。9月10日・東京開催です。どうぞお越しいただけますと幸いです!
9月10日・東京開催「部下育成のスキルを伸ばすー1on1とフィードバック」
https://www.php.co.jp/seminar/feedback/
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新刊「組織開発の探究」発売中、重版4刷決定しました!AMAZONカテゴリー1位「マネジメント・人事管理」を獲得しています。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
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