2019.5.23 06:42/ Jun
今、若手ビジネスパーソンは、「働くこと」に関して、どのような課題をもっているのでしょうか?
彼らの語りに耳を傾けてみましょう
・
・
・
就職して、会社に実際に入ると「絶望」するんです
就職のときには、
「何でもやれるよ、希望の部署にも行けるよ」
と言われていたのに、大嘘なのです
部署間の異動は、ほとんど御法度。
本人が望んでも、受け入れ先があっても、異動はNO。
出す側の上司がNOといえば、それだけで異動できません
ああ、わたしは「一生、ここなんだ」と思ってしまう
わたしは「一生を、この村で終える」のでしょうか?
▼
うちの会社は、5年いれば、「いっちょあがり」です。
どんなに優秀で技術をもった若手でも、
5年間、うちの会社で仕事をすれば、
技術に、ついていけなくなります
なぜか?
それは、プロジェクトの多くは下請けにだして、
自分たちは、プロマネしかしていないからです。
外注するのが仕事なのです
だから、実際の物づくりは、下請けで行われている
だから、技術は、外につくのです
5年たてば、いっちょあがりなのです
うちの会社のなかで、仕事をするほかは、なくなってしまうのです
▼
自分で企画を立ち上げて、自分でやりきりたいのです
今の会社では、35歳から40歳にならないと、
自分の企画を通せません
300万回「素振り」をしないと、
バッターボックスに一度も立てないよ
と言われているようなものです
素振りをしているあいだに、
他の会社で働くひとたちは、
どんどんとスキルをあげている
300万回素振りをした40歳は、
本当にバッターボックスで、
ヒットを打てるのでしょうか?
▼
会社の上役のひとたちとは、「ここで働くこと」の意味が
ズレているような気がします
今の若手はわかっていない
30になって1000万円
40になって1200万円
50になって1500万円
ここまで約束されているんだ。
何にもしなくたって、仕事中に、ヤフーニュース見てたって、
それだけ、もらえるんだぞ。
それなのに、若手は、うちの会社を辞めるんだ?
もう「この会社で働くこと」の意味がズレているのです
そんな働き方で、会社が存続するわけがないのに・・・
▼
先生、結局、私たちの憂鬱は
「いま、やりたいことが、やれないこと」なんじゃないでしょうか?
▼
じゃあ、転職かってことにもなりますよね。
でも、こうも思います
結局、日本企業同士で転職しても、
どこもたいした変わらないのです
▼
でも、今の会社も、確実に変わってきているんです
数年前とは、危機感が違う
僕たちの考えていることをしっかりと反映しよう
としてくれている役員もいる
最近、うちの会社というハコを使って、
インパクトを残す仕事ができる気もしてきています
・
・
・
・
・
冒頭申し上げましたように、先だって、ある優秀な若手ビジネスパーソンのみなさまに、聞き取りをさせていただきました(貴重なお時間をいただきました方々には、この場を借りて御礼を申し上げます:ありがとうございました)。
上記、ICレコーダーからの録音おこしではないので、正確ではございませんが、おおよそ、上記のような主旨の、非常に興味深いお話を伺うことができました。
聞き取りのテーマのひとつは「若手ビジネスパーソンが働くことに関して、どのような課題感をもっているのか?」ということです(それ以外のメインの主題もございましたが、今日のブログでは、ここだけを切り取ります)。
今日は、これらの語りを、皆様にご提示させていただき、どのようなことをお感じになるかを、それぞれにお考えいただくことにしたいと思います。
ちなみに、僕は、これらの語りをうかがっていて、
このままでは、優秀な人から、会社を去って行くだろうな
人事の仕組みが理由で、経営にインパクトを残せない現実が生まれているな
と強く感じました。
皆さんは、どんなことをお感じになりましたでしょうか?
これらの若手の意見に「そうだ、そうだ」と思う方もいるでしょう
「いやいや、昔から、そうだったんだ、若い奴はやっぱりわかっちゃいない」とか「みんな我慢してきたんじゃないか」という方もいらっしゃるでしょう。
今日は、敢えて、モヤモヤを皆様にプレゼント差し上げたいと思います。
そして人生はつづく
ーーー
新刊「女性の視点で見直す人材育成」(中原淳・ラーニングエージェンシー著)が重版出来!1万部突破です!AMAZONカテゴリー1位「企業革新」「女性と仕事」を記録しました!。女性のキャリアや働くことを主題にしつつ、究極的には「誰もが働きやすい職場をつくること」を論じている書籍です。7000名を超える大規模調査からわかった、長くいきいきと働きやすい職場とは何でしょうか? 平易な表現をめざした一般書で、どなたでもお読みいただけます。どうぞご笑覧くださいませ!
ーーー
「育児は仕事の役に立つーワンオペ育児からチーム育児へ」(浜屋祐子、中原淳著 光文社新書)、AMAZONカテゴリー1位(光文社新書)、経営学カテゴリー2位を記録しました。育児と仕事の良好な関係、ワンオペ育児を乗り越え、チーム育児に転換していくヒントがあふれる書籍です。浜屋祐子さんの修士論文の知見をモティーフにした、育児の科学。どうぞご笑覧くださいませ。
ーーー
新刊「データから考える教師の働き方入門」(辻和洋・町支大介編著、中原淳監修)好評発売中です。1日の労働時間が約12時間におよぶ、先生方。その働き方を見直し、いかに持続可能な職場をつくりだすのか、を考えます。「サーベイフィードバック方の組織開発を応用した働き方改革」の事例として、教育機関以外の組織でも応用可能です。どうぞご笑覧くださいませ
ーーー
新刊「残業学」重版出来、6刷決定です!(心より感謝です)。AMAZONの各カテゴリーで1位を記録しました(会社経営、マネジメント・人材管理・労働問題)。長時間労働はなぜ起こるのか? 長時間労働をいかに抑制すればいいのか? 大規模調査から、長時間労働の実態や抑制策を明らかにします。大学・大学院の講義調で語りかけられるように書いてありますので、わかりやすいと思います。どうぞご笑覧くださいませ!
ーーー
新刊「女性の視点で見直す人材育成」(中原淳・ラーニングエージェンシー 旧:トーマツイノベーション著)が重版出来!1万部突破です!AMAZONカテゴリー1位「企業革新」「女性と仕事」を記録しました!。女性のキャリアや働くことを主題にしつつ、究極的には「誰もが働きやすい職場をつくること」を論じている書籍です。7000名を超える大規模調査からわかった、長くいきいきと働きやすい職場とは何でしょうか? 平易な表現をめざした一般書で、どなたでもお読みいただけます。どうぞご笑覧くださいませ!
ーーー
新刊「組織開発の探究」発売中、重版4刷決定しました!AMAZONカテゴリー1位「マネジメント・人事管理」を獲得しています。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
ーーー
【注目!:中原研究室のLINEを好評運用中です!】
中原研究室のLINEを運用しています。すでに約11000名の方々にご登録いただいております(もう少しで1万人!)。LINEでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記のボタンからご登録をお願いいたします!QRコードでも登録できます! LINEをご利用の方は、ぜひご活用くださいませ!
最新の記事
2024.12.25 10:57/ Jun
2024.12.8 12:46/ Jun
2024.12.2 08:54/ Jun
2024.11.29 08:36/ Jun