2018.8.2 06:19/ Jun
1.すべてならべる
2.選んだ理由
3.選ばぬ理由
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これらは、最近、様々な「課題解決」の指導のなかで、僕が、繰り返しお話ししていることです。
課題解決のときには「1.すべてならべる、2.選んだ理由、3.選ばぬ理由」に注意して思考を進めなさい。これを留意して他者に「何が課題か?」を伝えることができれば、「それって思いつきですね」「それって直感ぢゃないですか」という「誹り」や「非難」を受ける可能性はぐっと減るだろうから、と繰り返しお話ししています。今日は、それについてお話をします。
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一般に、課題解決のプロセスとは、
1)何が「課題か」を決めること
2)1)で決めた課題をとくこと
という2つのプロセスから成立しています。
しかし、僕の経験上、多くの学生やビジネスパーソンが苦手としているのは、1)「何が課題かを決めること」です。
つまり、
何が「解くべき課題」として適当であり、なぜ、それを自分が選んだのかを、説得力をもって、他者にわかるように説明することができないこと
がまことに多いような気がいたしますが、いかがでしょうか?
これは、逆にもうしあげますと、いくつかある選択肢の中から、ある特定の事柄を「課題」として選び取るときに、「思いつき」や「直感ベース」になってしまう、ということを意味しています。
否、本当に本当のことをいうと、「思いつき」や「直感ベース」でもいいのです。実際に、「思いつき」や「直感」が課題解決に占める割合は大きい。
しかし、他者に対して説明するときには「いやー、思いつきです」は困る。「何かを選び取った理由」を他者に対して説明するときには、たとえ、「思いつき」や「直感ベース」であっても、説得力をもって、わかりやすく説明しなければならない、ということになります。
たとえば、
「なぜ、Aを選んだんですか?」
「いやー、単なる思いつきでしてねー」
とか
「なぜBを選んだんですか?」
「いやー、直感がビビビときましたね」
というやりとりは、かなり、厳しいのです(笑)。
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それでは、どのように、この事態を解決するか。
たとえば、今、仮に、複数ある課題のなかからひとつを「選択」するのだとします。
まずなすべきことは「1.すべてならべる」です。
要するに「すべて選択候補をすべて並べる」
たとえば、今仮に、選択候補がAからEまで5つ生まれたのだとします。
候補A
候補B
候補C
候補D
候補E
次になすべきことは、このうちたとえば候補Cを選択するのだとした場合、つぎになすべきことは、「選んだ理由」を明瞭に述べることです。より具体的には「候補Cを選んだ理由」をかなり具体的に、かつ、子細に考えておかなければならない
候補Cは、海外の実践事例では高い成果をあげており、かつ、XXXの観点からも、高い効果が期待できる・・・それにXXXXXの理由からもXXXである
のように。
そして、最後になすべきことは、候補A、B、D、Eを「選ばなかった理由」を控えめに考えることです。
候補Aは・・・の観点ではすぐれているが、今回のケースに適するとは必ずしもいえない
候補Bは・・・・すでにXXXで実践されていて、効果があまり期待できない
候補Dは・・・実践の歴史が古く、現在の状況にそぐわない
候補Eは・・・効果は確かに期待できるものの、レバレッジポイントとしては弱い
などという風に。
なぜ候補Cを選んだ理由だけでなく、候補A、B、D、Eを選ばなかった理由についても、考えるかというと、「選んだ理由」だけだと、「片手オチの議論」「思いつきの思考」に見えてしまうからです。
もちろん、これらの「選ばなかった理由」を他者に対して説明するときには、これら、すべての説明を為す時間があるかどうかわかりません。
しかし、他者に伝えるときには「候補C」を選んだ理由だけを伝えずに、その他の候補に関しても「時間をかけて考慮した痕跡」だけは伝えた方がいいように思います。もちろん、つっこみが入れば、子細に議論をすればいい。
いずれにしても、ロジックをたてる、ということは、「すべての場合」に対して「用意周到な準備」をすることです。
なぜなら、あなたの聴衆は「候補A、B、D、Eの支持者」かもしれないのですから。
「あのー、大前提になるし、もしかして、ちゃぶ台をひっくりかえすことになるかもしれないのですが、なぜ、あなたは候補Cを選んだんですか? 候補A、B、D、Eの可能性だって有望なのではないでしょうか? なぜ候補Cを選んだのか、逆にいうと、候補A、B、D、Eを選ばなかった理由を教えてください」
候補AからEを検討することなく、候補Cを意気揚揚と選んだあとで、他人から、こう言われたら、どうする?
ひでぶ。
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今日は、課題解決の文脈で求められる思考についてお話をしました。
要するに、端的に申し上げれば
「思いつき王子」「直感ガール」にならないようにしてね
ということです。
1.すべてならべる
2.選んだ理由
3.選ばぬ理由
を配慮していれば、一応は、「何が課題として重要なのか」を他者に対してわかりやすくお伝えできるような気がしますが、いかがでしょうか?
(MECEとか、そういう用語もありますが、それを伝えても、経験上、学生やビジネスパーソンにピンときてくれた方がいないので、僕は、大学院生の指導においても、昔から、すべて並べる、選んだ理由、選ばない理由、と言っています。)
あなたの選んだ課題は、本当に「解くべき課題」ですか?
あなたは「思いつき王子」や「直感ガール」になっていませんか?
そして人生はつづく
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